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【元栃木県庁 西須紀昭氏:第4話】人が好きだったおかげで、みんなに支えてもらった

財政課には思い入れがある

加藤:振り返って、どこの部署の仕事に思い入れがありますか。
西須氏:思い入れを持って無茶苦茶働いたっていうのは、やっぱり財政課なんですよ。合計10年いて、長かったというのもあるかもしれないけど。でも、それは県政の具体的な一翼を担った感もあるから。
 実際に「この予算を付けたんだよね」みたいなさ。「この建物の予算付けたんだよね」みたいなね、そんなことを言えちゃう訳でしょう。別にそれは天狗になっているということではないんだけど、やっぱり、そういう仕事が自分にとって大きかったことは間違いない。いろんな人脈ができた大元でもあるしね。そこである意味、マクロ感とミクロ感っていうのかな、いろんな現場のことや考えを知り、こんな大変なのかとか、どんな思いでやっているのかっていう両極を知ることができたのかな。
 全庁に対してある意味顔が売れるっていうかな、全庁といろいろ関わる部署ばかり回ってきたんですよ。にもかかわらず、私自身、事務処理能力がすごく低い。全然駄目。企画力も駄目なんだけど、これは自分がやっていて楽しいと(笑)。だから、企画して動くことに対してはすごくアグレッシブでした。

「気持ちを込めて予算を要求してきた相手」は気になっちゃう

西須氏:財政当局っていうのは、ほとんど事務的に機械的に要求予算を切るんですよね。ただ向こうが気持ちを込めて予算を要求してきた時には、私も気になっちゃう。一緒になってワイワイガヤガヤやっちゃうわけですよ。
 多分ね、思い入れを持っていない人にとっては無駄でしかないので、そういう人とはそんなに長く、ワイワイガヤガヤやることはなかった。だけど、思い入れを持ってきた人にとっては、いくら時間かかっても一緒になって喋る。喋ってくれると向こうも嬉しくなっちゃうから、声もかけてくれる。予算編成の時期は、毎晩、夜中まで仕事をしている。その中でも例えば、「11時ぐらいから来ない?」とか言ってもらってね(笑)。
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 そこから2~3時間お喋りしちゃって、その後に財政課内の事務処理として、数字のまとめ。自分で自分の首を絞めて、朝の5時まで仕事するとかね。当時はエクセルもないから、電卓技なんだけどね。でも、それ自体楽しかった。だから、私はまだ30前後の若造だったわけだけど、事業の予算を査定官として、他部署の課長とかね、そういう方々にも、「あいつはいいやつだ」みたいに見てもらえた。色々な領域の企画まで含めて、首を突っ込んでいけたから。それはうちの県のやり方が変わっていたのかもしれない。

人が好きだったおかげで、みんなに支えてもらった

加藤:お仕事をされている中で、ご自身では何を意識されていましたか。
西須氏:ある意味、結果的にそうだったってことかもしれないけど、やっぱり人が好き。人って言っても、それは実は、『響いてくれる相手』が好きなだけなんだよね。それが響き合える、高め合えることにつながった。
 しかも、人が好きだったおかげで、逆にみんなから好いてもらい、みんなに支えてもらった。それさえなければ、こんな変な人間は、普通ならどっかで辞めるかクビになるかしていたよね・・・と思う(笑)。実際に、「最後まで役所にいられるとは全然思ってなかった」と、みんなに言われるわけ(笑)。

大学入学後の半年間は授業に出ずに、山で昆虫採集

加藤:昔から、例えば学生の頃からも、人のことが好きだったんですか。
西須氏:全然、全然。学生時代なんて大学行ってなかった。ただフラフラしてた(笑)。
加藤:フラフラっていうのは、何をされていたんですか?(笑)
西須氏:昆虫採集が趣味で、春から夏終わりくらいまでは、それこそ信州とかあちこち行っていたし、あとは大学に行くのが怖いから、大学行かずになんとなくボヤっと遊んでいた。
加藤:なんで怖かったんですか?
西須氏:だってみんな真面目なんだもん。大学入って最初の半年間は山に行っていたんだけど、そのまま9月になって、ぽつぽつ授業に行ってみようかなと。語学とか必修科目だから受けなくちゃなんないから(笑)。そこに行き始めたらすぐに遊び仲間ができちゃって、語学クラスが始まる前に後ろの方で集まって、そのまんま雀荘にと(笑)。そういう仲間が、ずーっと続いているよね。今も麻雀をやっているわけじゃないけど(笑)。
加藤:なるほど(笑)。
西須氏:もちろん、その仲間の中では俺が断トツのバカなんだけど。でもそういう連中と年に数回とかね、ゴルフやりにいったりとか飲み会やったりとかね。
加藤:そこで人と関わる楽しさみたいなものを覚えたってことなんですか。
西須氏:いや、そこまで意識とかいうレベルでは全くなかった。我々の時代はですよ、サークルがどうとかなんて、そんな華やかでもなんでもない。ましてや、NPO活動がどうしたなんて話は全然出なかった。
 だけど、卒業してからまた、その麻雀仲間はちゃんと付き合ってくれているし、そういう意味では本当にあいつらいいやつだなと(笑)。だって普通さ、3年も付き合わなくなりゃさ、若い頃なんて、そんな友達関係はすぐになくなっていくでしょう。
加藤:そういう学生時代を過ごされて、なぜ県庁でお仕事されようと思ったんですか?
西須氏:1人っ子で両親がいるからっていうのにかこつけて、ラクしたいから(笑)。大東京の中で、生き馬の目を抜くような世界に入る根性がなかったから。
加藤:試験もあるし、そんなラクに入れるわけではないじゃないですか。
西須氏:まー、それなりにラクに入れたんだ(笑)。
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加藤:それは元々優秀だったからじゃないんですか(笑)。
西須氏:はぁ(笑)、まあ(笑)。少なくとも大学に入るまでは優秀だったけど、入ってからあとはもう何にも勉強していないから、能力としては終わっている訳なんだけど、受かったっちゅうことは、県庁受験の連中の中では優秀だったってことなのかな(笑)。
加藤:(笑)。

「人間って何か」「生き方って何か」「人生って何か」

加藤:人に対する興味を強く持ったのはいつなんでしょうか。
西須氏:一つがね、婦人青少年課っていうところで、とにかくおばちゃんたちを束ねなくちゃならなかったんだ。その時に、男女共同参画っていう女性進出を支援することをやった。そういう中で、「人間って何か」、「生き方って何か」、「人生って何か」、そういったところをなんとなく深めさせられたっていうのが1つ。
 もうひとつはね、栃木県の描く将来構想というものを策定したんですけど、その時に有識者ヒアリングっていうのをやったんですよ。有識者に話を聞きに行って、ヒアリングを1人当たり1時間っていうのをやらせていただいたんです。その中で、当時、一橋大学の商学部の教授がいて、その方との出会いが大きかったです。その方から、『地域のキーマンを見つけて、会って、いろんなことを実行していく』ことが素晴らしいことだというのを学ばせてもらった。
 俺もいい加減だから、役所外の人といろんなことをごちゃごちゃやってきた方だったんだろうけど、でもやっぱり県の行政マンって、外へはほとんど出なかった。本気になっちゃったのは本当にそこから。外の人との出会いの中で、この人面白いなっていう嗅覚もついたし、自ら外の人との出会いを求めるようになっていった。

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※本インタビューは全7話です。facebookとTwitterで更新情報を受け取れます。

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