記事タイトル:清瀬・図書館縮小 市民ら住民投票求め署名提出 6→2館「サービスが大きく低下」
https://www.msn.com/.../%E6%B8%85%E7%80%AC.../ar-AA1xgBtK...
(文=西村 飛俊)
さて、どの行政施設でもあるあるですが、予算が潤沢な時期に建てたハコが一気に老朽化してきて更新費の捻出ができない……というのが市民の琴線に触れ、直接請求にまで至ってしまった事例です。
清瀬市では昨年3月、利用者の減少などを背景に6館体制だった図書館を2館体制に縮小する、という計画が発表され、議会で承認されました。ただし、単純に縮小ではなく、中央館を新館に建て直す計画も発表されており、同時にこの4月からは宅配サービスの充実も行っていくようです。
以前も触れましたが、20年前には紙の本の需要がなくなると思われていたところこれがまったく減らず、図書館の物理的サービスの重要性は相変わらず残っていたりします。図書館へのアクセスポイントは、最低でも中学校区にひとつ=中学生が自分で行ける距離にひとつはほしいと言われるので、6館から2館への縮小というのは市民にとっては衝撃的に受け止められたと思います。
ただ、今回の話は縮小そのものがポイントではなく、「市民が衝撃をもって受け止めた」というところです。少し調べてみると、昨年3月の議会上程まで、市民にはこの計画が知らされていなかったとのことでした。
「知らされていなかった」とはなにを指すかというと、令和6年1月に募集された「「清瀬市図書館サービス基本方針(素案)」の意見募集について」というパブリックコメントのことでした。
https://www.city.kiyose.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/013/368/tosyo.pdf
この基本方針素案の中には、図書館を縮小するという話がどこにも書かれておりません。図書館利用者が激減しており、実に6割の市民が図書館へ行っていない状況を憂えて、図書館サービスをこれからどんどんと充実させていきますという決意表明のようなものになっています。
ちなみにこのパブコメは期間中に提出された意見が0件で、まず誰も読んでいないといえばそのとおりなのですが、読んだとしても縮小するなどということは読み取れなかったわけですね。これがその後の3月議会で突然6館→2館という計画が発表され、議会も根回し済みだったのか特に物議もなく通ってしまい、市民としてはまったく意見を提出する間もなく決められてしまったと映っても仕方がなく。
そんなわけで、少ないといっても1万人程度いる清瀬市の図書館利用者が黙っているはずもなく、住民投票の直接請求に必要な署名数(50分の1)を3倍ほど上回る7000筆以上の署名が集まった……ということでした。
これは図書館の問題云々というよりも、当局側の市民との対話の失敗であるように思います。図書館問題に関して住民投票が行われた事例として有名なものでは愛知県小牧市のTSUTAYA図書館問題が挙げられますが、これは指定管理者が図書館運営にふさわしいか、というのが論点でした。
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