記事タイトル:ゆるブラック企業とは?ホワイト企業勤務の20~30代、4割が憂慮
https://hochi.news/articles/20240626-OHT1T51096.html?page=1
(文=鵜飼洋一郎)
公務員就職の一番のウリがまさか地雷に?
こちらのニュース、昭和人間の私の感覚では、ホワイト企業ならいいじゃないの?と思ってしまいますが、今の若い方は「ホワイトに潜むゆるブラック」に警戒しているとのお話のようです。
そもそもこの「ゆるブラック企業」とは?
ちょっとゆるい、やや黒めくらいのブラック企業、ではありません。
これについて、記事にある調査を行った「アデコ」は、「ゆるブラック」を「働きやすく、居心地は良いものの、仕事のやりがいや成長を感じられず、スキルアップやキャリアアップも難しい職場」と定義しています。
居心地が良いだけではブラック、という意識。
これって、まさにハーズバーグの二要因理論の話です。
この理論は、人の仕事に対する欲求を「衛生要因」と「動機付け要因」の2つの要因に整理し、ざっくり言うと
①衛生要因(給与、労働条件など)が不足すると、不満を感じる。
②動機付け要因(やりがい、自律性など)があれば、満足を感じる。
ということを明らかにしたものです。
不満と満足が別の要因に根ざしている、というのが、ハーズバーグの二要因理論の面白いところですが、「衛生要因が充実しており不満はないが、動機付け要因が充足できないので満足できません」という労働者が、労働市場の流動性が高まったこの世の中では、そのことを理由に志望をやめたり、転職したりする。
それが「ゆるブラック企業」というお話なのです。
さて、我々の業界に目を向けましょう。
公務員を目指す学生さんを支援してきた私からすると、「働きやすく、居心地が良い」は、学生さんにとっていちばんポピュラーな志望動機です。
加えて、公務員の人材不足に対しては、国をはじめその解決策として「待遇改善」の動きが始まっており、業界としてもココに力を入れる流れになっています。
しかし、もし「ゆるブラック企業」を若い人たちが忌避・敬遠するのが世の流れであるならば、まずコストを投下すべきは衛生要因ではなく動機付け要因です。
もちろん待遇改善は大事なことですが、衛生要因をより手厚くすることで、「衛生要因≫≫≫動機付け要因」が固定化することは、「ゆるブラック業界化」を推める地雷になる可能性すらあります。
本内容は地方公務員が限定で参加可能な、『地方公務員オンラインサロン』で数日前に投稿された内容の一部です。
地方公務員オンラインサロンに参加すると、本投稿の続き(さらに深い考察や表で話しづらい内容など)をご覧いただけます。
サロンでは様々な領域の記事について毎日投稿が行われ、サロンメンバー同士で意見交換など思考を深めることが可能です。
ぜひ、ご参加お待ちしております!
地方公務員オンラインサロンとは:https://community.camp-fire.jp/projects/view/111482
※facebookとXでHOLG.jpの更新情報を受け取れます。