インタビュー

【三芳町 佐久間智之 #4】「出る杭」が打たれないために

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公務員の能力はとても高い

加藤:出向から戻られて、改めて感じる公務員や行政の強みはありましたか?

佐久間氏:公務員の能力って、とても高い。民間と比較して、公務員は仕事がラクだとか言われるじゃないですか。そんなこと全然ない。質が高いと思います。
 公務員って、異動という名の「転職」を経験して、いろんなスペシャリストになれる。ドラクエでいうと、戦士のまま生き残るのか、それともいろんな転職をして、いろんな呪文を覚えるのかだとしたら、公務員はいろんな呪文を覚えるタイプ。いろんなところで役立つノウハウがあるっていうのは、能力が高いと思っていいと思うんですよ。

 これも民間出向で感じたんですが、組織の強みでいうと、役所は住民の声を拾い上げることができる。企業はエンドユーザーの声って、非常に拾いにくいんです。たとえば、車を組み立てる製造業の人が、エンドユーザーの運転手の人の声を拾えるかといったらなかなか拾えないと思うんですよ。届いて営業の人、ディーラーではないかと。

 いい意味でも悪い意味でも、公務員は直に住民の声が聞ける。やっていることが実感として自分の力になる。レスポンスがすぐに感じられるっていうのは、自治体の強みだなと思います。だから、改善もできるんです。

現場に出て直接声を聞くことが重要

加藤:役所は住民の声を聞ける立場だと思うんですけど、腹をわった意見は集めづらかったり、逆に、本音を引き出すことで批判につなげたくない面もありますよね。どうしたら、率直な意見を集めることができますか?

佐久間氏:そうですね、公務員が現場に出ることが重要だと思います。住民といっても、介護保険サービスを利用する人だったり、IT企業に勤める人だったりと、いろんな人がいます。でも、そういう住民の意見を汲み取って、うまいこと融合できそうな気がします。ITを使った高齢者の住民サービス向上なども期待できますし。

加藤:個人の力で、本音を吸い上げて打開するんでしょうかね。

佐久間氏:そうですね。広報担当っていうのは外に出て現場の生の声を聴けるので、本音で話しができる環境なのは間違いないです。

 一方で外に出るのが怖い、住民に何を言われるかわからないという不安があるのはわからなくもないです。公務員というだけで、目くじら立てられる時がありますから。でも、自分がフックになって役所と住民をつなぐくらいの思いをもった職員が出てきてくれればいいなと思います。

「出る杭」が打たれないために

加藤:佐久間さん自身は、叩かれる瞬間みたいなのがあったんですか?

佐久間氏:広報に異動した当初、「今までこの記事は見開きページもらってたのに」「やり方が変わった」「なんで広報をこんなスピードで変えるのか、もっとじっくり時間をかけてやったほうがいいのに」など批判的な意見があり、出る杭なのかなって感じはしました。

加藤:それに対してバランスとろうみたいなことも、そんなにしなかったのでしょうか。

佐久間氏:まったくしないですね。他人の目を全然気にしないです。出過ぎた杭は打たれないのかなと。

加藤:広報の仕事だと、正直そんなに気をつかわなくてもいいっていうことですか?

佐久間氏:いえいえ。広報誌の文章を削れ、削らないみたいなやりとりがずっとあるんですよ。「広報に載せてよ」って原稿来るんですけれど、「これ載せられないですよ」って言ったら、「いいから載せろよ」って。意見のすれ違いはありますね。でも、そこで本質的な理由を説明して、しっかりと理解してもらって、最終的にはまるく収まるっていう感じですかね。

 たぶん、根回し上手なんですよ。ここは根回ししとかないとやばいなっていうのが、公務員のキャリアが長いので、肌感覚でわかるんです。これは絶対引っかかるなというところは、事前にお話をしておきます。それから起案をまわし、各課の合議をいただく。決裁文書はいい意味で自分を守る大義名分になったり、免罪符になるんです。

 公務員のなかには世間体を気にする人がいて、「聞いてない」で怒るケースが多いんです。「聞いた聞いてない」という不毛な時間をなくすためにしっかりと根回しをしたほうが結果として、絶対トータルでかかる時間が短くなるんです。
(編集:市岡ひかり)

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