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高倉万記子

コラム 事例を知る 情報システム

五月病戦線の辺りで-高倉万記子

 官僚のメンタル休職者が民間の3倍というニュースが出たところだが、地方公務員も増加の一途のようである。

 自治体では、罵声を浴びせられたり、何時間とクレームを聞き続けるということも少なくないが、厄介なのが身内対応かもしれない。今回の人事異動で、嫌な上司と(また)一緒、と嘆いている人もいるだろう。上司のパワハラの話は自分も公務員時代に見聞きしたことはあるし、よその役所でもあるようだ。

 起案するにも強い口調で指摘されるので、コミュニケーションそのものが億劫になる。プライベートの相談なんて以ての外。そうすると今度はあの案件はどうなってるのか、連絡がないと叱られがち。こちらに非がないよう、相手にわかってもらえるよう丁寧な説明を心がけようとすると、そんなことはいいから結局どうなんだと結論を急かされる。ペースを乱され疲弊する。当事者に話を聞くと、相手を鍛えるつもりでやっている人もいるようだ。

 こういった方は相手が弱いと強く出ているケースもある。こちらも大きな声で返事するとあまり強く言ってこないことに気づいた。短気なタイプが多いので、なるべく結論から話すといい。ある程度理屈を述べたい気持ちはわかるが、丁寧に喋るのは大抵逆効果のようだ。また、緊張してしまうので余計うまく喋ることができなくなるだろうが、内心は自信がなくても堂々と断定口調で喋るぐらいでちょうどいい。相手がこちらを育てようとしている場合は、中身さえ整っていればこれでうまくいく場合が多いと思う。自信がないなら、周囲に相談して確信を得ておく。
 また、恫喝する管理職の中には、担当する仕事に理解力が追いついていないが、自分のポジションを意識した上で強く出てくるケースも少なからずあるようだ。そういう方には、頭を下げ敬意を払いつつも、自分に任せてくれという姿勢で臨むとうまくいく場合が多い気がする。相手は内心どうしたらいいか不安で頼りたいようだ。

 なぜ相手がそんな行動を取るか、それを考えるだけで対処法が見えてくることがある。面倒な人に振り回されてる人は自分だけでない場合が多い、逆にうまくやり過ごしてる人がどう対処しているか、参考にするのもよいかもしれない。気を病むと周りが見えてこないので難しいのが実情だが。

 パワハラ加害者の方が正すべきというのはごもっともな意見。だけど、これもまた見聞きする話だが、加害者側には自覚がないそうだ。例えば厚労省のチェックリストに多く該当したとしても。

 残念ながらパワハラ加害者になるような人は一人どうにかなっても、組織の中でまたこのような人に出会う可能性は十分にある。なので、こういう人が出てきたらどう対応するかというノウハウを護身術として身につけておいた方がいいと個人的に思っている。

 被害者になって気を病む方は自分の中で鞘を収めようとするし、口頭も文章でも他者に思いや考えを伝えるのが苦手な人が多いようにも見受けられる。ストレスは人に伝えることで発散できることもあると思う。仕事にも役立つので、短文でも絵でもなんでも、伝える能力を鍛えるのも生きやすくなる近道だということは、元々あがり症の人見知りとして伝えておきたい。

 職場の窓口に通報することなども悪くない。やられる前にやり返せ、という気持ちをどうか忘れないでほしい。死ぬぐらいだったら、どんなやり方を使っても生き抜いてやる、それぐらいの気持ちを持った方が長い公務員人生、ずっと楽に生きられるはず。

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【高倉万記子氏の過去のインタビュー】
システムのスペシャリストが創出した役所の外に広がる輪
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高倉万記子氏 経歴
一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)インターネットトラストセンター主任部員。
 2000年に愛媛県の八幡浜市役所入庁。市民課を経て、2003年に基幹系システムの保守運用開発部門に異動し、国民健康保険や福祉制度業務等を担当。2013年に、愛媛県後期高齢者医療広域連合へシステム担当として派遣され、マイナンバー制度等の導入作業を行う。
 総務省自治大学校の行う情報システム領域における育成研修において、パネルディスカッションのコーディネーターを務め、自治体職員に対してマイナンバーやSNS活用の講師等を行っている。

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