コラム

週刊 寺本英仁「巻き込む力」と「ビレッジプライド」の育て方 第21号(HOLG版)

ビレッジプライド

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本記事では、有料メルマガ「週刊寺本英仁@島根県邑南町/「巻き込む力」と「ビレッジプライド」の育て方」の一部(A級グルメ連合についてのストーリー)をご覧いただけます。なお、掲載するメルマガは約3か月前に配信した内容です。最新かつ、全文の閲覧を希望する場合はコチラからお申込みください。

 

【第21号の目次(2019年10月30日配信)】
1.近況ーー地方と都市を結ぶ小さな取り組みで「内野安打」を狙え
2.里山レストラン「香夢里」は立ち止まらない(16)
3.<A級グルメ連合>の仲間たち 鹿部町編(1)
4.著書の案内、質問募集!など

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3.<A級グルメ連合>の仲間たち 鹿部町編(1)=志を同じくする5市町の取り組みを連載形式で紹介します!

 電話越しに「北海道鹿部町」と聞いたとき、僕は日本地図を一瞬思い浮かべた。だが、当然というべきか、位置関係がまったく把握できなかった。

 電話の相手は株式会社ビッグゲートの大関将広代表からだった。

 大関さんは、元々日本 IBMの社員だったが、2011年の震災直後、石巻の鮮魚店の2代目と運命的な出会い(どんな出会いだったのかは、今も聞いていないが)で石巻入りし、日本IBMとして復興支援に参加。石巻事業所長に就任して、ふるさと納税に着目すると、なんと初年度7か月で3億2000万円の寄付を集めたのだ。

 以降、彼は地方を舞台にした事業に魅力を感じて独立を決断(「それに味をしめた」と言えば言葉は悪いが、彼と僕の間柄では、ついそう言いたくなる)、日本IBMを退社し、株式会社ビックゲートを立ち上げた。
「地方創生型ふるさと納税」を提唱し、全国を馬車馬のように奔走している。

 彼を紹介してくれたのは、この連載でも紹介した金山宏樹氏である。地方創生で全国を駆け巡っている彼は、『プロフェッショナル仕事の流儀』を見て以来、僕の熱狂的なファンになってくれたのだ。そして全国で出会った「これぞと太鼓判を押す民間人」を、ことあることに僕に紹介してくれる。

 大関さんも金山氏の紹介の一人だった。

 その大関さんからの突然の電話の内容は、「鹿部町の町長が、寺本さんに会いたがっているから、来週の日曜日、邑南町で時間を作ってくれませんか」というものだった。
「本当は明日でも会いたいと町長は言っているんだけど、それは無理だとお断りしといたから」と間髪おかずに続けた。

 もちろん大関さんも、僕が1か月後のスケジュールの調整をするのも難しいのはわかっている。それを、重々承知の上で「明日を来週に、相手側のリクエストを緩和したから」と語りかけるのがまさに大関流である。

 僕もなんだか難易度が低くなった気分になり、予定を調整してしまう。この男は本当に、無理なことでも、無理がないように見せる頼み方が上手い。
 そして1週間後の日曜日、僕は大関さんと、北海道鹿部町長ご一行と邑南町で対面した。

 鹿部町長の最初に会ったイメージは「若い」の一言につきる。思わず、僕は年齢を聞いてしまった。
 町長は「46歳」と答えてくれた。僕と同い歳だった。
「同い歳で町の行く末の判断を任されてるのかー」と思い、尊敬の気持が湧くと同時に、立場は違うにしても、邑南町のために僕も頑張らないといけないという気持がさらに強くなった。

 町長の名前は盛田昌彦。
 役場時代は僕とほぼ同じ産業畑、とくに商工観光の分野が長く、僕と同じ経歴をたどられていたことで、さらに親近感が増した。

 鹿部町は函館から車で約1時間程度走った、渡島半島北東部に位置しており、駒ヶ岳の南東部にあるため、しばしば噴火による降灰を受ける。

 面積は110平方キロメートル、人口3900人の町だ。主産業は漁業で、町内に大小3つの漁港があり、海産物としては通年タコ、ホッケ、サクラマス、昆布、ナマコなど豊富で、とくに冬場はタラコの原料スケソウダラ漁やホタテの水揚げが浜を賑わす。また、鹿部川には放流したサケが遡上する。

 温泉も多く、国内でも珍しい間歇泉を利用した足湯が道の駅にあり、この道の駅に多くの観光客が訪れる。

 ただ、北海道にしては珍しく「産業としての農業」がない町である。
 盛田町長は商工観光課長時代、「漁業と観光」をなんとか6次産業化して結びつけようと、道の駅の立ち上げや、観光客の誘致のイベントを企画した。

 しかし、なかなか自分の思ったとおりの町おこしができていないのが現状で、町長になった今も変わらないことに危機感を覚えて、わざわざ僕のいる邑南町まで遠路訪ねてきてくれたのである。

「寺本さん、僕の親父は漁師で、今は兄が家業を継いで親父とやってくれています。小さいころから、漁の忙しい時は家族で総出で家の手伝いをする。それは、自分の家が特別ではなく、鹿部では今でもそれが当たり前の光景なんです。そんな鹿部が僕は好きで、なんとか町を元気にしたいんです」
 と盛田町長は熱を込めて語る。

 一言で言えば「鹿部が子どものころから大好きで、熱い男」なのである。
 誰かに似ていることは、既に皆さんお察しだとは思いますが(笑)。

 僕はこれまで、邑南町でやってきた「A級グルメ構想」の話を熱く伝えた。そして、最後にA級(永久)グルメ連合に鹿部町が加盟してくれませんかと、お願いした。
 盛田町長は「鹿部はまだ全然、全国的に食の取り組みでは実績がないのに、仲間に入れてもらってもいいのですか」と聞き返してきた。

 僕は思ったとおりのことを伝えた。
「実績なんて関係ありません! 実績は今からいくらでも一緒に作れるじゃないですか。それより大事なのは、僕は町長の町をなんとかしたいと思う気持ちに心打たれました!」

 僕と盛田町長はこの日、お互いの思いを存分に語り、意気投合したのである。
(つづく)

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