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#地方公務員が気になるニュース 令和8年4月26日(図書館)

記事タイトル:「まさに図書館戦争」清瀬市で30年ぶり共産市長が誕生…4館閉鎖を巡る“騙し討ち”と市民の意地
https://news.yahoo.co.jp/articles/75b2ee21b5090bb5b69a731157f8aeb085b764e0
(文=西村 飛俊)

図書館問題は住民投票などで話題になることはありますが、ワンイシューでこんな結末が待ち受けているとは思いもしませんでした。

「図書館選挙」が市長を変えた──清瀬市の2年間が問いかけること

2026年3月29日、東京都清瀬市長選挙で異変が起きました。都内の市長選で共産党籍の候補が当選するのは1996年の狛江市長選以来、実に30年ぶりとのこと。記事上では有川浩氏のベストセラーになぞらえ「図書館選挙」と称する投稿が相次ぎ、全国的な注目を集めました。

この選挙に至る経緯は、約1年3ヶ月前にHOLG NewsPickerでも取り上げました(令和7年1月掲載「清瀬・図書館縮小 市民ら住民投票求め署名提出 6→2館」https://www.holg.jp/jirei/pick223/)。

当時の私の見立ては「これは図書館の問題云々というよりも、当局側の市民との対話の失敗」というものでした。その「その後」を、今回は見届けることになります。

「だまし討ち」と呼ばれた手続き

事のはじまりは2024年3月です。清瀬市は市内6つの図書館のうち4つを一気に閉鎖する方針を決定しましたが、その手続きが市民の激しい反発を招きました。市は事前に図書館運営のパブリックコメントを募りましたが、その資料には「4館閉鎖」という重要な予定が明記されていなかったのです。

前回の私の記事でもこのパブリックコメントを詳しく確認しましたが、方針素案には「図書館サービスを充実させる」という記述しかなく、閉鎖計画は読み取れないものでした。しかもこのパブコメ、提出された意見は0件。誰も読んでいないのもいけないのですが、読んでも閉館は読み取れなかった——市民が「だまし討ち」と感じたのも無理はありません。

7,000筆超の署名、しかし住民投票は否決

その後、存続を求める市民団体が直接請求に必要な有権者の50分の1の6倍を超える7,674筆を集め、住民投票条例の制定を市長に直接請求しました。

前回記事では「このまま住民投票をしてしまえば、どう考えても『閉館してほしくない』という市民が多数になる」と書きましたが、市長が条例案を議会に付議したところ、自公などの反対多数で否決されています。

民主的手続きを封じられた市民の怒りは、行き場を失ったまま2年間積み重なり続け、ついに市長選という形で爆発した……というように見えるわけです。

就任3日で公約断念——そして浮かび上がる論点

しかし、初当選した原田市長は就任わずか数日後の4月6日、最大の公約だった旧中央図書館の再開断念を表明しました。

旧中央図書館が立地する都市公園の建蔽率制限を、新設された複合施設がすでに占有しており、旧館を残せば即「違法状態」になることが判明したためです。原田氏は「正直驚いた。ショックだった」と述べました。

この経緯について、元湖南市長の谷畑英吾氏が、注目すべき事実をFacebookで指摘しています(https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=pfbid0EEJHZGNvbp1KHkNtkoEJeraPCMDFv7rfBhgK7ZVznfmnqxBg3TLY3y6ygH3RgRL1l&id=100002694855414)。

2024年8月の清瀬市議会臨時会では、「中央図書館の解体を2期工事に含む複合施設工事の請負契約」が唯一の議案として審議されました。当時6期目の市議だった原田氏も出席しており、副市長から「2期工事は現中央図書館の解体及び撤去を含む」と明示的に説明がなされていました。そしてこの契約案件は、最終的に全会一致で可決されています。

谷畑氏はこう指摘します。議員として解体を前提とした契約に賛成しておきながら、その事実に触れずに「旧中央図書館を再開する」という公約を掲げて票を集めたのであれば、それは議会制民主主義への冒涜ではないか、と。原田氏の勉強不足という側面は否めず、少なくとも「反対しなければ解体をストップできない」という認識が欠けていたとすれば片手落ちと言わざるを得ません。

ただ、この論点を踏まえてもなお、図書館問題がこれほど強力な政治的イシューになったという事実には注目したいと思います。そしてここで、ひとつ思考実験をしてみたいのです。


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