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公務員×学び直し 公務員と⺠間をつなぐ学びのススメ

(文=墨田区 松本輝之)

世の中の⼤変⾰期、地⽅⾃治体はどうする?

 ⼈⼝減少社会、⼈⽣100年社会、AI/Iot社会――。この先訪れる社会には様々な名前がつけられています。それぞれ重要な意味のある⾔葉ですが、今が時代の転換点であると予測されていることは間違いありません。社会が変わるということは⾏政の仕事も変わるということ。コンパクトシティ・働き⽅改⾰・電⼦政府など、行政の仕事もこれまでの考え方では対応しきれない局面に立っているといえます。地⽅⾃治体の仕事は、要望や事務をこなすだけでは追いつかなくなっており、新しい社会を職員自らがデザインをしつつ、市⺠と共に構築していくことが求められています。「自分の仕事は時代に応じてアップデートできているのか?」そう感じたときには、一歩外に出て「学び直す」という⽅法もあります。

公務員と⺠間“公務員らしくない”学びをやってみたい

 私は社会情報⼤学院⼤学という、社会⼈向け⼤学院に通っています。学び直しを考えたのは昇任試験の合格がきっかけでした。昇任は決まったものの2年間の待機期間があることがわかり、その2年間の有効な過ごし方として社会⼈向け⼤学院で学ぶことを思いつきました。
 「昇任時の職責をしっかり果たすためには、しっかりとした仕事の軸が必要なのではないか」――。そんな思いからい学び直しをしようと考えついたわけですが、同時にふと「公務員という視点だけでよいのか?」という危機感がよぎりました。行政では「公務員と⺠間」という対⽐を頻繁に用います。例えば、⾏政の仕事の重要性や、⾏政の⾄らない点を指すときなど、様々な状況で使用しがちな言葉です。私の同僚にも「⺠間では…」という言葉を枕詞として語る⼈が何故か多いようにも思います。確かに、⾏政には⺠間とは勝手が違う点も多く、それを把握することは重要です。ですが私は、この表現を多用することに危機感も感じていました。⾏政を卑下する⾔葉として使っていないか、⾏政は変わらなくていいという⾔い訳にしていないか、民間とは違うと思い込んで⾏政でも役立つ⺠間の知恵を⾒過ごしていないか――。そんな思いがいつも胸にありました。
 ⾃治⼤学校を筆頭に公務員向けの学びの機会は意外と多くあり、どれも有⽤だと思います。しかし、私は、以上のような問題意識から「公務員らしくない学び」をしてみたいと感じていました。そこで、「公務員の常識から離れた、“視点の変わる”学びがある」「異動しても活⽤できるポータブルなスキルが⾝につく」と考えて選んだのが、現在通っている「社会情報⼤学院⼤学」でした。

⾏政×次世代広報 社会情報⼤学院⼤学での学び

 社会情報⼤学院⼤学は⽇本で唯⼀の広報・情報の専⾨職⼤学院として、2017年に開学した、まだ2年⽬の学校です。この⼤学院で学べることは、⼀⾔で⾔うと「コミュニケーションの設計」です。⺠間では主に広告を主要なツールとして⽣活者とコミュニケーションする「マーケター」と、メディアや投資家を対象としたコミュニケーションを⾏う「広報」が職として分化しています。社会情報⼤学院⼤学では、このマーケティングと広報の両⽅の発想・技術を学ぶことで、自分の組織と社会との良好な関係性を構築できる、コミュニケーション設計のプロフェッショナルを育てることを⽬的としています。現代においてコミュニケーションの重要性は語るまでもありません。特に⾏政においては、市⺠・企業・議員・メディア・世間・職員など利害関係者=ステークホルダーが⾮常に多く、コミュニケーション設計の重要さは⺠間企業以上と⾔えるのではないでしょうか。授業では、組織論のようなアカデミックに寄った内容から、SNSの運⽤やリスク対策などの実践的な講義、⽣活者の気持ちを知るためのマーケティング⼿法など、コミュニケーションのあり⽅を多くの⾓度から学んでいます。

院⽣発、地域との共創プロジェクト「⺠間の知恵」と「地域活性化」がつながる

 ⼀⾒⾏政と関係のない分野でも、⾏政への応⽤は可能だと強く感じています。例えば、31年8月、同級⽣との⾃主活動として三島市の地域参画や観光を考えるプロジェクトを実施しました。これは静岡県三島市で活動する団体「みしまLINK」のメンバーである地元の経営者や移住者、⼤学⽣の皆さんと私達社会情報⼤学院⼤学の院⽣、姉妹校である事業構想⼤学院⼤学の院⽣が半年間協働して、三島市の未来を考える試みです。プログラムの集大成として、31年1月、シンポジウムで三島市⻑さんにプレゼンテーションを⾏いました。私は三島市に関わる⼈を増やす「地域参画」の施策をチームで提案しましたが、提案の元となったのは⼤学院で学んだ“熱狂マーケティング”の考え⽅でした。熱狂マーケティングとは、お金を払わなくても自ら進んでPRしてくれる「熱狂的ファン」を増やすマーケティング戦略です。この手法は、予算が付きづらい地域活性化の分野でも応⽤できるのではないかと考えました。
 地域への参画を増やしていく鍵は地域の人が行う活動にあります。ここに関わってくれる人を増やすこと、そしてその活動をはじめる人を増やすことをテーマに、熱狂マーケティングを活用して整理しました。

地域参画と熱狂のサイクル

 そして、地域の活動を知ること、共感して関わりをもつこと、人に勧めること、新たな主催者となることそれぞれにハードルがあるのではないかと考え、すでに活動している人がやりたいことがある人をサポートする仕組みである「みしまドリカムプロジェクト」や、三島にすでに多くある地域活動が一同に会するイベント「みしま見本市」などを事業提案しました。
 発表の前日も午前3時まで直しを入れるという熱いチームに恵まれた結果、プレゼンの様⼦を静岡の地元紙等で取り上げていただくなど⼀定の反響もいただき、地域活性化というテーマで、⼀⾒⾏政と最も縁遠いように思えるマーケティングとがつながったと感じた瞬間でした。

「近すぎず、遠すぎず」がポイント

 学びには、2通りの⽅法があります。⼀つは⾃分の経験・知識とつながることを学んでいく「七並べ型」、そしてもう⼀つは⾃分とは遠い内容を学び、それがある瞬間につながることを狙う「コネクティングドット型」です。後者はカリグラフィーとコンピューターをつなげたスティーブジョブスの逸話が有名です。私の今の学び⽅は、この2つの真ん中だと思っています。⾃分と関係しすぎず、かつ遠すぎず、⾃分の世界がある程度の確度で広がるよう、幸運にもバランスが取れていると感じています。これは、実務を⾏いながら学んでいることも寄与しているように思います。⾝についた知識はすぐに実践でアウトプットできるからです。学んだことを、⾃分の専門領域とのいかに結びつけるかに悩むこともありますが、実務で困った時に学んだ知識を引っ張り出したりと、学びと実務を⾃由に結びつけることができます。
 例えば私は今人材育成を担当していますが、希望者を募る研修では受講者が少ないことが課題の一つでした。そこで、皆さんに研修の内容がよく伝わっていないのではないかと仮説を立て、文字だけの通知文ではなくデザインしたチラシを作成してみたところ、受講者が増えただけではなく受講者の満足度が高くなりました。
 また、研修やeラーニングなどを企画する際には、ニーズがどこにあるかを考えることはもちろん、本人たちも気付いてはいないけどあったらいいコンテンツなどを職員同士で話しながら分析して掘り下げていくようにしています。
 いずれも「コミュニケーションは受け手がその解釈を決める」という広報の基本や、自社の都合ではなく市場のニーズから発想をスタートする「マーケットイン」の考え方など、これまで学んだ内容がきっかけになっています。ふとしたタイミングに業務上の課題と学んだことがつながることで、これまでは見つからなかった視点が現れたり、視点が定まったりするときに世界が少し広がったように感じています。
 これから学び直しを考える⽅には、近すぎず遠すぎない学びがおすすめです。学び直しながらの⽣活は決して楽ではありません。というか、正直、時間のやりくりなどはつらいものがありますが、得るものは⾮常に⼤きいです。たとえ何歳でも⾃分をアップデートするのに遅いということはありません。社会のこと、地域のこと、そして他でもない⾃分⾃⾝をアップデートしたいと考えたとき、学び直しが⼒になることを思い出してください。学ぶ場でつながる多くの⼈が、さまざまな形での学びが、あなたの世界を広げる仲間になるはずです。

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