【もやじょの雑談】
30代公務員女子、新婚3ヶ月のもや子と第一子育休中の
もや美。都内某カフェでランチ中のひとコマ。
もや子:最近、何だかもやもやすることが多くて…
仕事や上司のことはもちろんだけど、地域活動のこととか…
もや美:わかるわかる!
私は育休中だけど、仕事復帰に向けてだったり、
プライベートでは家事や育児のこととか、
公務員ならではのもやもやもあるよ。
もや子:誰かに相談できたらいいけど、
役所の中だとなかなか本音を言いにくいよね。
もや美:あ、公務員女子向けに素敵な本を
出版された先輩公務員の方がいるよ!
この方に相談してみない??
−日々もやもやとした悩みが尽きない公務員女子たち。
2019年10月に私たちは「もやもや公務員女子部」を立ち上げました。
その記念に「もやもや公務員女子相談室」を開催することにしました。
今回は、諫早市役所健康福祉部障害学習課長の村川美詠さんに回答者としてお越しいただきました。
初の著書となる「自分もまわりもうまくいく!公務員女子のおしごと帳」を2019年10月に出版された美詠さん。いま、全国の公務員女子が一番会いたい公務員女子です。
【回答者:村川美詠(むらかわみえ)さんの経歴】
諫早(いさはや)市役所健康福祉部障害福祉課長 1963年生まれ。1986年に諫早市役所入庁。
選挙管理委員会事務局、障害福祉室、職員課、男女共同参画課課長補佐、教育総務課課長補佐、職員課課長補佐、生涯学習課長を経て現職。
諫早市職員の自主活動グループ「おこしの会」で対話・学び・交流の場づくりを、市内の異業種の女性からなる「諫早もりあげガールズ」で地域おこしの活動を行っている。
もや子&もや美(以下「もやじょ」):本日はお忙しいところありがとうございます。
村川美詠さん(以下、美詠さん):私も、関東の公務員女子の皆さんとお話ができるのを楽しみにしてきました。
もやじょ:先ほど、可愛いフルーツモチーフのマスキングテープとポストカード、アイシングクッキーをお土産に頂きました。なぜフルーツなのですか?
美詠さん:諫早には、フルーツをモチーフにしたバス停があるんです。中が待合所になっているんですよ。
もやじょ:可愛いですね。美詠さんは、諫早を盛り上げる活動もしていらっしゃるんですよね。こちらのお話もぜひ後ほど聞かせてください。
『もやじょのひとりごと』
美詠さんから諫早の魅力をアピールする素敵なお土産いただきました。
こんなかわいいお土産をいただいて、まず心を鷲づかみにされちゃいました。心配りがさすが。
美詠さんは気さくな人柄ですぐに打ち解けました。
※諫早のフルーツバス停が気になる方は↓↓↓
http://isahaya-moriage-girls.com/nature/basutei
雑談からスタートした自主活動
もやじょ:美詠さんは、諫早市役所で職員の自主活動グループ「おこしの会」を主催されています。過去にも役所の中で勉強会などされていたと聞いて、すごいなぁと思いました。どうやって仲間を見つけたり、増やしたりしていますか?
美詠さん:まずは仲良しの雑談から始めました。テーマは特に決めずに色々なことを話すのです。それからイベントなどを開催し、それぞれのメンバーが知り合いを誘い、来てくれた人をメーリングリストに入れる…。みたいなことを少しずつやってきました。最初は3人くらいからが始めやすくていいと思いますよ。
もやじょ:例えば、どんなイベントを開催されたのですか?
美詠さん:著名な公務員である、山形市役所の後藤さん※1、福岡市役所の今村さん※2、佐賀県庁の円城寺さん※3などの講演会を企画しました。イントラネットで役所内に周知して、参加者を募りました。
もやじょ:なるほど。ランチミーティングが、いつものメンバーになってしまうので今度試してみます。
※1 山形市役所 後藤好邦さん
「東北まちづくりオフサイトミーティング」を立ち上げ、地域に飛び出す公務員の先駆者として知られる。「ワーク・ライフ・コミュニティ・バランス」を重視しながら、全国各地の公務員をつなぎ、2019年10月「自治体職員をどう生きるか」(学陽書房)を上梓。
※2 福岡市役所 今村寛さん
「ビルド&スクラップ型財政の伝道師」として、対話型自治体経営シミュレーションゲーム「SIM2030」を「出張財政出前講座」に組み込んだ「出張財政出前講座with SIMふくおか2030」を全国各地で100回以上も行う。2018年12月に「自治体の“台所”事情 “財政が厳しい”ってどういうこと?」(ぎょうせい)を上梓。
※3 佐賀県庁 円城寺雄介さん
佐賀県庁職員でありながら、行政発信の救急医療改革を全国に広める活動を続け、県内すべての救急車にiPadを配備して搬送時間短縮に国内で初めて成功、医師と協力してのドクターヘリ導入など、著しい成果を上げた。2016年2月に「県庁そろそろクビですか?: 「はみ出し公務員」の挑戦」(小学館新書)を上梓。
地域活動のきっかけは占い師のお告げ!?
もやじょ:美詠さんが「世に出よう」と思ったきっかけを教えてください。
美詠さん:占い師からお告げがあったからです(笑)
もやじょ:えっ!!!お告げですか?詳しくお聞きしたいです。
美詠さん:糸島に遊びに行った時、たまたま出会った風水の人にみてもらったことがあって。その時に「このまま中だけで頑張ってもつぶれちゃいます。外で力をつけて戻ってきてください。」とお告げをもらったんです。
もやじょ:そのお告げが、美詠さんが精力的に活動されるきっかけだったのですね。
美詠さん:そこから、外で活動するようになって、今はつぶれない人になったと思います。
もやじょ:美詠さんは、地域おこしの活動として、諫早市内の異業種の女性達と「諫早もりあげガールズ」という活動をされているそうですね。
「諫早もりあげガールズ」を立ち上げたきっかけを教えてください。
美詠さん:2014年に「長崎がんばらんば国体」が開催されることになったのですが、諫早は観光資源が取り立ててなくて…。市内にある観光タクシー会社の女性社長に「(国体に向けて)女性目線で何かやりたいから、面白い人紹介して」とお願いされました。その時、何名か紹介したのですが、「美詠さんは市役所だから難しいよね。」と言われて。「そんなことないよ」と言って、自分も入ったのがきっかけです。公務員も地域から離れることはできないですからねぇ。
もやじょ:そういうきっかけだったのですね。活動の中で、美詠さんはどんな役割をされているのでしょうか?
美詠さん:市民と役所の通訳みたいな感じの役割をしています。予算・決算などの書類を作るというのは慣れているし。
もやじょ:これまでどんな活動をされてきたのでしょうか。
美詠さん:例えば、カフェや酒造とコラボ商品を開発したり、市内を視察・取材して観光コースを作ったりしました。ポストカードを売ったりもしましたよ。初年度は市の「ビタミンプロジェクト実施事業」という事業で補助金を200万円もらって、それでホームページも作りました。
もやじょ:幅広い活動をされているのですね。今後はどんな風に活動していきたいですか。
美詠さん:今はメンバーが本業で忙しくて難しいのですが、いずれはNPO化したいですね。
「諫早もりあげガールズ」が私を変えた
もやじょ:私は、美詠さんのように、地域活動をしてみたい気持ちはあるのですが…。
「役所の人」であることを意識しすぎて、地域にがっつり飛び込んでいく勇気がありません。美詠さんにもそんな時代がありましたか?
美詠さん:わかります。私も「役所の人」であることを意識しすぎて、何か(市民の方から)要求されるのではないかと思って、長年、地域には出ていませんでした。
もやじょ:克服されたきっかけがあったのでしょうか。
美詠さん:先ほどお話した「諫早もりあげガールズ」の活動で、外から評価を受けるようになったら気にならなくなりました(笑)
もやじょ:なるほど。まず地域に一歩踏み出してみるのが大切なのですね。
地域活動をする時、気をつけていることや心掛けていらっしゃることはありますか?
美詠さん:市役所や他の職員の悪口を言わないことです。
もやじょ:勉強になります。自治体内部の悪口を言う職員を見ると、悲しくなります。
地域の方に「市役所勤めだといいわね」とか、「市役所は…。(マイナスなこと)」を言われることはありませんか。
美詠さん:活動している姿が地域の方に見えているから、今は言われないですね。昔は黒子に徹していたけど、今は顔出しています(笑)
逆風は笑顔でスルー
もやじょ:職場内で色々なことにチャレンジしようとすると、たまにやんわりと批判されることがあります。表立って反対はされるわけではないのですが…。無視しつつも嫌になります。そういう時、どのようにマインドチェンジすればよいでしょうか。
美詠さん:とびっきりの笑顔でスルーすることです(笑)その人達には見えない世界が自分には見えているということです。「理解してもらわなくて良い。むしろそんな人に理解してもらえるようなものならすでに価値がない」と思うことです。
もやじょ:なるほど、「笑顔でスルー」ですね(笑)勇気をいただきました。
美詠さん:ずっとその上司が面倒みてくれるわけではないですよね。
もやじょ:上司は、私を心配してよかれと思って言ってくれると思うのですが、牽制されているように感じてしまいます。
美詠さん:その上司がチャレンジしたくないから、言っているのかもしれませんね。
【インタビュアー】
もやもや公務員女子部インタビューチーム
ようちゃん(東京)、みほ(東京)、ふーみん(東京)、
けい(東京)、まい(栃木)
※各トピックは、複数の方からの質問を集約・分割しています。
※各話のもやじょプロフィールは、インタビュー時点(2019年12月)のものです。
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※本インタビューは全4話です。facebookとTwitterで更新情報を受け取れます。