インタビュー

【元陸前高田副市長 久保田崇氏 #6】復興庁は被災地に置かれるべき

久保田崇6

復興庁は被災地に置かれるべき

加藤:復興庁と関わる中で、こうしてほしいという要望はありますか?

久保田氏:「復興庁がどこに置かれるべきなのか」という問題ですね。いまもですけど、復興庁の所在地は東京なんです。もちろん岩手、宮城、福島に復興局という地域拠点がありますが、本体は東京なので大臣は東京にいるんです。それは、どうなのかと思うわけですよね。
 たとえば、仙台に復興庁を置いて、そこに大臣がいる。副大臣は東京にいれば良いと思うんです。被災自治体からすれば、近い距離で相談ができるのと、東京に行かないと会えないというのは全然違うじゃないですか。

加藤:その状態だと、大臣も現場感が持てないですよね、意思決定スピードも変わるでしょうし。それと、地方はそれなりに気を使って国に接するじゃないですか。現場にいてくれるほうが関係も深まって、本音で率直に話せますよね。

久保田氏:そう、加えてもっと地味な話もあります。震災直後から復興庁に相談することが多かったわけですが、岩手復興局は盛岡にあるんです。だから復興庁に相談しようと思ったら、まず盛岡に行ったり電話したりするんですが、岩手県最南端で沿岸部の陸前高田から内陸北部の盛岡までは遠くて、移動するにも時間がかかるんです。
 それを解消するために、復興庁の職員が各自治体に配置されてもいいと思います。それは別に自治体に出向するのではなくて、各自治体の市役所に復興庁部屋をもらって、連絡役として常駐する。
 そうすると、陸前高田、大船渡、釜石、大槌、山田みんな被災しているわけですから、何人かずつ人員を張り付けておけば、その生の現場の声を拾ってもらえて、復興庁から他の省庁に話をしてもらうこともできるんです。実務的にはそういうことも重要ではないかと思います。

資金調達の話が自治体で語られるべき

加藤:最近、自治体発行の仮想通貨について話がありますが、これはどう思われますか。

久保田氏:多分、望んでいる答えと違うことを言いますと、広い意味で捉えれば、ふるさと納税なんかもそれに近いものだと思うんですよ。ふるさと納税は返礼品ばかりに目が行きがちなんですけれども、寄付者が使い道を指定できる制度なんですね。
 多くの自治体では寄付金の使途を「子どものための事業に」などと大雑把にしか言いませんが、一部の自治体では使途を細かく指定していて、たとえば「子ども向けの滑り台をどこどこの公園に作る」など、いわゆるクラウドファンディングのようにプロジェクトベースで資金調達しています。

 これから先、自治体がファンドレイジングしていくものは増えていくと思うんです。それはふるさと納税であれ、地域通貨であれ、何かしらそういう手法は増えていくと思うんです。そういう自治体の発信力はこれから重要になってきますよね。今後は資金調達の話も自治体で語られるべきで、仮想通貨や地域通貨が(あるいは地域仮想通貨が)その手段になり得るならあっても良いという話かと思います。

自治体は政策の意義や効果をきちんと伝えることが重要

久保田氏:これまでの自治体は、基本的に国と県からお金をもらうこと以外の手段がなかったんですね。でも、いまは直接自分たちが資金調達できる手段が増えてきている。そうすると、これまでのように国や県とだけつながっていれば良いわけではない。世の中にきちんと発信をして、自分たちがやっている政策の意義や効果をきちんと伝えることが重要になってくると思います。

※本インタビューは全7話です。facebookとTwitterで更新情報を受け取れます。

他のインタビュー記事を読む

ネイティブアド



頁トップへ