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まちの未来を描く!自治体のSDGs

HOLG編集室

著者が語る「まちの未来を描く!自治体のSDGs」(元・大和市 高木超)

(文=元・大和市 高木 超)

 2020年10月、拙著『まちの未来を描く!自治体のSDGs』(学陽書房)を刊行しました。
 本書の主題である「SDGs(※エス・ディー・ジーズと読む)」は、政府によって地方創生と結びつけられたこともあり、ここ数年で一気に自治体におけるキーワードのひとつになっています。
 一方で、自治体職員の中には「自治体の施策や事業にカラフルなアイコンを後から紐付ければ良いだけ」と考える人もおられるのではないでしょうか。
 私自身は、SDGsを活用することで、自治体の施策や業務をアップデートし、地域住民の生活の質の向上に貢献できると考えています。また、私も数年前までは大和市(神奈川)の職員として、住民協働や保育園の入所事務などを担当していました。そこで、こうした地方公務員としての経験を活かして、自治体での最新事例なども交えながら、「実際に現場で使えるSDGsの活用に関するアイデアを多くの自治体にお伝えしたい!」という想いで執筆したのが、本書です。

最新事例と自分の部署で実践できるヒントが満載

 本書に先駆けて、本年3月には、自治体でSDGsを活用するための私なりの方法論と、先行自治体の事例を掲載した『SDGs×実践ガイドブック 現場で活かせる知識と手法(学芸出版社)』を出版しました。大変ありがたいことに、たくさんの方にお読みいただきましたが、「自治体全体の取り組み事例だけでなく、自分の部署で実践できるような具体的な事例をもっと知りたい」という声も多く寄せられました。そこで、本書では、自治体で働くみなさんが、ご自身の部署で実践できる事例もできるだけ多く紹介しています。
 また、初めてSDGsに接する方のために、SDGsの基礎知識や、SDGsに関する自治体を取り巻く状況の変化を丁寧に説明しています。さらに、日本でいち早くSDGsの活用に向けた検討を試みた内子町(愛媛県)、2020年度のSDGs未来都市並びに自治体SDGsモデル事業に選定された金沢市(石川県)と亀岡市(京都府)の各事例をご紹介しながら、自治体でSDGsを推進する際のコツについてもご紹介しています。
 それでは、本書のおすすめポイントを、3点ご紹介しましょう。

おすすめポイント① インフォグラフィックスで自治体の課題をSDGsのゴールごとに紹介(1章)

図1

 SDGsは、「貧困をなくそう」や「飢餓をゼロに」といった17のゴールが設定されています。一方で、「日本国内の課題とどのような関係があるか分からない」「ゴールが抽象的で分かりにくい」といった声も聞こえます。
 そのため、本書の第1章では、SDGsで焦点が当てられている事柄について、インフォグラフィックスを用いながら、世界と国内自治体が直面する課題をそれぞれ紹介しています。例えば、SDGsのゴール6「安全な水とトイレを世界中に」というゴールについて、世界で約30億人に及ぶ人々が、水と石けんで手を洗う設備が自宅にないという現状を取り上げています。併せて、国内の水道が直面する「老朽化した水道管の補修・更新」の問題を取り上げ、SDGsというグローバルな課題を自治体のローカルな課題に読み替えてご紹介しています。こうした自治体の業務と関連させてご紹介することで、読者の皆さまにSDGsを身近に感じていただけるのではないかと期待しています。

おすすめポイント② 各部署で実践できるSDGsアクションを紹介(4章)

図2

 次に、この本の特徴として、企画部門、環境部門、公営企業(上下水道・ガス)、広報・シティプロモーション部門、スマートシティ部門といった部署に勤務する5名の現役自治体職員の方々とともに、SDGsの活用方法について考えている点が挙げられます。
 その検討の過程では、①それぞれの部署が所管する日々の業務をSDGsの視点で整理して、どのターゲットに貢献しているかを明らかにし、②SDGsの観点から事業のアップデートができることはないか模索しています。5つの事例からは、次のようなSDGsを活用するためのヒントを具体的な事例とともに、ご紹介しています。

☑ 明確な目標設定とバックキャスティング手法が可能にする柔軟な政策改善
☑ 広範な課題を含むSDGsの達成に向け、組織の縦割りを超えて取り組む必要性
☑ 既存の取り組みに、SDGsの観点から付加価値を付与する
☑ 行政機関にとどまらない、多様なステークホルダーの参画の確保
☑ 公民連携により、前例のない先端技術やイノベーションを活用した課題解決

 このように、SDGsの17のゴール、169のターゲット、232の指標(重複を除く)、そして「経済・社会・環境」の三側面や、マルチステークホルダーの参画といったSDGsの原則を使って、業務の価値を高める工夫を、本書では「SDGハック」と呼んでいます。
 本書の事例を通じて、SDGsを自治体の各部署で活用するための「SDGハック」の観点を得て、業務にご活用いただければ、非常に嬉しく思います。

おすすめポイント③ 地方議会議員の取り組みもご紹介(5章)

図3

 最後に、地方議会もSDGsの推進には欠かせない役割を担っています。しかし、SDGs関連書籍の中でも、SDGs推進に果たす地方議会の役割や各議員の取り組みについて紹介している書籍等は、あまり見かけません。
 そこで本書では、2名の県議会議員の方にご協力いただき、「地方議会とSDGs」をテーマに、三重県における取り組みや、女性議員とSDGsの関係について、ご紹介しています。地方議会議員の皆さま、議会が円滑に運営されるよう日々取り組む議会事務局の職員の方々にも、本書を手にとっていただき、SDGsを活用した議会質問、及び政策づくり等にご活用いただければ、非常に嬉しく思います。

本書は、SDGsを身近に感じていただくための「読み物」です!

 前著『SDGs×自治体 実践ガイドブック 現場で活かせる知識と手法』は、自治体での実践的な活用方法をステップ立ててご紹介するガイドブックを目指しましたが、本書は通勤時や休憩時間などに気軽に手にとって読み進めていただける「読み物」を目指しました。堅苦しくSDGsを捉えるのではなく、読者の皆さまの身の回りの出来事や業務と関連付けながら、SDGsに親しんでいただきたいと願っています。
 業務を通じて、市民や関係する企業といった周囲の方々とお話する中で、SDGsが話題に出ることもあるでしょう。そういったときに、この本を読んでいることで、今取り組んでいる事業が進めやすくなったり、新たな機会を得るきっかけになったりするかもしれません。もちろん、上司や同僚からSDGsについて尋ねられたときも、本書がお役に立てるはずです。
 本書では、自治体が扱う様々な地域課題をSDGsの枠組みで捉え直して、SDGsの活用による課題解決の方法を探っています。例えば、1章でご紹介している数値データや各章の実践事例を通じて、SDGsは決して遠い国の課題ではなく、自治体も向き合い続けて行かなければならない課題だと感じていただけると確信しています。
 また、本書では、課題の解決に向けたアプローチとして、先進自治体の事例や「SDGハック」と名付けた手法をご紹介しました。SDGsは、「これが正解」という答えは用意されておらず、自分たちで現状と向き合い、解決に向けた「問い」を見つけ出すことが重要です。読者の皆さまがSDGsと向き合う中で、本書が何かのヒントをご提供できれば、望外の喜びです。

図4

書籍「まちの未来を描く!自治体のSDGs」のお求めはコチラから
http://www.gakuyo.co.jp/book/b512549.html(※Kindle版もございます)

最後に、本書を紹介する機会を与えてくださったHOLG.jpの皆さまに心から感謝申し上げます。

(了)

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