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総務省消防庁コラム1

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地域防災の担い手育成に向けて ~消防ブートキャンプ山口~[山口県 山口市消防本部]

 

(記事提供=総務省消防庁 広報誌『消防の動き』

1 はじめに 

 山口市は、山口県のほぼ中央に位置し、多様で豊かな自然環境に囲まれ、温泉街などの観光施設にも恵まれた 都市となっております。  当消防本部は、県内一広大な管内面積1023㎢と、管内人口19万5千人を有し、1消防本部・3消防署・4出張所、消防職員250人(再任用及び嘱託職員を含む)で組織され、消防団1200人と連携し、市民の安全・安心を守るため、日々業務に取り組んでいます。

2 消防ブートキャンプ山口とは

 この取組は、子ども達に、消防活動等の体験を通じて防火・防災に関する知識とともに、「規律」「技術」「チームワーク」を身に着けさせ、命と暮らしを守ることの大切さを学んでもらうことにより、「ふるさと山口」を自分たちで守るという郷土愛護の精神や自助・共助の意識の拡大を図り、将来に渡る地域防災の担い手育成に繋げるものです。

3 取組の契機

 全国と同様、本市においても、本格的な少子高齢社会や人口減少に直面し、各種災害発生が危惧される中、地域防災の担い手確保が課題となっています。こうした中、当消防本部では、災害時に身近な道具を利用して自分の身を守り、次に誰かを助ける技術を学ぶ、「セルフレスキュープログラム」を平成28年度から開始し、主に市内の中学校への出向や職場体験を通じて普及を進めており、更に次のステップに進むため、「消防ブートキャンプ山口」(以下、「ブートキャンプ」)を企画しました。

職員作成ポスター

職員作成ポスター

4 内容

 ①参加者については、災害に対して一定の理解力と体力を有する小学校5年生以上及び中学生としています。

 ②募集に関しては、地域の担い手育成を確実に図るため、市内を5つにエリア分けし、各エリアごとに学校を指定し、募集しています。

 ③プログラムは1泊2日の宿泊型とし、開催場所は、募集対象エリアを管轄する消防署としています。

 ④参加者決定後、中学生と小学生の混在した分隊を編成し、全てのプログラムを分隊単位で取り組みます。また、分隊にはそれぞれ若手職員と市内大学に通う学生消防団をアドバイザーとして配置します。

 ⑤地域防災の担い手育成の観点から、自分たちが住んでいる地域のために活動している人たちの存在を知ってもらうため、『まちづくり協議会』『婦人防火クラブ』『消防団』などにも参加いただき、地域連携に繋げています。

 プログラムは、分隊ごとに訓練礼式を学んだ後に、消火・救急・救助などの消防士体験をはじめ、防災教育、セルフレスキューなどで構成しています。2日目のプログラムの最後には、学んだことの総決算となる、各種災害を想定したブースを各分隊で対応する「消防ブートキャンプ総合レース」を行い、成果発表の場として学校関係者や保護者の皆様にも披露しています。

消防ブートキャンプ山口プログラム表

消防ブートキャンプ山口プログラム表

5 効果について

 今回で2回の開催となったブートキャンプですが、参加者の中には、「将来は消防士になります。」と話してくれた子や、市内で我々を見つけ、「キャンプではお世話になりました。」と、声を掛けてくれる子どもたちがたくさんいます。また、参加校では、給食時間にキャンプの模様を映像で紹介いただいたり、セルフレスキュー技術を取り入れた避難訓練も実施されるようになりました。さらに、地域における防災訓練で、ブートキャンプ参加者が活躍する姿が見られるなど、少しずつではありますが確実に、“ブートキャンプ効果”を実感しています。

セルフレスキュー

セルフレスキュー

消火

消火

救助

救助

救急

救急

着衣泳

着衣泳

女性消防団の防災士による防災講習

女性消防団の防災士による防災講習

消防ブートキャンプ総合レース

消防ブートキャンプ総合レース

6 おわりに

 この取組が、1泊2日の体験で終わることのないよう、当消防本部で実施する、各関係機関参加型の災害対応訓練などにブートキャンプ参加者を起用するなど、継続性を持たせ、学校や地域に還元できる仕組みづくりを目指しています。  まだ2回の開催ですが、募集地域の実情に応じた災害プログラムや地域連携への仕組みづくりに試行錯誤を重ね、課題となっている地域防災の担い手育成に向けて、職員一丸となって取り組んで行きます。

修了式での各分隊表彰

修了式での各分隊表彰

集合写真

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