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HOLG編集室

著者が語る『いまさら聞けない!自治体予算・会計の超基本』(海老澤功)

(文=西東京市・海老澤功)

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1 本書執筆の背景

地方公務員オンラインサロンbyHOLGや、オンライン市役所などでオンラインの交流をしていた際に、「新たに要望した予算や、改善した予算が財政担当課の査定でカットされてしまう」という話を多く聞きました。

そこでどのような要望をしているかを聞いてみると、「予算を切られそうだから00円位で圧縮して(上乗せして)提出した」「イベントの参加者を増やしたいからチラシの印刷枚数を去年の倍にしてみた」など、財政担当課の立場からすると、およそ予算見積もりの根拠とは言えないような発言が飛び出してきました。

その際、「例えば、ある地区の公民館のイベントを増やしたいなら、その地区の全戸配布を目的に世帯数を基礎とする」「また、その公民館のイベントが小中学生に来てほしいイベントならば、公民館が所在する学区域の小中学生の児童・生徒数が基礎となる」「小中学生の保護者向けメール配信システムがあるならば、チラシ印刷をやめてメール配信に代え、その費用は小中学校でのプレイベントの開催費用に変更して、認知度を上げる」などの手段が取れるといった話をしたところ、皆さん大変驚かれていました。

このとき、財政担当課が長引く不況の中で財政状況の厳しさばかりを訴えてきたため、原課の職員は金額を減らすことに専ら注意が向いてしまい、予算の目的や根拠といった基礎的な視点を上司や先輩職員から受け継いでいないのではないかという懸念が生まれました。

このことは大変不幸なことで、財政担当課も単純に予算を削ればいいと思っているのではありません。必要なところにはしっかり手当てをし、逆に必要性や根拠が不明確な要求は厳しく査定しています。そのような財政担当課の考えや立場が理解されない一方、原課も財政担当課に予算を査定減されて、現場を理解しようとしてくれていないと感じるといったすれ違いが生じているのだと思ったのです。

その後も同じような出来事が続き、原課と財政担当課のすれ違いを何とかしなければという思いはますます強くなっていたところ、編集者さんから執筆のお声がけをいただきました。

2 財政はそもそも小難しい

入庁時にやる気に燃えていた職員も、うまくいかないことが続けば、やる気の炎もしぼみがち。やはり若いうちに必要な知識を入手し、小さな成功体験を積んでいってほしい――。

このような若手への想いと、担当の編集者さんの考えが合致して、本書は若手向けの内容にすることになりました。しかし、財政制度は地方自治法や地方財政法などにより精緻に規定された仕組みが難しく、正確な記述を心がけるとどうしても法令に沿った文章になりがちです。

書店に並ぶ数多くの先達の書籍を読んでみると、専門家向けのものから、財政担当課職員向けのもの、そして一般職員向けのものと先達の良書が数多くありますが、一年を通した予算執行、予算編成、そして財政課ヒアリングや予算の獲得について書かれた書籍がなかなかないこともわかりました。

そこで、根拠法令などは先達の良書でカバーされているので、私の書く本は、それよりも前に、若手が財政に苦手意識を持たない程度のところまでの掘り下げに留め、財政のイメージをふわっとでもつかんで全体の流れを理解できる本にしていきたいと考えました。言うなれば、門外漢の公務員志望の学生が読んだとしても、なんとなく財政・財務のイメージが理解できるような本にしていくことを旨に書き進めていきました。

書籍のタイトルを決める際には、「財政や財務という言葉を見るだけで難しいという先入観があるのではないか?」という編集者さんのご意見に腑落ちして、書籍のタイトルには財政や財務という言葉を使わずに、「予算・会計」という若手職員により身近な言葉を使っています。

3 図表へのこだわり

やさしく書くことへのこだわりの延長線上にあるのが、図表へのこだわりです。

比較や階層構造等については、どうしても言葉だけではわかりにくいため、全編を通じて項目ごとに図や表にまとめて表現しています。これまで国等の説明資料で示されていたような図であれば、これまでの記憶をもとにわかりやすくかみ砕く形で作成できました。

一方で、これまで図や表で説明されたことがあるのかどうか、寡聞にして知らない項目については、随分と頭を悩ませました。本文の記述よりも図表の作成に時間を取られることもしばしば。担当の編集者さんはそのあたりも気遣ってくださって、デザイナーさんにリライトしていただいたので、とても見やすいものとなったと自負しています。

4 本書を通じて、少しでも良い自治体の実現を

本書を通じて皆さんにお伝えしたい隠れたテーマはコミュニケーションの大切さです。予算等に関する知識を少しでも分かち合うことで、同じ組織の職員同士、いがみ合うよりもお互いの行動原理や背景を理解して、協力できることは協力し合い、また住民とも建設的な意見交換を通じて、より良い自治体が作られていく一助になれば望外の幸せです。

本書を予算・会計、総じて財政の知識に悩まれている多くの方々に読んでいただき、多くの住民の暮らしを支える自治体の仕事が、前進し、スムーズに進んでいくことを願っています。

本書でわからないことや、さらに詳しく聞きたいことなどがありましたら、お気軽にFacebookや地方公務員オンラインbyHOLGなどでメッセージを頂ければと思います。

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