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【読者投稿】真夏の夜の憂さ晴らし

「札幌の清祥納言」さんより
※文章内のリンクはHOLG.jpが追加
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小紫市長の第四話を祥子さんは読んだかな?」
「読みました! あの記事は他の首長さんにも刺激になりますね」
「確かに! 先頭に立って頑張る若い市長がいて、生駒市民も職員もホントに幸せだし、市の将来はバラ色だ。何せ、ポジティブな姿勢に好感が持てる」
 草津月は十一日の朝である。勤勉と誠実に明け暮れる旦那様を送り出して、義父と嫁の一日はこのようにして穏やかに始まった。普段は寡黙な義父がめずらしく滑らかである。
「で、祥子さん、アメリカの教育にディベートは必要不可欠な要素なのだよ。留学は単に語学が堪能になる、MBAを取得するためだけにあるのではない。大切なのはその国の文化、仕組みを学ぶことにあるのだよ」
 思いの外、話があらぬ方向へ届きそうで、私は何となくお尻のあたりがむず痒く、少しばかり恐れ戦いている。このまま平穏に時が流れて欲しい。
「ある命題につき是非を議論した後に、双方立場を入れ替えて再度議論させる。要は、今まで賛成の側にいた人間が今度は反対の立場で主張する。そして、反対は賛成へと鞍替えして主張する。実はこのような作業を通じて充実した対話が生まれて来るのですよ」
 そういい終えると、昨夜メモしたと思われる小紫市長の紙片を手に、義父は御仏前に進み出たのだ。そして、一昨年亡くなった最愛の義母にそれは聞かせるが如く、心得顔に誦し始めた。
『社会全体でそういう相互理解の土壌があることが、米国における徹底して議論するスタイルにつながっていると思います。お互いの理解も知識もないところからの議論は、不信感から始まりますから』
 そう、義父はこのことを言いたくて、わざわざ明暗に床を離れ、私に能書きを垂れようとしているのかしら。その気持ちは解らなくもない。
「議論と対話を基本にしたこのようなスキームを通して、知らず知らずのうちに相手への理解を深め、自分の言い分までもが客観的に見えて来る。このような作業を通じて、解決への糸口を掴む柔軟性も内から生じて来る。日本人は相手の立場に立つという心持ちが少しばかり足りない。それはね、祥子さん、小さい時からそういう訓練というか、学習機会を与えられてないからなのだよ」
 こりゃ駄目だ! 義父はことごとく自身の言霊に酔い始めた。広報誌の原稿の締め切りも迫るし、早くパソコンを起動して、仕事に取り掛からねば・・・と焦る己が愛しくて、居ても立っても居られない。
「で、祥子さん、優秀な人材を採用出来て、なお且つ、秀逸な教育を施すことが可能な生駒市は、将来『鬼に金棒、金に延べ棒』の桃源郷にきっとなりますよ。とても楽しみですね」
 出た! 意味不明の親父ギャグ! というお粗末な顛末で、哀しみと歓びが背中合わせの“手弱女”が、この世に潜み暮らす真実も知っていただきたく、敢えて筆を執りました・・・・・というのは真っ赤な偽りで、毎回興味深く、そして、真面目に読ませていただいておりまする。
(札幌の清祥納言さん)                     

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