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GEMBAものづくりエキスポ(石川県小松市)「観光ルネサンスの現場から~時代を先駆ける観光地づくり~(214)」

GEMBAものづくりエキスポの風景

[記事提供=旬刊旅行新聞]

 石川県小松市は、九谷焼の産地として有名だが、古くは弥生時代の碧玉の玉つくりをはじめ、メノウ・オパール・水晶などの宝石群や良質な凝灰岩石材、九谷焼原石の陶石、金や銅の鉱石などの豊富な石の産地として発展してきた。金・銅の鉱山は、現在の世界企業コマツのルーツでもある。

このような2300年にわたる石の文化をもとに、2016年には「珠玉と歩む物語」が日本遺産に認定された。昨年は、小松で全国の日本遺産認定地域が集う「日本遺産サミット」も開催された。

日本遺産物語を活用した観光は、文化資源の活用であり、新たな産業再生・経済活性化の大きな武器にもなる。日本遺産サミットと並行して行われた「GEMBAものづくりサミット」は、こうした小松のものづくり企業が集い、オープンファクトリー形式の新たな産業技術の交流を促す事業であった。

同事業は、3年前の19年から産業観光の推進を目標としたワークショップを重ね、工場・工房による「こまつものづくり未来塾」を開催してきた。20年には九谷焼を核とした創造拠点「CERABO KUTANI(九谷焼セラミックラボラトリー:隈研吾氏設計)」や、新たな市民交流拠点「EATLAB」を核に、GEMBAプロジェクトの開催が模索された。

九谷焼の置物などを制作する宮創製陶所の工房とギャラリー

初年度となる昨年のキャッチコピーは「うちの工場、のぞいてみんけ?」であった。「わたしたちのものづくりの多くは、その先にあるはずの、使い手の顔が見えません。だからこそ、いつ誰が手にとってもいいように追求してきた技術がある。寸分違わぬ感覚をもつ、職人の目や手。100年以上のアーカイブが眠る秘密の蔵、世界最先端の表現を可能にする機械」。これらを多くの方々に覗いてもらうことによって、職人たちが顧客と触れ、自信につなげ、異業種との交流で新たな技術や製品分野を開拓しようというのが趣旨である。

工場・工房などによる産業観光は、既に20年以上の歴史をもつ。小松では新潟・燕三条の「工場の祭典」や福井県鯖江市の「RENEW」などから、その手法や考え方などを学んだ。その活動が評価され、昨年、日本観光振興協会の第14回「産業観光まちづくり大賞」も受賞した。

2年目となる今年は11月3~6日までの4日間、昨年を上回る35の事業所が参加した。テーマ別にコースを設け、有料の観光プログラムも設定された。九谷焼などはもとより、工房での体験や製品は、自分だけの大切な思い出と土産になる。

「産業が観光になる(産業観光)」は、まさに近代のものづくりの時代の新たな観光形態でもある。「ニューツーリズム」とも言われたが、こうした観光が、地域の新たな産業再生や創造につながるという意味では、これから地域が求めるべき新しい観光形態であることは間違いない。

(日本観光振興協会総合研究所顧問 丁野 朗)

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