主張・意見

須賀川市「消防団参集アプリ」活用について[福島県須賀川市]

総務省消防庁コラム1

(記事提供=総務省消防庁 広報誌『消防の動き』

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1 須賀川市の概要

 本市は、福島県の中央部に位置し、東北自動車道、国道4号、東北本線、東北新幹線、水郡線が通り、さらには県内唯一の空の玄関口「福島空港」を有し、高速交通体系に恵まれたまちです。
 平成17年4月には近隣2町村と合併し、多様化する市民ニーズに対応できるよう、それぞれの地域が持つ個性や歴史、伝統文化、自然環境などの貴重な資源を生かしたまちづくりを進めています。
 本市消防団は、1本部、13分団、67班の体制で組織され、平成29年度には、新たに女性消防団員が加入し、また、機能別消防団員制度の導入を行う等、消防団の活性化に努めています。

2 導入経過

 本市消防団では、これまで、火災発生時に消防本部から、火災発生を知らせるメールが団本部及び団幹部等に配信され、当該配信を受信した火災発生場所を管轄とする団幹部等が所属団員へ別途、個別に出動の可否を確認していました。このため、各団員に対する出動要請に時間を要し、結果として、消防団活動の初動に遅れが生じていました。そこで、迅速な出動体制を整備するため、平成30年7月に、全団員に対し、火災発生を通知するとともに、効率的に団員の出動の可否を把握できる「消防団参集アプリ」を導入しました。

3 消防団参集アプリの機能の概要

 消防団参集アプリは、各団員が所持しているスマートフォンやタブレット端末に各団員がアプリをダウンロードすることにより使用できます。このアプリは、火災発生時及び平常時ともに消防団活動をサポートする以下の機能を備えています。
(1) 火災発生時
 団本部は、火災発生場所の管轄班及び応援班の団員に対して、アプリを介して出動を要請します。具体的には、これらの団員のスマートフォン等に、緊急性が高いことを知らせるサイレン音とともに、「出火場所」や「火災種別」の情報がポップアップ画面で表示されます。各団員はポップアップ画面からの操作により出火場所を地図上で確認するとともに、自身の出動の可否や到着時間に関する情報を所属班内で共有できます。また、団幹部は、各班の出動状況をアプリ上で確認することができ、現場到着後の迅速かつ的確な活動指示が可能になります。さらに、アプリの画面上では、水利の位置や消防団車両の駐車位置を地図上で確認できるため、有効な水利を選定できるとともに、後続の消防団車両についても効率的に駐車位置を選定することができます。各団員が屯所を経由せずに出動する場合でも、このアプリの活用により、自らが所属する分団(班)に迅速に合流することもできます。

所属団員で出勤状況の共有

(2) 平常時
①消防水利点検機能
 この機能によって、アプリの画面上に管内の消火栓等の情報(位置、種別、口径、点検状況等)が地図上に表示され、各団員による水利情報の把握が容易になります。
 加えて、この機能の中で消防団が消火栓等の点検活動を行った際に、点検記録や画像を登録することができます。点検で不具合が見つかった場合には、アプリ上で市役所の水利担当部署に報告でき、担当部署で不具合登録がなされた場合には、アプリ上で当該消火栓等が使用不可であることが反映され、消火活動において水利を選択する際に大いに役立つこととなります。

水利情報が確認でき、簡単な操作で点検記録が可能

②その他(チャット機能による情報共有等)
 消防団参集アプリは、チャット機能を備えており、所属しているグループの階層内(班内、分団内、全体等)で連絡を取り合うことができます。これにより、団幹部の各団員に対する指示事項や取り決め事項等について、団員を参集させることなく、伝達や意見交換が可能となりました。さらに、このアプリは、被服申請機能も備えており、各団員が、アプリ上で市役所の消防団担当部署へ被服の更新申請ができます。
 このように、消防団参集アプリは、多様な機能により消防団活動を幅広くサポートしています。

4 効果

 消防団参集アプリの活用により、各団員に対して火災の発生や出動要請等を迅速に周知することが可能となり、初動体制の改善が図られ、消防団はいち早く火災現場に到着することができ、延焼拡大防止に寄与しています。また、全ての消防団員で火災現場の状況を共有できるため、中継放水を要する火災では、出動要請のない団員が自発的に出動する等の応援態勢が確保され、アプリ導入の効果が表れています。
 団員からは「管轄以外の水利も把握でき、出動時に助かる。」「平常時にも使用でき、便利である。」といった声が上がっています。
 また、常備消防に対してアプリの活用を依頼し、火災時には消防団車両の駐車位置、平常時には水利点検状況を共有できるようになりました。

5 今後の活用について

 令和元年東日本台風では、本市も甚大な被害を受けました。この中で、消防団は昼夜を問わず、警戒活動をはじめ、避難誘導、被災住宅の片付け等、多くの分野で活動に当たりました。このように、水害時における消防団に求められる役割が多様化している中で、住民の安全はもとより、前線で活動する消防団員の安全を確保するため、本市においては、災害情報の迅速な発信が可能となるよう今後もアプリの活用を進めていきます。
 また、アプリにより、浸水箇所や土砂災害発生場所などの災害情報を、現場にいる消防団員からリアルタイムに収集・集約することが可能となれば、常備消防、警察、自衛隊と連携し、より迅速な住民避難や救助に繋がると考えており、現在、実現に向け、市と開発事業者の間で意見交換を行う等、アプリの更なる改良に取り組んでいます。
 このように、火災のみならず災害全般において、活用可能なアプリを目指し取組を進めており、本市では、今後とも本アプリの活用を通じて、消防団活動の一助となるように努めてまいります。

~消防庁地域防災室からのお知らせ~
 消防庁地域防災室では、消防庁HPの「消防団充実強化取組事例」の紹介ページにおいて、上記の福島県須賀川市の取組を含め、消防団活動へのICTの活用事例等を掲載しています。参照いただき、今後のご参考にして下さい。

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