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【鹿屋市 半田あかり氏:第1話】松竹芸能の実験として鹿屋へやって来た『地域おこし協力隊員』

【半田あかり氏の経歴】
松竹芸能所属のお笑い芸人。1984年生まれ。大阪出身。お笑い芸人として、NHKの番組でレギュラーを務めるなど活躍。地域おこし協力隊の制度により、2016年4月に鹿児島県鹿屋市役所で勤務。「かのやオフィシャルリポーター」として、鹿屋の町や特産品をPRしている。

―松竹芸能所属の半田あかりさんは、2016年4月から鹿児島県鹿屋市役所の職員として仕事をすることとなった。当初の目的であったPRの業務はもちろん、それ以外の領域においても成果が上がっているという。なぜ、大阪から鹿屋まで来たのか?どうやって地元メディアでの露出を増やしたのか?どのように地域に貢献しているのか?半田あかりさんご本人と、その採用を進めた鹿屋市の福井逸人副市長に話を伺った。

松竹芸能の実験として鹿屋へやって来た『地域おこし協力隊員』

加藤(インタビューアー):どういった経緯で、『地域おこし協力隊』として、鹿屋の魅力を伝える『オフィシャルリポーター』になられたのか教えていただけますか。
半田氏:はい、私が所属している松竹芸能という事務所からお話を聞きました。
半田あかり かのやオフィシャルリポーター
加藤:なるほど。松竹さんとしても、そういう地方に関わる分野に興味があったわけでしょうか。
半田氏:恐らく、一回実験的にやってみたいというのがあったと思うんです(笑)。「それを半田にやらしてみようか」みたいなことだったんじゃないかと思います(笑)。
 鹿屋市の方から出ている条件が、「テレビ経験があって」「レポートができて」「イベント司会ができて」「式典司会ができて」「タレントの枠でも動ける」それに「芸人の枠でも動ける」・・・(笑)。
加藤:スゴイですね、ハードルが(笑)。

鹿屋に来て、収入が3分の1

半田氏:なおかつ、『地域おこし協力隊』のギャラで行ける人は、当時は事務所にいなかったんです。
福井副市長(以降、福井氏):彼女は鹿屋に来て収入が3分の1になりました(笑)。
半田氏:「そうなってまで、行くメリットがあったのか」と言われるんですが(笑)、やはり興味本位というのが一番大きかったです。
 聞いたこともない、行ったこともない鹿児島県鹿屋市・・・「『鹿屋市』って何やねん!」と(笑)。私は、大阪の109などが家の近所にあるような都会で育ったタイプなので、「全てがカルチャーショックな場所だよ」と言われたのもまた興味をそそりました。
加藤:育ちも大阪で、全く鹿屋には縁がなかったんですね。
半田氏:はい、鹿屋という所は知らなかったし、俗に言う「田舎」と呼ばれる場所で暮らしたこともなかったので、すごく面白いですよね。

タレントを辞めて、路上ライブをしていたら松竹芸能からスカウト

加藤:なるほど。 松竹さんに入られたのはいつ頃だったのでしょうか。
半田氏:学生の頃に読者モデルみたいなことをしていて、それからタレントになって仕事をしていたんですけど、25歳ぐらいになった時に、ちょっと余りにもアイドルとかタレントって表面的なものだと思ってしまったんです。
 アイドル当時はイメージが大事だったので、つっこみたい所もつっこめないし、自分を飾り続けることに意味がないような気がして「事務所を辞めて、芸人になります」と当時の事務所に話をしました。
 たまたま、相方が見つかって路上ライブを始めたら、3カ月も経たないくらいで、松竹芸能さんからスカウトしていただきました。もともとは事務所に入るつもりはなかったんですけど、『松竹芸能』というと大阪の2大芸能事務所の一つなので、「せっかくだし乗っかっとくか」と(笑)。
加藤:半田さんが鹿屋に来ている間、相方さんはどうされているんですか?
半田氏:あっ、相方は辞めてしまったんです。辞めて2~3年経った時に鹿屋の話があったんです。
加藤:鹿屋の話があるまでは、お一人で活動されていたんですか。
半田氏:二人でやっていたレギュラー番組が5本ぐらい残っていたんですが、「相方がいなくても、一人でそのままやっていいよ」と、そのままやらしていただいていました。ただ、ちょっとずつ仕事が減ってきてはいたんですけどね。
加藤:そこから急に鹿屋に飛び込んで来たんですね(笑)。
福井氏:よく本当に、大阪の仕事を捨ててまで来てくれたと思いました。
半田氏:いや、どう考えても面白かったからですよね。

「あいつはアホやなー」と、誰かが笑うような人生

加藤:どういうところが面白そうだと感じたんですか?
半田氏:福井さんが直接大阪に来てくれて、鹿屋の活動を教えて下さって、ダンスでPRしている姿とかを見せてもらったんです。正直、大阪では割と当たり前にあったりとかしていて、内容的には「まぁ、それぐらいはやっておかんとね」という気持ちはあったんです(笑)。
 ただ、その・・・何か一生懸命やりに来てくれていると思いましたし、どう考えても私の条件が悪かったんです(笑)。だからこそ、人生の中で「何でそこ行ったんやろ?」と、転機になるような気がして・・・。逆にチャンスだと思って、鹿屋に来てしまいました(笑)。昔から悪い癖があるんです(笑)。
加藤:(笑)。
半田氏:人生を振り返った時に「あいつはアホやなー」と、誰かが笑うような人生があるから私は芸人としての価値が出るのかなと思ったので。
加藤:あえて、逆張りする感じですね。
半田氏:私が面白くない人間なんで、オモロハプニングという出来事に頼ってしまって(笑)。逆に魅力的すぎて『絶対ラクしてもウケるやんルート』やったら、行かんかもしれなかったです(笑)。

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