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入江智子3

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【元大東市 入江智子 #3】売上の4分3は市から 議会も稼ぐことを期待

スクールでは大東市の介護予防体制を講義

加藤:4つめの健康スクール事業はどのようなものでしょうか。

入江氏:「地域健康プロフェッショナルスクール」と銘打って、昨年の7月に大阪、9月に東京で介護予防の体制構築について講義をしたのが始まりで、いまは毎月何かしらの講座を行っています。

 大東市の地域包括ケアシステムが注目を集めているので、他自治体の職員が来ると思ったのですが、意外にもほとんど来ず、民間の理学療法士などが多く来られました。もちろん、それは良いことなんですが、自治体職員にもっと来てもらいたいと思っています。

加藤:自治体には視察文化があるので、視察に流れるのでしょうか?

入江氏:まちづくり会社で有料視察も受け入れていますが、そっちにはたくさん来ますね。ただ、視察でわかったような気になっても、実際の現場では全然広まっていないと思います。

加藤:視察と講座で得られるものの違いは何でしょうか。

入江氏:人を育てるところに違いがあると思います。講座の場合はeラーニングでみっちり学んでから集合研修を行います。実践する人を作ることに主眼をおいて、「あなたは何ができますか?」とレポートしてもらったりしています。

大東市_集合研修

集合研修の様子

加藤:受講費用はどのくらいですか?

入江氏:コースによって違いますが、6時間分のeラーニングと、2日間の集合研修で15万円のもの、2時間分 のeラーニングと1日の集合研修で2万円などの講座があります。研修では模擬的に地域ケア会議をやってみたり、通いの場づくりのグループワークをしたりするので、結構お得だと思うんですが(笑)。

 やる気のある自治体職員って、自腹でも勉強会行ったりするじゃないですか。そういう学びの場所がもっと必要だと思うんですが、福祉分野って無料講習が当たり前なんですよね。

加藤:どのくらいの人が講座に参加していますか?

入江氏:去年は15万円の入門コースだけでしたが、34人参加してくれました。ただ、女性が多い職業なので1泊研修だと厳しいと思って、試しに日帰りの講座を始めてみましたが、爆発的に人が来る感じでもなかったです。まだ、試行錯誤中ですね。ただ、実際に講座を行った実績で、都道府県の研修を受託する機会を得ました。

 都道府県は市町村に介護給付費を抑えろと言いますが、ありきたりな講習だけ受けるより、この研修を受けてもらった方が実践で使えますよね。将来的には他の都道府県からも受託できたら、その地域の住民もハッピーだし、自治体もハッピーになると思います。

自治体も稼がないといけない時代

加藤:市が株主だと、儲けることを良しとされない風潮もあるのでしょうか?

入江氏:いまの時代は自治体も稼がないといけないですし、理想はどんどん儲かって、次のまちづくりの原資を貯めたいんです。そのため、庁内にも儲けすぎて駄目みたいな風潮はないです。

 いま、いくつか委託業務を市からももらっていて、調査や計画策定をすることもありますが、「結局、市がお金を出しているだろう?」と言われたりもするので、市からの仕事をもらわないようになりたいとも思います。

 おそらくそれは、議員さんも望んでいると思います。というのも、議会での質問では「大東市以外の売上が、まだまだ少ないね」みたいな感じで言われるので、稼いで悪いという風潮はないですね。

加藤:市から受ける委託事業の売上はどの程度あるのでしょうか?

入江氏:1期目の売上のうち約1,500万円は市からの委託です。市以外の売上は約500万円ぐらいで、健康スクールと、「ズンチャッチャ夜市」の出店料やビール販売の売上げです。

まちづくり事業会社の資本政策

加藤:まちづくり会社の株主構成に変動はあるのでしょうか。

入江氏:まちづくり会社は、もともと300万円を市が出してできた会社です。そして、この3月に市内2社から100万ずつ投資をいただき、さらに市から300万の追加出資をいただいたことで資本金が800万円になりました。そのうち600万円は市が出しているので、いまも市が大株主という状態です。

加藤:まちづくり会社の株は今後も市が過半を持つのでしょうか?

入江氏:北条が軌道に乗るまでは過半を市が持っていた方が、銀行さんとか、設計業者さんとか、建設会社さんにしてみても信頼できますよね。また、パブリックマインドを失わないために、過半を市に持って欲しいという意見が現時点では多いです。

 だけど、私は市が30%ぐらいでも良いですし、市の資本比率は減っていくのが理想だと思っています。その場合でも議会への決算報告は継続して行うべきだとも。

加藤:なぜそう思われるんですか?

入江氏:いまだと市長が社長を兼ねているというのもあって、市民から市のトンネル会社だと思われたりすることもありますし、将来的に現実的な経営で収益性を高めるには、民間比率があがった方がいいと思っています。

加藤:出資者が今後増えると、合意形成のスピードが落ちるリスクもあると思います。資金調達の方法として、借入額を増やしていくみたいな考えもあるんですか?

入江氏:融資を受ける場合は必ず子会社を作って、そこがすべてプロジェクトファイナンスで調達し、そのプロジェクトの収益から返済していくつもりです。

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