(文=市橋 哲順)
今回は、「病院経営がヤバい」というトピックから、2つの記事をご紹介しつつ、解説していこうと思います。
記事1
記事タイトル:病院の窮状踏まえた経営支援補助金(2024年度補正予算)、生産性向上・処遇改善・病床削減・周産期医療確保などが補助対象—厚労省
https://gemmed.ghc-j.com/?p=65166
記事1の要約
〇物価高などもあり、病院の経営が全国的にもかつてないほどヤバいので、国は2024年度補正予算に「医療施設等経営強化緊急支援事業」を計上した。
〇この事業は、以下の7つからできている。
(1)生産性向上・職場環境整備等支援事業
(2)病床数適正化支援事業
(3)施設整備促進支援事業
(4)分娩取扱施設支援事業・小児医療施設支援事業
(5)地域連携周産期支援事業(分娩取扱施設)
(6)地域連携周産期支援事業(産科施設)
(7)医療施設等経営強化緊急支援執行事業
記事2
記事タイトル:病床削減の申請5.4万床、想定の7.7倍に 福岡厚生労働相
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA221IY0S5A420C2000000/
記事2の要約
〇記事1の中でも物議を醸しているのが(2) 病床数適正化支援事業である。
〇この事業は、「そもそも病床が過剰だろ?今のうちに病床削減したら金やるぞ」という趣旨のもの
〇この事業に全国から多くの病院が殺到。その規模は想定の7.7倍!
〇あまりに多かったので、厚労省は、2024年度補正予算に計上した他の事業で執行しきれなかった予算を活用するなどして、第2弾の実施も検討するとした。(次回は6月中旬をめどに配分を決定)
考察
補正予算事業(2)だけに着目すれば、厚労省は、病院への支援と併せて、全国で「多すぎる」といわれている病床の削減を行おうとしたのではないかと思います。
しかし、実際に動いている病床だけでなく、動いていない病床(休止病床)も補助の対象としたため、非常に多くの病院から希望が殺到することとなりました。
実は、既存の制度でも通称「ダウンサイズ補助金」というものがあり、1床減らすと200万円が補助されるというものがあるのですが、今回はそれを410万円に増やすというのだから、飛びつかない手はありません。
こうして多くの病院が手を挙げることとなったわけですが、予算そのものは限りがあるので、1病院当たりの補助金が少なくなってしまうという事態を招いてしまいました
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