コラム

“キョウソウ”について-村川美詠#5

村川美詠 コラム

 競争、競走、共想、共創、協奏、協創、強壮、狂騒…キョウソウ多いな!(笑)

 前回から、女性活躍について、男性に向けたメッセージをお伝えしていますが、今回は、職場の男性にお願いしたいことを書きます。とは言っても、昔に比べたら、制度や環境も整っていますし、意識も随分変わってきたので、あらためて伝えたいことはそんなに多くはありません。

 先日、他の自治体の若い女性職員にお話しをする機会をいただきました。そこで、「私が役所に入った頃は、女性職員は、朝、10時、12時、15時にお茶くみ(コーヒーは砂糖やクリームの量など好みに応じて)をして、夕方には、湯飲み茶わんと一緒に、男性職員が自席で吸った煙草の吸殻を片付けていた、宴席では当然のようにお酌をし、チークダンスの相手をし、お尻なんかも平気で触られていた、だけど訴えることなんてできなかった。」みたいな昔話をしたら、皆さんびっくりされていたようでした。「家庭との両立を図りながら働く女性は、同じ100メートル競走でも“障害物競走”を走っている。」と前にも書きましたが、職場にもとんでもない障害物があったな~と今更ながら思います。それと、当時は、女性が男性よりも低い位置におかれていたんだな~とあらためて気づかされます。

 以前、尊敬する男性の部長が「最近は、女性が意思決定の場にも参画するようになって、いい意見を言ったりすると、“やるな!”と思うけれど、同時に、女性の意見には何か欠点があるのではないかと探してしまう。もしかしたら、私たち世代には、女性には負けたくない、負けてはならないという意識があるのかもしれない。」と正直に話してくださったことがありました。男女雇用機会均等法が施行されて30年、やっと競争相手として意識されるようになったというところでしょうか。

 しかし、まだ圧倒的な数の差があります。以前、私が、女性活用について職員提案をした際、審査員が各部局の総括課長補佐ということで男性ばかりであったため、全く共感してもらえず、悔しい思いをしたことがあります。また、県下の担当課長会議では「村川さんが入ってきて、初めてこれまで男性しかいなかったことに気づいた。」と言われたこともあります。悔しいといえば、課長補佐時代、男性だけの飲み会の場で仕事の話が決まっていたり、いわゆる“タバコ部屋”で決まった話に理不尽さを感じたこともあります。多数派の男性にはなかなか気づきにくいことだと思いますが、少数派の女性職員は、いろんな場面で切ない思いをしていることがあります。逆の立場だったらどうだろうかと少し思いやってもらえるとありがたいです。

 かく言う私も、最近、ある研修に参加した際、講師に「グループ分けの際、よく各班に女性を一人ずつ配置する、なんてことをするけれど、それだと各班で女性の意見が出にくくなって、結果的に全体として女性の意見が排除されることにつながるので、女性が少ない場合はあえて女性だけの班をつくることがある。」と言われて、ショックを受けました。私が研修担当だった頃、よくそんな風に女性を一人ずつ置くやり方をやっていたからです。女性を混ぜれば多様な話し合いになるという単純なことではなく、数に差がある場合は、配慮が必要であるということに女性である自分が気づいていなかったことを大いに反省しました。

 勝ち負けの「競争」から、ともに考える「共想共創」へ、そして一緒に作り出す「協奏協創」へ。男女が共に、お互いの強みを生かし、弱みを補完しあいながら、働きやすい職場をつくっていけたらいいなと思っています。

 次回(最終回)は、地域活動の場面における男性へのメッセージ「“キョウドウ”について」です。

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【村川美詠氏 過去のインタビュー】
女性として働きづらかった時代の経験を糧に、活き活きと働く女性のロールモデルを目指す

村川美詠氏 経歴 1986年、長崎県にある諫早市役所に新卒で入庁。当時、大卒としては3人目の女性職員となる。選挙管理委員会事務局、障害福祉課、職員課、男女共同参画課などを経て、現在、生涯学習課長として管理職を務める。活躍は市役所内に止まらず、諫早市のオフサイトミーティング“おこしの会”や、諫早の観光を盛り上げる“もりあげガールズ”を立ち上げるなど精力的な活動を続ける。女性が働きづらい時代の中で道を切り拓いて、活き活きと働く女性のロールモデルを実践している。

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