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事例を知る 環境

#地方公務員が気になるニュース 令和8年10月7日(環境)

記事タイトル:
北陸初の小売店舗『ZEB』化、電力・金融が連携支援 太陽光300kW導入(環境ビジネス)
https://www.kankyo-business.jp/news/0e398a52-fb73-43ea-89e1-86aaf5457e15
北陸電力株式会社 プレスリリース(2026年9月16日)
https://www.rikuden.co.jp/press/attach/26091601.pdf
(文=鳥井 静夫)

今月は、建物(建築物)の脱炭素化に地域の企業が連携して取り組む事例を紹介します。建物の脱炭素化は、まず使うエネルギーを減らすことが出発点で、再生可能エネルギーの活用はその次の手段です。

どんな取り組みか

北陸・中京エリアで食品スーパーを68店舗展開する「アルビス」(富山県射水市)が、高岡市の「福岡駅前店」を建て替え、北陸のスーパーとして初めて『ZEB(ゼブ)』店舗として10月下旬に営業を始めます。同社の温室効果ガス排出量の約8割は店舗の電力消費によるもので、店舗の省エネ・創エネが削減目標達成のカギです。すでに15店舗・1工場に太陽光を導入しており、今回の店舗を「環境モデル店舗」と位置付けています。

ZEBとは、建物の断熱化や高効率設備による「省エネ」と、太陽光発電などの「創エネ」を組み合わせ、年間のエネルギー収支を実質ゼロにすることを目指した建物です。4段階あるうちの最上位が『ZEB』で、今回はこれを目指します。屋根には300kWの太陽光発電設備を設置し、年間発電量は約281MWh(一般家庭約70世帯分、筆者概算)、CO2削減量は年間約128トンの見込みです。なお、ZEBの評価対象は空調・照明などの建物設備で、冷蔵・冷凍ショーケースは含まれません。「ZEBになれば店の電気代がゼロ」ではない点には注意が必要です。

地元企業の役割分担

・ 北陸電力:「ZEBプランナー」として計画策定と認証申請を支援(技術面の伴走者)
・ 北陸電力ビズ・エナジーソリューション(同グループ):オンサイトPPAで太陽光を提供。事業者が屋根に設備を設置・所有し、店舗は発電した電気を長期契約で買うため、初期費用がかかりません。
・ 北陸銀行:環境改善事業に使い道を限定した「グリーンローン」で資金を融資(資金面の伴走者)

この連携は突然生まれたものではありません。北陸電力と北陸銀行は2022年に脱炭素推進の連携協定を結び、銀行の所有地での太陽光発電所の建設や、銀行が橋渡し役となった他企業と電力会社との電力購入契約など、実績を積み重ねてきました。銀行がお金を貸すだけでなく、企業同士をつなぐ役割も果たしているのです。

自治体にとっての意味

地域全体でCO2削減を目指すうえで、公共施設だけでなく民間店舗にどう取り組んでもらうかは大きな課題です。今回の事例では、自治体の予算による支援は登場しません。地元の電力会社と金融機関が事業者に寄り添えば、自治体が多額の補助金を用意できなくても民間の脱炭素化を広げられる可能性を示す、参考になるモデルケースです。


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