インタビュー

【元大東市 入江智子 #2】月に一度3000人が集まる『ズンチャッチャ夜市』を開催

入江智子2

廃校で宿泊 相撲体験

加藤:『北条まちづくりプロジェクト』以外にはどのような事業がありますか?

入江氏:2つめにあげた「深野北小学校跡地活用プロジェクト」という廃校利用ですね。これはうちが単体でやっているわけではなくて、地元のベンチャー企業と一緒にスポーツ・歴史・食の拠点としての利用や、事務所としての貸し出しを進めています。現在、宿泊施設や土俵など、いろんな体験ができるように工事中です。車椅子ラグビーチームの練習拠点となっているところがユニークでしょうか。

参加者は3000人 出店者は40店舗の夜市

入江氏:3つめが「住道駅周辺活性化プロジェクト」というものですが、去年の7月から月1回、駅前一帯の公有地でナイトマーケット「大東ズンチャッチャ夜市」を開催しています。みんなでクラフトビールを片手に、立ち飲みしながらお肉とかを食べるんですが、参加者は毎回3000人を越え、出店数も当初20店舗だったのが今は40を超えました。飲食店の大半は地元のお店です。

 出店者にも商品や見せ方にこだわってもらっていて、目的をお伝えし、縁日的なたこ焼き、焼きそば、から揚げ、B級グルメ的なキッチンカーはご遠慮頂いています。また、アクセサリーや雑貨なども販売していますが、これも出店者を厳選しています。

 夜市を開催して良かった点は目に見えてまちに変化が起きることです。まちづくり会社の事業として、市民から一番わかりやすい取り組みなので、私は『ズンチャッチャ夜市の人』と呼ばれています(笑)。

大東市_夜市2

ターゲットは”すっぴん女子”

加藤:夜市はどうやって動き出したプロジェクトなんですか?

入江氏:出発点としては、住道駅周辺を活性化させる目的で、市からの委託事業を受託しています。高級住宅街ではないけど、ベタな下町でもない大東市、その中で私たちが将来まちに来てほしいと思っているターゲットは、”すっぴん女子”と名付けた、背伸びしないでまちを楽しめる人なんです。ブランド物にはこだわらないけれど、良いものは求める。人付き合いへの支出も惜しまないところがある。彼女たちに好んで来てもらうために考えた結果が夜市でした。

 大東は川のある風景を楽しめたり、夕日がきれいなんですよ。地元の美味しいご飯屋さんも多いので、それを知ってもらうきっかけ作りです。

大東市_夕焼け

きれいな夕焼けが見える

加藤:一年近く開催していて、変化は感じますか?

入江氏:来る人の層が最初は大東市内の人が多かったんですけど、いまアンケートを取ると、半数近くが大東市外から来ていることが分かりました。若い人がすごく増えていて、もともとのターゲット層により近づいてきている感覚です。

加藤:来場者は大体どのくらいの時間、滞在するんですか?

入江氏:イベントが16時から21時までなんですが、大体、20時頃まで飲んだら2次会が始まり、近くのお店に人が流れているみたいです。1~2時間も立ち飲みしてたら、そろそろ、座って飲みたくなるじゃないですか。

駅の活性化は商店街を活性化することではない

加藤:事業の目的は駅周辺の活性化ですよね。活性化の定義は難しいと思いますが、どこに重きを置いていますか?

入江氏:活性化というと、すぐ商店街とか言われるんですよ。だから、夜市の出店者が「その辺の空き店舗に入ったのか?」とか言われるんですが、それだけを目的にやるべきだとは思っていません。

 もちろん、地元のお店を元気にしたいという思いはありますが、住道駅に下車してもらうきっかけを作って交流人口が増えたり、いままでは駅の周りにオシャレなものがなかったので、喜んでもらえるきっかけを作ることが重視されるべきだと思っています。

 大東には自分のまちを誇れるものがなくって、胸張って「大東市に住んでいますよ!」ってなかなか言いづらいんです。「大阪桐蔭高校があります」とか、「東大阪の上なんです」とか、「四條畷の下なんです」とか(笑)。 

イニシャル200万、ランニング10万でイベントを開催

加藤:夜市の開催にかかるコストはどのくらいですか?

入江氏:テントとかパラソル、照明などの購入費が最も大きくて初期費用として200万円くらい。今は店舗数が増えているので全て買い足しています。あとは、デザイナーさんに「ズンチャッチャ夜市」のロゴやチラシ、ステージなどをデザインしてもらう費用は外せません。
大東市_夜市1

 ランニングコストとしては、倉庫の賃貸料とか、社員の人件費がかかっていて、パートの方に大体10万円くらいお支払しています。具体的な仕事としてはHPからエントリーがあった出店者さんを審査する会議の準備や、決定の通知などをお願いしています。

 他にも新規の店舗が出店する場合はメニューの写真を送ってもらって、「OKですよ」とか、「もうちょっとこうしてください」とか、既に出店経験がある店舗でも、メニューを変える場合には確認しています。あとは、店舗の配置を図面に落としたり、出店して欲しいお店に営業してもらったりしています。

加藤:来場者や出店者向けに広告費は使わないのでしょうか?

入江氏:広告は何もしてないです。フェイスブックで今月は誰が演奏をするとか、出店するとか、前月の写真を載せたりとかはしますけど、口コミで広がっている印象です。そもそも、住道駅前でやっていますが、ここには一日で6万人乗降客があるんですよ。

ビールの販売は主催者の特権

加藤:運営を維持できるために利益を確保する工夫はありますか?

入江氏:主催者側の特権で、クラフトビールはうちだけが直接売らせてもらっています。他のお店はワインや日本酒、焼酎などを売ってもらっています。また、設営については10人くらいの学生を中心としたボランティアに手伝ってもらっています。

加藤:出店料はいくらですか?

入江氏:3万円という噂が出回り驚いたのですが、税別で、パラソル3,000円、テントは5,000円、キッチンカー8,000円です。他にもオプションとして、電気を500W引っ張ってきたら500円とか、イスがほしい人は200円、テーブルは1,000円とかはありますけどね。周りからは「もうちょっと高くてもいいんじゃない?」と言われますが、周辺のマーケットとの兼ね合いもありますし、出店者さん同士の口コミも大事ですから。

加藤:安いですね。店舗数は増えても受け続けられるものなんですか?

入江氏:まだ大丈夫です。アンケートではもっと飲食店が欲しいと書いてあるので、直近目標は50店舗なんですけど、60~70くらいまでは全然いけると思っています。

※本インタビューは全5話です。facebookとTwitterで更新情報を受け取れます。

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