物件のオーナーから応援してもらう
加藤:商店街のスペースを借りる家賃はどうしていますか?
晝田氏:家賃とか光熱費はもちろんちゃんと払っているんですけど(笑)、塩尻市役所の山田崇さんがやった『nanoda』を参考にしています。最初に4人でお金を出しはじめ、いまでは岡崎市役所職員を中心に40人くらいが協力してくれて、「漢気を下さい!」といって賄っています(笑)。
加藤:漢気(笑)。
晝田氏:「じゃあ、1年分これね」みたいな感じで払ってくれる人もいます(笑)。家賃は相場に比べるとすごく安く貸していただいています。「公務員がまちへ出て行って、いろんな人と交流することで、まちを活性化させたいんです!」という想いをオーナーに伝えていたら、「応援するよ!」と言ってもらいました。
地道に行動を続け支援者を増やした
加藤:40人の支援者というのはすごい数だと思います。どうやって増やしたのでしょうか?
晝田氏:「今後、こういう活動をやります」と、仲の良い先輩方や外部の人に言いまくって(笑)、「応援するわ」と言ってもらいました(笑)。その時に「言いましたね?」って念押しして、漢気をもらっているんです(笑)。これも塩尻の『nanoda』から学んでいます。
さらに、お金を出してくれた先輩には「応援してくれる人は他にいませんか?」と聞いて(笑)、さらに紹介をしてもらいます。
まだまだ20代だから応援してくれているのだと思いますが、嬉しかったのは「何やるかわからんけど、晝田だから応援するわ」と言ってくれた先輩がいたことです。他にも「まちを何とかしたい」という想いで役所に入ったけど、結局何もできないままこの年齢になってしまった。「だから、自分の想いを託したい」、と応援してくれている人もいます。
「どうせやんないんでしょ?」がきっかけ
加藤:そもそも、なんで『ここやる』をやろうと思ったんですか。
晝田氏:たまたま2015年の夏に、瀬戸市役所の友達が塩尻の『nanoda』に行く予定があって誘ってもらいました。当時は、山田崇さんも『nanoda』も知らなかったんですが、誘ってくれた子と仲が良かったんで、後に副代表になる岡崎市役所の中川光という人間も連れて、旅行感覚で行くことにしたんです。
塩尻に行って山田崇さんのお話を聞いて、『nanoda』で17時くらいから夜中の2時くらいまでずっと飲み続けていたんですよ。その間にも塩尻の地元の方が、「兄ちゃん、どっからきたの」「塩尻のワイン持ってくるから一緒に飲もうよ」みたいに声をかけてくれて、すごく良い空間だなと思っていたんです。
それで、夜中の2時くらい山田さんに「いろんなところに講演も呼んでもらえるし、『nanoda』へ視察も来てくれる。けど、誰もやんないんだよね、やろうと思えば出来るのに。どうせお前達もやんないんでしょ」って言われて(笑)。
午前2時ですよ(笑)、午前2時に、全員がベロベロに酔っている中で、「どうせやんないんでしょ、お前ら」って、本気のトーンで言われて…。まあ半分以上小ばかにしながらだと思うんですけど(笑)、それがめっちゃくちゃ悔しくて一気に酔いがさめたんです(笑)。結局、3時くらいまでずっと飲んで、『nanoda』に泊めてもらったんですが、「めっちゃ悔しい…、絶対やる」「あんなこと言わしとくわけにはいかん、絶対俺らはやる」と強く思ったのがきっかけです(笑)。
悔しいと思ったのは図星だったから
晝田氏:めっちゃ悔しいって思ったのは、「どうせやんないんでしょ、お前ら」っていう一言が図星だったからなんですよ。多分その言葉がなかったら、「山田さんっていうすごい人と会いました。いやー、プライベートでいろいろやっているってすごいなあ」で終わっていたと思うんです。
だから、『ここやる』のスタートは『nanoda』を真似している他の地域の方とはちょっと違っていて、完全に“打倒山田崇!”なんですよ(笑)。山田さんに負けたくないというか、見返してやるっていう気持ちしかなかったんです(笑)。他の地域の方は本当に地域活性化のためにとか、自分のまちを盛り上げたいとかだと思うんですけどね(笑)。
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※本インタビューは全6話です。facebookとTwitterで更新情報を受け取れます。
第1話 多様な住民が混ざり合う場の創出
第2話 悔しいと思ったのは図星だったから
第3話 お前らみたいなやつを待っていた
第4話 役所の業務とオフの活動を連動させる
第5話 「めげずに外、出ましょ!」
第6話 地方自治体の仕事を世界に広げる