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週刊 寺本英仁「巻き込む力」と「ビレッジプライド」の育て方 第24号(HOLG版)

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2.<A級グルメ連合>の仲間たち 鹿部町編(4)=志を同じくする5市町の取り組みを連載形式で紹介します!

 2019年6月、僕は鹿部町に出向いた。
 あの北海道胆振東部地震から9か月が経過していた。
 早速、大関さんのいる道の駅に向かった。彼は僕が来るのを待ち構えていたかかのように、駐車場で立って待っていてくれた。
 鹿部町は、タラコを特産品として売り出しているが、大関さんはタラコ唇で、この町にイメージがピッタリだ(笑)。
 彼は、ビッグゲートがどうなっているのか、鹿部の道の駅がどうなっているのか、僕の不安をすべて吹っ飛ばすくらいの屈託のない笑顔で迎えてくれた。
 大関さんは、道の駅から少し離れた空き家に僕を歩いて案内してくれた。どうやら、ここがシカベンチャーの事務所となり、ビッグゲートの仕事も併用してやっているようだ。
 邑南町担当をしている阿部ちゃんも、東京から夫婦で引っ越してきているようだ。
 盛田町長を僕に紹介したときも、大関さんはかなり強引でしかもいきなりだったが、今回のシカベンチャーの立ち上げや、ビックゲートの仕事も社員を家族ごと引っ越させるなど、かなり荒技師なのだ。
 しかし、どこか和みやすい性格で、柳のように問題をかわしながら、人を巻き込んでいく特技を持っているのである。
 さっそく協議に入る。僕はまず、邑南町のふるさと納税の状況を聞いてみた。
 昨年5000万円だった邑南町のふるさと納税は、今年からシステムをビッグゲートに変えた。商品開発も町内業者である、「食と農 人材育成センター」に任せた。
 これで、どのくらい変化が出るか、僕は鹿部の近況を聞くよりも興味があったので、第一声で、邑南町のふるさと納税の状況を聞いたのだ。
「このまま行けば、1億3000万円くらいですかねー」
 大関さんは冷静に答えたくれた。この冷静さと、やんわりとした強引力が彼の最大の武器である。
 そして本題。鹿部の道の駅の話になると、いつも明るい大関さんの顔が少し曇った。
「寺本さん、そりゃー苦労しますよ。とくに、道の駅のスタッフと信頼関係を築くのは大変ですよ。人間関係が構築されるまでは、なかなか鹿部を離れることはできないですよ」
 大関さんが鹿部を離れられない理由は大方察してしたが、本人の口から、その言葉を聞くと、よけい心配になる。
 とくに僕は大関さんと一緒にこの「シカベンチャー」を立ちあげた、金山くんとスタッフとの関係を心配した。
 金山くんは、赤字に陥っていた淡路島の「道の駅うずしお」を年商14億5000万円にした実績がある。道の駅の売り上げを伸ばすことにかけては、日本で間違いなくナンバー1で、彼の商品リサーチ力、商品の見せ方は天才的である。
 「香夢里」のメニュー開発でも大変お世話になっているが、スタッフへの要求もかなり厳しい。地方の「あるある」は、金山くんには通用しない。
 だから、金山くんとスタッフの間に入る人間がキーポイントなのである。「香夢里」は僕で、鹿部の道の駅は大関さんである。
 道の駅に行ってみると、前回の道の駅を訪問したときより、明らかに商品POPなども充実している。金山ワールド爆発だ。
 そうなるまでの、スタッフの努力と大関さんの調整の苦労は想像できる。
 大関さんは、スタッフと信頼関係を構築するまで、おそらく鹿部を離れることはないなと思った。邑南町への訪問は当分なさそうだ(笑)。
 そして、お昼を迎えた。
 お昼はこの前は地震で食べることができなかった、鹿部の道の駅自慢の浜のかあさん食堂の「プレミアムたらこ御膳だ」
 盛田町長が役場職員だったころ、町の飲食店は数軒しかなかった。そんな中、職員だった彼が、道の駅を立ち上げるとき「食」をメインにしようとした。
 鹿部町で道の駅の象徴にするため、漁協女性部のリーダー的存在であった、平井悦子さんに直談判してお願いしたらしい。
 平井さんに聞くと、函館の旅行会社の企画で、8年前から観光客向けに地元の魚を使用した体験料理教室を行って、これがかなり評判になっていたそうだ。
 それに目をつけた盛田町長が平井さんに頼みこんで、半無理やり道の駅で「浜のかあさん食堂」をオープンしたようだ。
 鹿部の郷土料理である浜料理を出すと、人気が出ることは確実だと思う。
 飲食店経営の経験のない、漁協女性部はものすごく不安だったと推察したが、盛田町長らしいなーと思った。
(つづく)

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