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著者が語る『「対話」で変える公務員の仕事~自治体職員の「対話力」が未来を拓く』(今村寛)

ハウツー本ではありません

 このたび人生で2冊目の単著『「対話」で変える公務員の仕事~自治体職員の「対話力」が未来を拓く』を出版いたしました。
一つ目小見出し(表紙)
 表紙には「こんな人にオススメ!」「こんな悩みの人にも!」と書いていますが、とはいえ、あらかじめお断りしておきますが、この本は「こうすればうまくいく」というノウハウを体系的に提供するハウツー本ではありません。
 実はファシリテーションの技術もろくに学んでいない自分が、「対話」について自分の経験のみから導かれる我流の方法論として示すことが、本当に自治体職員の皆さんの役に立つのか、皆さんが学習し、習得し、実践していく価値がある技術として体系化された知識なのかという思いが、この本を書きあげるまでの間、常にありました。

 「議論」と「対話」ってどこが違う?
 どうして「議論」ではなく「対話」が必要?
 「対話」の必要性を感じていない人に「対話」に参加してもらうには?

 これらの問いに対して自問自答を繰り返し、自分がなぜ「対話」にこだわり続けているのかを掘り下げて言語化していく中でたどり着いたのは「どうすればうまくいく」というハウツーではなく「対話」の本質。そもそも「対話」とは何なのかをとらえなおし、「対話」への思いを新たにすることで次の一歩を踏み出す力にできる。そんな悟りにも似た心境で、その掘り下げのプロセスとなった哲学的禅問答をこの本ではお示ししています。

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公務員が仕事で使える「対話」とは

 私たち自治体職員は、仕事の上でよく議論を重ねて結論を導くことを強いられます。議論の本質は選択です。いくつかの選択肢の中から何らかの理屈を組み立ててひとつを選ぶ。何かを選ぶために何かを捨てなければならないときに、それを選ぶ理由、選ばない理由を考え、その優位性を比較し、ひとつの案に絞り込み決定する。これが一般的な議論の構造です。
 しかし「対話」は「議論」と違って何かを決める道具ではありません。「対話」でいくらアイデアが湯水のようにわき起ころうとも、膨大な量の知見が集約されて文殊の知恵となろうとも、長年心を閉ざしていたふたりの仲が氷解しようとも、その先にあるのは決めるための「議論」。対立した意見を評価し、調整し、決定していくには「対話」の先にあるプロセスに進む必要があるのです。

 「議論」して物事を決める自治体職員の職場、仕事に「対話」を持ち込む。
 自治体職員向けに書いたこの本に与えられた使命を果たすために私が試みたのは、「こうすればできる!」というノウハウの伝授ではなく「なぜそうしなければならないか」「なぜそれがうまくいかないか」という本質論から「どうすればそれができるのか」へのアプローチ。
 この思考の旅は難航を極めましたが、その難題を解く鍵は二つありました。
 「対話」とは何か。そして「自治体職員」とは何か。

 自治体職員はなぜ「対話」しなければならないのか。
 自治体職員はなぜ「対話」が苦手なのか。
 自治体職員はどうすれば「対話」ができるようになるのか。

 「自治体職員」と「対話」。この二つを掘り下げその本質をつなぐことで私は出口のない長いトンネルを抜けたどり着きました。

対話は手段か目的か

 この本は、「対話」という手法を用いて自治体職員が職場で抱える問題を解決する、その方法論や具体的な方策筋を示すものとして期待されています。
 しかし、そもそも「対話」は何らかの問題を解決する手段なのでしょうか。
 私はこの本の中で述べています。

3つ目小見出し

 「対話」の重要な構成要素は「開く」と「許す」。
 「開く」は自分の持っている情報や内心を開示すること。
 「許す」は相手の立場、見解をありのまま受け入れること。

 それぞれ、「対話」の場に臨む当事者の内面に深くかかわり、中でも特に「許す」ことは、「相手の属性に基づく先入観を排除し公平平等に扱うこと」と「自らの固定観念、常識、先入観をいったん脇に置くこと」つまり、人として人とどう向き合うかという倫理観の問題なのではないか、という考え方の提起です。
 だとすれば、何かの役に立つかどうかで「対話」の必要性や有用性を判断してよいのか。「対話」を問題解決の手段ととらえることは、役に立たないから、忙しいから、実りがなさそうだから「対話」しなくてよい、する必要はないと考えてしまうことにつながりはしないか。
 「対話」を問題解決の手法としてとらえることの危うさ。皆さんはいかがお感じでしょうか。

 対話は手段か目的か。そんな相反する価値観の板挟みにあいながら、私たちはどうして「対話」にこだわっているのか。どうして「対話」という少し面倒で手のかかる方法をとりたいのでしょうか。
 公務員の仕事を変える手段として「対話」を役立てることを目指しつつ、その「対話」は手段ではないと言い張る私の葛藤がどのような決着を見たのか。
 『「対話」で変える公務員の仕事~自治体職員の「対話力」が未来を拓く』というタイトルには、皆さんに謎をかけたこれらの問いかけに対する私なりの答えが詰まっています。ぜひ読後のご意見を聞かせていただき、このことについて皆さん方と「対話」し、さらに深く掘り下げでいきたいと思います。

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