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【ふるさと納税 最前線②】“お得感”から“社会貢献”へ変われるか

船橋力

文部科学省官民協働海外留学創出プロジェクトディレクター船橋力(ふなばしちから)氏

ふるさと納税の目的は “お得感”から“社会貢献” へ変われるか

 2017年9月、大手ふるさと納税サイト(ふるさとチョイス、さとふる)に海外留学支援の特設サイトがオープンしたことは、先月10月5日の記事でご紹介を差し上げた。サイトがオープンして、約2カ月が経った今、改めてふるさと納税で留学を支援する価値を考えたい。

 ふるさと納税サイトを見てみると、お肉・お米などの返礼品が大々的に宣伝されている。ふるさと納税は寄附ではあるが、その寄附額に応じて本来支払うべき住民税等から控除が受けられるため、実際には納税者には大きな負担はない制度だ。それにも関わらず、何故このような返礼品を貰えるのか不思議に思うのは私だけではないだろう。
 実は、平成28年の総務省のデータによると、ふるさと納税額に対し返礼品提供にかかるコストは寄附金額の約40%を占めているという驚きのデータがある。結局、寄附額の多くが返礼品に使われており、本来の利用目的にまわる額はその分差し引かれてしまっているのだ。それが故に返礼品競争と揶揄され、在り方を問う声が止まない。一部では非難の的となっているのが実態だ。
 一方、本留学支援に、豪華な返礼品はつかない。お得感ではなく「ふるさとを応援」できる機会、そして「感謝」こそが見返りとなる。そのため、この取り組みが成功するかどうかは、ふるさと納税が本来の「納税でふるさとを応援する」というあり方を取り戻せるかどうかの試金石ともいえよう。

返礼品なしでも、257万円の寄附が集まる!

 「ふるさとチョイス」では寄附金額がリアルタイムで確認できる仕組みとなっており、2017年11月20日現在、257万円の寄附が集まっている。この額を多いとみるか、少ないとみるかは人それぞれであろうが、返礼品がなくともこれだけの寄附が約2カ月で集まっていることには、私は賞賛の意を示したい。
 文部科学省官民協働海外留学創出プロジェクトディレクター船橋力(ふなばしちから)氏によると、学生向けの奨学金制度トビタテ!留学JAPAN「日本代表プログラム」では高校生一人の留学支援にかかる奨学金が約50万円であるとのこと、更に認知が広がることで、この取り組みが一人でも多くの若者を世界へ送り出す一助になっていくことを期待する。

参画自治体は緩やかに増加 地域の人材育成への在り方を考え直す機会に

 また、本企画への参画自治体も徐々に増加してきている。2017年10月には「山梨県富士吉田市(さとふる)」、がサイト内に掲載・受付を開始。これにより計5自治体が本企画に参画することとなった。

 早いもので本年もあと2カ月。ふるさと納税としては、駆け込み納税が最も多いシーズンに突入する。寄附額が増えることを願いつつ、引き続きその動向に注目をしていきたい。
 人づくり改革が叫ばれる中、市区町村の皆様におかれても是非主体的にこのような取り組みを検討されてはいかがだろうか?(記=加藤年紀)

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【特集:ふるさと納税 最前線】

第1話 留学支援という新しい選択肢

第2話 “お得感”から“社会貢献”へ変われるか

第3話 12月掲載予定

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