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コラム

地方自治体職員とともに歩みたい、ある民間人の独り言 Vol.4-古田智子

【古田智子氏 経歴】
慶應義塾大学文学部卒。株式会社LGブレイクスルー代表取締役。地方自治体との官民連携事業にコンサルタントとして25年携わる。地方自治体職員の人材育成も手がけ、指導した職員数は20,000人を超える。和光市市庁舎にぎわいプラン専門検討委員会副委員長。著書に「地方自治体に営業に行こう!」(実業之日本社)がある。

増えるばかりの事務量の負担「感」を減らしたい!すぐに職場で使える3つのハック

 皆さんは、自団体の「人材育成基本方針」に目を通されたことはありますか。筆者は仕事柄、様々な自治体の人材育成に関する基本方針や計画に触れる機会があります。
 目を通していると、方針に示されているキーワードの中で最近よく目にするものが3つあります。
 それは「挑戦(チャレンジ)」、「スピード」、「改革」。
 社会の変化に合わせ、公務のあり方を従来の前例踏襲型から見直さなければならない。その方向で職員の意識も変わっていかなければならない。背景にあるのは人事サイドのこうした危機感。
 では、この方針が各所属の実務の現場に落とし込まれて実践できているかというと、なかなかすんなりとはいきません。そしてその理由は、決して職員の皆さんの意識の問題や、指示待ち人間だからなどではありません。
 要は、「事務量が多すぎて新しいことを考える余裕や時間がない」。
 もちろん所属の事務の領域や職場の状況によって差異はありますが、全般的に事務量は増加傾向に。例えば最近では、保育の無償化に伴う自治体側の事務負担などが代表的な事例です。

 なんとかならないものかと思い、過去に首長をご経験されている方に尋ねてみました。
 「職員さんの事務量を減らすのはどうしたらいいでしょうか」
 結果、それはなかなか難しいのではないかとのお言葉でした。
 それはそうだなあというのが率直な感想。法律や様々なルールという制約の隙間を見つけて事務量を減らすのは右から左へ行かないのは想像に難くありません。また、事務を減らすための現状把握にもまた事務量が伴います。それもまた本末転倒。
 もちろん事務の効率化のため事務フローの棚卸しをして再現性の高いルーティンでできる事務にデジタル技術を導入する自治体も出てきています。ただ、こんな取り組みができる予算が全ての自治体で確保できるかというと、それも厳しいのが現実です。

 確かに、事務量を減らして時間に余裕を作るのは難しいかもしれません。
 一方で、「時間」に余裕をつくれなくても「気持ち」に余裕を作れるとしたら?
 その結果として事務量への負担「感」が減るとしたら?
 仕事に立ち向かう心持ちも違ってくるのではないでしょうか。
 実は「時間がない」という焦りや負担感のほとんどが、物理的な仕事量の問題よりも心理的に感じる漠然とした不安から来ていることをご存知でしょうか。
 そんなわけで今回は、コストをかけず誰でもすぐに職場で実践できる「気持ちの余裕の作り方」3つをご紹介しましょう。

割り込み仕事で中断した仕事をメモしておく

 割り込み仕事に見舞われるのは自治体職員の皆さんの宿命。特に地域住民ファーストな所属の職員さんにとっては日常茶飯事です。いつも心の何処かにあれやらなきゃ、これやらなきゃと焦りがこびりついている。これでは仕事がはかどりません。

 こうしたときに効果的なのは、割り込み仕事が入った段階で「中断する仕事と中断した時点の日時」をさっとメモしておくこと。中断した仕事が気持ちの片隅にある状態で割り込んだ仕事に取り組むと、気持ちが焦り集中力も低下しがち。メモしておくことで今までやっていた仕事を一旦すぱっと忘れ、100%気持ちを切り替え割り込み仕事に集中することができます。元の仕事に戻るときに、中断した段階を思い出してすぐに着手しやすいのもメリットと言えるでしょう。

緊急度は低いが重要な仕事ほどさらっと着手しておく

 学生時代、テストの日が明日に迫っているのに机周りの掃除や資料整理を始めてしまう。そんな経験がある方は要注意です。例えば所属の事業領域関連の他都市事例やデータを分析し、まとめて報告するという手合いの重い仕事は、明日すぐに提出というわけではなくある程度作業期間が設けられます。ところが「期限までまだ日にちがあるから大丈夫」と安心してしまうと、さほど重要ではないものの急ぎの仕事を優先しがちに。結果として重い仕事を仕上げる時間がなくなってきます。

 そしてこうした状況に陥ると、何故でしょうか。急がなければならないのは心底わかっているにもかかわらず、ますます着手できなくなってしまいます。「まず机の上の資料を片してすっきりしてから手掛けよう」と、テスト前の机周り掃除と同じ状態に陥ります。

 こうした緊急度は低い、でも重要な仕事は、その仕事を受けた直後に「さらっと」軽く着手しておきましょう。例えば資料の出どころだけ調べておく、報告書なら目次案を箇条書きにメモしておく。極端な話、報告書の表紙だけ作っておく、でもよいのです。さらっと着手したら、一旦急ぎの仕事に戻って大丈夫。重要な仕事の期限が近づいてきた段階で少しでも作業が進んでいると、着手する上で重い腰が上がりやすくなり、負担感が少なくなります。

 とかく「まとまった時間を作って取り組もう」と考えがちですが、日々新たな割り込み仕事が発生しがちな公務の現場では非現実的。思い出したときに「さらっと着手」を繰り返し、重い仕事の作業に入るときの気持ちのハードルをいつも下げておきましょう。

頭の中にある気になることすべてを書き出す

 GTD(Getting Things Done)という手法をご存知でしょうか。ストレスをなくすためのタスク管理法として、いま注目を集めています。
この手法の原則的な考え方は、

 「頭の中にあるものは、何一つ管理できない。」

 というもの。頭の中のありとあらゆる気がかりなこと全てを頭の外に出して管理し、やるべきことに集中して仕事を片付ける仕組みとなっているのが特徴です。
 いくつかのステップを踏んでタスクを処理していくGTD。まずは手元にノートを用意し、最初のステップ「頭の中にあることを一つ残らず書き出す」ことをやってみて下さい。漠然とした「あれもこれもやらなきゃ」「何か忘れていることがあるかも」というストレスから解放され、驚くほど気持ちの負担感がなくなることでしょう。

 GTDでは、こうして書き出したリストのことを「INBOX(インボックス)」と呼んでいます。仕事・プライベートの分け隔てなく、些細なこと、気になることは全て頭の中から出してINBOXに放り込む。気になることはINBOXを見れば全部把握できて安心!という状態を作り出すのがポイントです。
 それ以降の実践ステップの全体像を知りたい方は文末のリンクをご参照ください。

 以上、ちょっとした小ネタの羅列でしたが、3つともタイムマネジメントをテーマとした職員研修の中で筆者がよくご紹介しているハック。手間やコストをかけず 、すぐに実践できるものばかりです。
 皆さんの事務を抜本的に効率化させる事務フローの見直しやIOT技術の導入。自治体組織としてそうした取り組みが始まるまで、まずは今回ご紹介したハックをぜひ試してみて下さい。

 地方公務員本来の仕事だけに貴重な時間を存分に使えるようになる時が、一刻も早く皆さんに訪れますように。

 最後までお読みいただきありがとうございました。

出典:GTDでタスク革命!〜5分でわかるGTD〜
https://conlabo.jp/5分でわかるgtd-4181/
GTD Japan
http://gtd-japan.jp/about

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