コラム

フォロワーシップ【トラベルスクエア】

フォロワーシップとパートナーシップ、リーダーシップが噛み合えば最強の組織に
フォロワーシップとパートナーシップ、リーダーシップが噛み合えば最強の組織に

[記事提供=旬刊旅行新聞]

 個人的なことで申し訳ないのだが、この3月31日付をもって、跡見学園女子大学の教授職から去ることになった。70歳の定年ということだが、結局、大学での教員生活は2001年の長崎国際大学を振り出しに18年間の長きにわたった。

 当初は、まさに転がり込んできたようなお話で教授になったので、正直、こんなにも長く続くとは思っていなかった。

 でもまあ、教壇に立って、人前で話すことがあまり苦にならない性分だったのか、案外、するすると歳月が経ってしまった感じだ。

 まあ、一所懸命、学生さんたちの面倒をみてきたつもりだが、やはり、いくつか悔いが残る。

 その一つは、学生さんたちに、もっと「フォロワーシップ」のことを教えれば良かったなあ、ということだ。大学には必ず教育方針を示すミッションみたいなものが成文化されているもので、最近は「リーダーシップを涵養し」などという文言がはやりだ。社会に入って、なるべく早く、他人を指導する立場になって、世の中に貢献しなさい、ということで、リーダーシップ自体に悪いことは一つもない。

 でも、誰もがすぐに管理職になれるわけでもない。仕事を円滑に進めるには、パートナーシップが大事で、これもチームワークマネジメントとして大事な概念ではある。

 それに対しフォロワーシップ。あまり聞きなれたことのない語感と思うのだが、これはリーダーや仲間(パートナー)の言葉(時に命令や提案の形で現れる)に無批判に従うだけではダメで、時に、もっといい方法はないか、違う問題解決のアプローチはないか、を考えながら、付いていくという考え方だ。

 僕は宿泊業のマネジメントを中心にホスピタリティ論全般にまで講義科目の枠組みを広げてきたが、リーダーシップのあり方とか、パートナーシップの成功事例とかは、あまり語らなかったように思う。でも、実際は少人数ゼミナールの運営でもそうだが、「こういうこと」をみんなに伝えたいから、こんな勉強をする、こんなところに視察体験しに行く、こんなゲストと対話してもらう、というと、今の学生さんは素直すぎて、ただひたすら聞いてくれるだけだった。

 従順はいいけれど、やはりテーマに肉迫する胆力というものをもっと身に着けさせれば良かったなあ、と思うことしきりだ。フォロワーシップとパートナーシップ、そしてその上にリーダーシップがあれば、それが最強の組織になるはずだ。教育の現場からは離れるが、そういう研究は続けていきたいと思う。

 もともと僕の本籍地はもの書き。現住所が教育だったのが、本籍地に戻るわけ。これからも変わらずご愛読賜りたい。

松坂健
松坂 健 氏
1949年東京・浅草生まれ。1971年、74年にそれぞれ慶應義塾大学の法学部・文学部を卒業。柴田書店入社、月刊食堂副編集長を経て、84年から93年まで月刊ホテル旅館編集長。01年~03年長崎国際大学、03年~15年西武文理大学教授。16年〜19年3月跡見学園女子大学教授。著書に『ホスピタリティ進化論』など。ミステリ評論も継続中。

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