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週刊 寺本英仁「巻き込む力」と「ビレッジプライド」の育て方 第26号(HOLG版)

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2.<A級グルメ連合>の仲間たち 鹿部町編(6)=志を同じくする5市町の取り組みを連載形式でご紹介!

 道場水産のヒアリングを終えた後、水産物の加工をしているイリエ船橋商店に向かった。ここで一緒に話を聞かせてもらった鈴木昌志さんは、2年半前に郵便局を退職後、鹿部町製品開発研究会事務局長として活動している。前回も話を聞かせてもらって、人柄や仕事に大いに興味を持っていた。
 イリエ船橋商店の船橋敦子社長は鹿部町議としても活躍している。
 昨年、僕が鹿部町で議員に向けて講演し、夕方から職員にも講演をしたとき、船橋さんはなぜか議員なのに職員向けの講演会にも参加してくれていた。
 僕は、この二人とどうしても再会したかった。
 彼らは今、新しい取り組みに挑戦している。「軽石干し」という、砕いた軽石を使って水産物から水分を抜き、旨味を凝縮する加工技術を北海道立工業技術センターと共同開発したのだ。
 ホッケ、ニシンなどを獲ってから、短時間で5℃以下の温度管理をしてイノシン酸をキープ、軽石にある無数の穴が水分をうまく吸収してくれるので、旨味を逃さず生臭さがないという特徴がある。緻密に管理して、水分残量を90%に留めているのでジューシーで本当に美味しい。
 僕は、彼らが自分の商品に愛情をすごく持って、熱く語ることに感動した。これぞ、鹿部のタラコに続く「A級グルメ」になり得るものだと感じた。
 この日に会った平井さん、道場さん、そして船橋さん、鈴木さんとみんな熱い想いを持って、取り組んでいる人たちがいる。鹿部町の「A級グルメ」事業に参画する人は着実に増えているのだと思う。
 夕方になり、講演の時間が近づいて、慌てて会場に向かった。
 前回と同じホールだったが、聞いてくれるのは前回の議員や役場職員ではなく鹿部町に住む人たちだ。ホールは町民でいっぱいになっていた。
 この9か月間、盛田町長をはじめ職員のみんなが、鹿部町で「食での町おこし」を進めていくことを、十分に広めていったのだとわかる。
 その最たる証が、起点たる道の駅を、外部の人(悪くいえば「よそ者」だ)の大関さんと金山氏が立ち上げた「シカベンチャー」に託したことだろう。
 僕は今回の講演会で、そのことを町の人にさらに理解してもらいたかった。
「昨年は講演の後大地震がありましたが、今回も地震が起こらないかと心配です」
 と冒頭で話し、2時間絶好調に喋った。
 終了後、奥田シェフの店・アルケッチァーノのある山形県鶴岡市で地震が起きたことを知って冷や汗をかいてしまった。もしかしたら僕は、地震と縁があるのかもしれない。うかつに冗談を言うのはマズい?
 その後、前回同様、盛田町長たちと「大寿し」に行った。店主・田中さんが鹿部の魚を使って握る寿司は本当に美味しい。
 田中さんも、鹿部のタラコに強烈なこだわりを持っている人物だ。
「漁業関係者は虎杖浜のタラコは全国的ブランド力があると言うけれども、一般ユーザーの認知度は低い。鹿部町のタラコはさらにそれより低い。だけど、鹿部のタラコは国産の中でも日本近海で獲れた一級品。鹿部にある寿司屋がこだわり持って、ここのタラコを使うことが、自分にできること。お客さんに鹿部のタラコの背景をしっかり伝えて、ブランド化に繋がればと思っているんです」
 田中さんの口調は熱い。その言葉に、僕も盛田町長も、大関さんもさらに酔った。
 本当に良い日だった。
 カウンターは満席だった。お手洗いに行く途中、一人の女性に呼び止められた。話すうちに、道の駅のスタッフだと判明した。
「最初、大関さんのこと、冷ややかな目で見ていたけど、あの人、本当一生懸命やってくれて、給料面や勤務体系もすごく考えてくれる。今では良い信頼関係ができてねー」
 とのこと。これは、大関さんにとってはいちばん嬉しいことだ。
 僕も一安心した。しかし、彼女の言葉は、あえて大関さんには伝えなかった(笑)。
(鹿部町編・了)

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