記事タイトル:「新たな地域燃料流通に関する研究会 中間とりまとめ」公表資料(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/press/2026/08/20260824003.html
(文=鳥井 静夫)
今月は地域に身近なガソリンスタンドに係わる話題です。いつもの再エネ系とは少し違う視点で、地域に必要不可欠なエネルギー供給についての取り組みを紹介します。
経済産業省は、車の燃費向上による石油需要の減退に加え、人手不足や後継者難、安全規制への対応といった課題から全国のガソリンスタンド(SS)がピーク時の半数となる約2.6万カ所に激減し、「SS過疎地」が拡大している現状を受け、地域における燃料流通体制を強化・維持するための具体的な方策を盛り込んだ中間とりまとめを公表し、以下の3点が重点施策として整理されています。
1.SS過疎地の重点化と自治体への支援強化
SS過疎市町村の約6割が問題を認識しつつも、実際に対策を講じている自治体が1割にとどまる背景を踏まえ、国は「最寄りのSSまで概ね15km以上」離れている全国約50カ所のSSを「地域インフラSS」候補として選定する。
経済産業局や地域の石油組合に設ける相談窓口を通じて、自治体・SS事業者・元売事業者等による「地域の燃料供給計画」策定を伴走支援し、必要な設備投資への補助を令和9年度(2027年度)の概算要求へ反映させる。また、自治体が円滑に対策を進められるよう「SS過疎地ガイドライン」を新たに策定した。
2.災害対応能力の強化
東日本大震災や熊本地震などで燃料供給の「最後の砦」として機能した、非常用発電機等を備える「災害対応SS」の追加指定を検討する。さらに最新技術を活用したSSの防災能力向上や運営インセンティブの強化を図り、被災地での安定供給網を維持する。
3.官公需を活用した調達網の確保
一般競争入札による高額契約や不落リスクを防ぎ、平時および災害時の一体的な燃料確保を可能にするため、重要施設や緊急車両等の燃料調達において、地元石油組合との随意契約検討を自治体等に促す。国自らも4省庁合同の公用車調達で石油組合との随意契約を導入しており、この取組を地方へ横展開する。
特に2.の災害時対応は、熊本地震や最近頻発する豪雨災害など、災害に起因するエネルギー供給の問題は、平常時の供給整備がベースになければ災害時に機能するものではないため、国と自治体が一体となって取り組みを進め、脱炭素という流れとの整合性をどのようにとるかという視点も含めた具体策の提示が求められます。
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