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投げ銭の宿誕生【トラベルスクエア】

 

[記事提供=旬刊旅行新聞]

 聞き苦しいとは思うけど、またまたアフターコロナの話。 
 僕はコロナでは、20代、30代のライフスタイル観が相当変わるだろうと、見立てる方の一派だ。
 たとえば先日、こんな状況下にもかかわらず、20代最後の年にして、宿泊施設を起業してしまった活発な女性と、Zoomの懇談会で知り合った。
 なんと言っても、まずは自分で独立して起業したい立地の選択がくるというのだ。
 彼女は大学を卒業したのち、ワーキングホリデー制度を活用してオーストラリアに滞在したり、日本国内も点々としたとのこと。
 そして、めぐり合ったのが中九州の太平洋側、長く伸びやかな海岸線を持つ大分県の佐伯市だった。
 海岸の美しさとお魚の美味しさに魅了された彼女は、即、ここに住もうと決めてしまう。さーて、それから仕事づくりりだ(仕事探しではない)。
 彼女が見たてたところ、これだけの空間とグルメを備えたところはない。ここに流行のB&Bを作れば、オートバイや、自転車の旅を楽しむ若者たち、はたまたワーケーション需要などが出るのでないか、と考えたわけだ。
 早速、1階が居酒屋で、2階が使われていない物件を発掘。その1階は居酒屋そのままにして、宿泊客の夕食、朝食に対応する(朝食は前の晩予約注文)。
 2階が、2段ベッドを7つ導入して、結果、全14床。トイレ、風呂、ランドリーなどはすべて共有する。
 この一角に強力なWi―Fiを装備して、ワーケーション対応も万全という商品構成だ。
 面白いのは料金制度。
 オーナーは「投げ銭」制と称している。
 原則として基本は1泊ゼロ食で1000円。これにあとは、お客さんが気にいった部分だけの額を投げ入れれば良いというルールだ。
 それで実績を尋ねると、なんだかんだで客単価3000円になるという。言いそびれたが、歯ブラシ、かみそりなどは150円などと別売りだ。
 稼働はまだ半分くらいとのことだが、まあ月に数十万円あれば、オーナーの給与その他十分に損益分岐点を越えられるというから、生活を楽しみながら、事業の楽しみを、味わうマイクロ・プレジャーな生き方の見本がそこにある。
 お客さんに料金を決めさせる仕組みは、以前、はづ別館さん(愛知県・湯谷温泉)でも行われていたように珍しくはないと思うが、それを軽々とB&B、そして自らの生きがい創出に結びつけられる。
 その奔放さこそ、アフターコロナの閉塞感を打ち破るものではないだろうか。

松坂健
オフィス アト・ランダム 代表 松坂 健 氏
1949年東京・浅草生まれ。1971年、74年にそれぞれ慶應義塾大学の法学部・文学部を卒業。柴田書店入社、月刊食堂副編集長を経て、84年から93年まで月刊ホテル旅館編集長。01年~03年長崎国際大学、03年~15年西武文理大学教授。16年~19年3月まで跡見学園女子大学教授。著書に『ホスピタリティ進化論』など。ミステリ評論も継続中。

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