インタビュー

民間企業が突きつけるデジタルガバメントの課題

graffer TOP3(2)

(インタビュー=横浜市 石塚清香、船橋市 千葉大右/文=横浜市 石塚清香)

幸せな行政サービスを共に創るために

千葉:行政手続きをBPRする時には「住民が記入するフローを省く」ことが注目される傾向にあるのですが、実は行政内部から見た時には「職員が間違えないようにコントロールすることで、職員側の事務軽減に役立つこと」も重要なのです。そのためにもGrafferさんの仕組みは貢献できると思います。

石塚:Grafferさんがいま考えているゴールはありますか

井原:4万6千という数字を見据えつつ、短期・中期・長期で考えた時に、短期的にはまだまだやることがあるのは確かです。一方で、ライフイベント以外でも介護事業所の認定や保育園の申請受付などで問合せや残業が多いというような課題を、ITで解決できるのではないかと思っています。
 保育無償化やプレミアム商品券など、急に実施が決まったものの、詳細な要件が直前まで決まらないような施策でも、Grafferの仕組みであれば期間をかけずに対応できる可能性がありますので、我々の仕組みを利便性の高い行政サービスのプラットフォームとして使ってもらえると嬉しいです。

千葉:ウォーターフォール型のシステム開発ではそういうスピード感は得られない中で、Grafferのアジャイル的なやり方(仕様が変化することを前提に、変化に対して柔軟に対応可能な開発手法・体制)が今後ますます求められていくと思います。

井原:私たちは自社の事業を「行政インターフェース事業」と呼んでいますが、我々は「手続き=市民と行政とのインターフェース(接続点)」だと考えています。
 市役所の窓口業務の大半がそのインターフェースを通じて行われているのであれば、そこの改善を図るだけで行政に対する満足度はすごく向上するはずで、非常に投資対効果の高い取り組みだと思っています。

石塚:満足度もさることながら、地方のように町役場に行くのに1日仕事というところもあり、オンラインで済むかどうかが死活問題になってきますね。

千葉:いまGrafferの市民向けに郵送代行される場合の郵送代行手数料はいくらぐらいですか。

井原:定額小為替などを封入するような作業がだいぶあるので、戸籍の取り寄せの場合、切手や定額小為替やその手数料などの実費を含めて2000円前後いただいています。法人証明書請求のサービスもアンケートを取ると国が提供するオンラインシステムがある中で、サービス満足度が10段階評価で7以上が96%を占めました。自分自身、これまで色々なサービスを行っている中でこれほど高い満足度は見たことがないので驚きました。

千葉:定額小為替の対応は我々職員もすごく大変です。例えばGrafferさんが収納委託の契約を全自治体と結んだら、郵送請求における定額小為替がこの世からなくなるはずで、市民にとっても自治体事務においても、そのインパクトは甚大だと思います。

石塚:私たち自治体職員としては、Grafferさんのようなサービスによって、自分たちの取組み、特にデジタルガバメントの取組みをどうしていくのかという課題を突き付けられることになります。
 ただ、Society5.0と言われる「人間中心社会」に向かっていくために避けては通れないので、市民サービスの向上を目指すために、我々にもやるべき宿題が多々ありますね。
 行政手続きというインターフェースの利便性向上のために、これからも共に創っていけると嬉しいです。

編集後記

―――忸怩たる想い。

 Grafferのサービスを最初に見た時に感じたのは正にこれだった。

 様々な行政サービスは市民の生命と財産、公共の福祉を守るためにあって、そこへ適切に接続をさせることは行政の最大の役割であるはずなのにできていない。

 それを見せつけられるような気分になったからだ。

 今回「GovTech」をテーマにして取材記事を手掛けることになった時、民間サービスの紹介と合わせて、行政職員ならではのそういう想いを書いてみたいと考えた。

 結果的に、時間を大幅に越えて取材が盛り上がる中で、双方が「デジタルファーストの前にユーザーファーストであれ」という点で同じ方向を見ていると感じられたことは、私にとって新しい道標になったと思う。

 今回、インタビューを快く受けていただいた株式会社Grafferの井原氏と、取材の機会を作っていただいたHOLG.jpに感謝したい。

(文=横浜市 石塚清香)

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※本インタビューは全3話です。facebookとTwitterで更新情報を受け取れます。

 

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