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地方公務員オンラインサロンセミナーレポート『初心者でもわかる!ケースワーカーの仕事の基本/ちょっとだけラクに働く方法』(大阪市 山中 正則さん)

みなさんは生活保護の仕事について、どれだけご存じでしょうか?生活保護の仕事は自治体業務の中でも「不人気職場」と言われていますが、非常に重要な仕事です。今回の地方公務員オンラインサロンは、『福祉知識ゼロからわかる! 生活保護ケースワーカーの仕事の基本(学陽書房)』著者であり、生活保護関連の通知や通達を簡易なキーワードで検索できる「生活保護通知・通達総索引」を制作し自身のブログで無償配布している大阪市の山中さんによる、生活保護の仕事の基本に関するオンラインセミナーでした。生活保護の仕事を知らない私でも、どのような仕事と課題があるのかの理解を深めることができました。数多くいただいたお話の中から、一部の内容を抜粋して本レポートで共有します。

<セミナーの流れ>
・生活保護、ケースワーカーの仕事とは?
・生活保護担当者に知っておいて欲しい3つのポイント
・補講:仕事を楽にする方法

大阪市天王寺区は人口約8万人で、200ほどの神社仏閣を有する歴史・文化が豊かな街です。山中さんは大阪市職員として1993年から勤め始め、現在は大阪市天王寺区保健福祉課の係長として働いています。仕事以外では、グルメメディアでのライター、デザイン・グラレコ、カードゲーム・ボードゲームなど、様々な活動や趣味・興味を持って行動しています。私もプライベートの様々な場でお世話になっており、いつも精力的な活動に尊敬をしております。

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まずは、生活保護・ケースワーカーの仕事のお話です。

「生活保護」

様々な理由により生活に困窮している人々に対して、生活保護法により、憲法が定める健康で文化的な最低限度の生活を保護し、積極的にそれらの人々の自立した生活ができるよう援助する制度です。(東京都福祉保健局ホームページより)

「ケースワーカー」

社会福祉法第15条第1項第2号で定められた福祉事務所に置かなければならない現業を行う所員。

生活保護という言葉はよく耳にしますが、用語として具体的に理解することができました。特に「健康で文化的な最低限度の生活」がキーワードであり、ここにアプローチする仕事が基本的な考え方となるそうです。具体的には、定められた最低生活費と収入を比較して足りない部分を支給するというものだそうです。生活保護費としてお金はもらえなくても、生活保護を受けている人たちがいるという、生活保護の具体的なお金の流れや仕組みを、私は初めて知りました。また、生活保護には「生活扶助」や「住宅扶助」など8つの扶助の種類があるが、どれだけの人が知っているのでしょうか?

また、ケースワーカーは、お金の部分だけでなく生活指導や調査も仕事です。具体的な事例として、以下の5つのご紹介がありました。

・福祉事務所での相談面接・保護の要否判定
・家庭訪問と助言・指導
・保護記録の作成
・システムへの入力(生活保護費の算定)
・調査、情報収集

特に、正しい額を正しく支給し続けるというのは、非常に難しい仕事です。そして、生活保護ケースワーカーの仕事は、人々の「普通」を支える、プロの仕事だと山中さんはお話されました。この「普通」は人によって差があるものであり、とても難しいとのことでした。そして、生活保護の仕事が不人気職場で難しいと感じられる理由についてのお話は、実際に経験されたからこそ言語化されたものだと思いました。本レポートでは割愛しますが、ここまできちんと言葉にして伝えることができる山中さんは大切な存在だと、改めて認識した時間でした。

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次は、生活保護担当者に知っておいて欲しい3つのポイントです。生活保護担当者がもう少しだけ気持ちよく仕事をするための3つのポイントとして、以下の内容を紹介していました。

・生活保護ケースワーカーは、沿道のサポーター。
・自分自身の感情
・苦しさを吐き出すのもケースワーカーの仕事。
・多職種・他職種の連携が仕事を支える。

生活保護の仕事がうまくいかない理由として、担当するケース数が多すぎることや助言・指導は被保護者の判断次第などがあげられます。その中で山中さんからのアドバイスとしては、「助言・指導を行う=先生・コーチになる」ではなく「走るのは本人。ケースワーカーは横から“頑張れ”と言う役割。」とのことでした。その他、感情のコントロールや他部署等との連携についてのお話もありましたが、「沿道のサポーター」と表現されたように、必要以上にケースワーカー自身が抱え込まないことが重要なのだと、私は感じました。どのような仕事も、決して一人ではできません。そのため、庁内外の様々な人と対話を重ね、組織として連携していくことが大切なのでしょう。

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最後に、山中さんから仕事を楽にするための3つのアドバイスをいただきました。

いずれも生活保護部局関係なく真似できる内容であるため、ぜひ実践してみてください。

・書類を寝かさない!
・不在時に人を動かす!
・書架・書棚を探さない!

特に、書類を寝かさず立てて管理することにより書類紛失リスクの回避や優先順位の設計ができるようになることは、多くの地方公務員がすぐにでも実践できることでしょう。

私は「書類を探す時間は無駄」と「共用書架は自分の思い通りにならない」の2点に、強く共感しました。そして、最後に山中さんから以下のまとめメッセージがありましたので、内容を共有します。全ての地方公務員に読んでもらいたいメッセージなので、一読をお願いします。

・ケースワーカーは、心身共に負担を減らすことに力を注ぐ。
・ケースワーカー以外の人は、ケースワーカーの味方になってサポートしてください。
・ケースワーカーの仕事は、公務員の仕事の全てではない。

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今回の山中さんのオンラインセミナーは、生活保護の仕事の基本やポイント、そして、山中さんの仕事術など、とても実務的な内容を学ぶことができた時間でした。特に、生活保護の仕事を知らない地方公務員にとっては、生活保護業務の役割や担当者との関わり方など、非常に濃い学びを得た時間になったのではないでしょうか。山中さんのお話を受けて、改めて私も生活保護担当者とコミュニケーションをとりながら仕事をしてみたいと思いました。

▼今後開催予定のオンラインセミナー

【11月26日(土)22:00〜23:00】
BAR HOLG〜公務員リアルボイスNight〜

【12月5日(月)21:00〜22:30】講演-水野 美優さん(エン・ジャパン株式会社)
「事例に学ぶ、失敗しない民間人材採用の実施手順」

【12月19日(月)21:00〜22:30】講演-東 克宏さん(大東市)
「公民連携を進める公務員の心得10か条」

地方公務員オンラインサロンでは、月に3〜5回のペースで、魅力的なオンラインセミナーが開催されています。また、今回のセミナーのような実務的なセミナーや公務員同士が交流し本音を語る場、そして、民間企業の方との交流・学びもあるため、リアルタイムでのオンラインセミナーへの参加は有意義な時間となるでしょう。更に、200を超える魅力的なセミナーアーカイブ動画も見放題であるため、今から新規参加であったとしても良質なインプットに繋がることは間違いありません。実務に活かせる知識や情報が盛りだくさんの地方公務員オンラインサロンを、ぜひ一緒に使い倒していきましょう。

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山中 正則(やまなか まさのり)
大阪市生まれ・育ち・勤めの雑食系公務員ブロガー。1993年に大阪市に採用になり、キャリアの多くの福祉現場、特に生活保護現場で過ごした31年目。2003年より、生活保護関連の通知や通達を簡易なキーワードで検索できる「生活保護通知・通達総索引」を制作し自身のブログで無償配布。2022年に「福祉知識ゼロからわかる!ケースワーカーの仕事の基本」を出版し若手ケースワーカーの応援を支援。プレイベートではWebメディア『ニッポンごはん旅』でグルメライターとして活動中。「地方公務員がすごい!と思う地方公務員アワード2022」受賞。

参考
『福祉知識ゼロからわかる! 生活保護ケースワーカーの仕事の基本(学陽書房)』
地方公務員アワード2022推薦文:https://www.holg.jp/award/2022-09/

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