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【掛川西高等学校 吉川牧人 #2】学びを止めるな!わずか2週間で全教員がオンライン授業

吉川牧人2

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学校のICT化にビジョンと具体性を持たせる

加藤(インタビュアー):吉川さんは現在、「ICT推進委員長」として学校のICT化を推進されていますが、その経緯を教えてください。

吉川氏:ICT推進委員は2016年に立ち上げました。今では静岡県のICT整備はとても先進的に取り組んでいますが、その当時は気配がなく、ICTを活用するビジョンもあまり見えていませんでした。そこでICT整備のビジョンを先取りして学校内で有志の研修会をやり始めました。

 また全国の先進校を視察しながら知見をためることも行いました。例えばiPadが配布されたとき、そのiPadのアプリをどう管理・活用していくかも教員が全部やる必要があるんですね。その適切な方法を検討して整備していくのも、取り組みの一つでした。

3年前からZoomを活用

加藤:掛川西高校ではいち早くコロナ禍でのオンライン授業に取り組まれましたが、それまでもオンライン授業をされていたのでしょうか。

吉川氏:今のようなオンライン授業はしていませんでしたが、3年ほど前から学校でZoom等は活用していました。

 例えば猛暑が話題になった年に、中学生の体験入学者を体育館に集めるのは危険だという話になったんですね。そこでクーラーの効いた各教室に集まってもらい、会議室と各教室をZoomで繋いで学校のプレゼンテーションをしました。そうやって少しずつ学校内でICTの知見を集めていったのです。

緊急事態宣言からオンライン授業がスタート

加藤:そして2020年4月、コロナ禍による緊急事態宣言から一気にオンライン授業がスタートしたのですね。

吉川氏:当時の静岡県は東京都ほど緊迫した状況ではありませんでしたが、4月1日に校長に提言をして、これまで培ってきたICT化の知見を一気に授業に組み入れました。休校になったのは4月13日からなので、それまでの2週間で取りまとめました。

加藤:たった2週間で整えられたのが驚きなのですが、例えばどんな準備をされたのでしょうか。

吉川氏:まずはGoogle Classroomという、いわゆるバーチャル教室みたいなシステムを使って生徒とコミュニケーションが取れる環境を作りました。

 あとはちょうど4月で入学やクラス替えがあったので、そんな区切りのタイミングでもスムーズにGoogleアカウントの配布と研修を行えるよう準備をしていました。

教科書の出版社との交渉

加藤:実際にオンライン授業がスタートしたのはいつ頃ですか。

吉川氏:休校前に校長から学年集会でビジョンの共有をしてもらい、4月17日には時間割通りに授業動画の配信を全教員で行いました。

 準備で気を遣ったのは教科書の使用許可です。当然教科書にも著作権があるので、オンライン授業で勝手に使えないんですね。4月28日からは国が教科書会社に費用を支払って使えるようになりましたが、本校はもっと前から教科書会社と交渉をしていました。そこで独自に許可を得ていたため、全国に先んじてオンライン授業が始められていました。

学びを止めるわけにはいかなかった

加藤:校長先生から学年集会でビジョンの共有があったそうですが、どんな内容のお話だったのでしょうか。

吉川氏:「本校は学びを進める」というメッセージです。全教員が一致団結して生徒たちに授業を提供するのだと伝えました。

 実はそのメッセージになった理由が明確にありまして、いま教育界は大きく変化の時期に差し掛かっているんですね。センター試験がなくなり新しい入試のシステム(大学共通テスト)に移行することが決まっていましたし、中でも英語や国語の試験方式は二転三転して混乱が生じていました。

加藤:たしかに入試形式の混乱については、ニュースでも大きく報じられていましたね。

吉川氏:そんな時にコロナと休校が重なり、先の見通しが誰にもわからなかったんです。恐らくあのまま何も動かなければ、多くの学校と同じように本校も自習用のプリントを配ってやり過ごすしかありませんでした。

 でもそんな場合ではなかったので、本校は学びを進めるためにすぐに動きました。普段は校長がそこまで前に出ないのですが、今回のような非常事態はやはり長が出てきて、意義を熱く語るのが重要なポイントだったと思います。

(取材=加藤年紀 編集=小野寺将人)

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※本インタビューは全8話です。facebookとTwitterで更新情報を受け取れます。

 

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