(記事提供=総務省消防庁 広報誌『消防の動き』 )
1 由布市の概要
由布市は、大分県のほぼ中央に位置し、東西24.7km、南北23.4kmにわたり、面積は319.32㎢ 。人口は約3万5千人。温泉や豊かな自然などに恵まれており、特に湯布院地域は保養温泉地として、年間約390万人の多くの観光客が訪れています。
北部から南西部にかけては由布岳や黒岳など1,000m級の山々が連なり、由布岳の麓には標高約450mの由布院盆地が形成されています。これらの山々を源とする河川が大分川を形成し東西に流れています。中央部から東部にかけては、山麓地帯と大分川からの河岸段丘が広がっています。
由布市の気候は、標高の高い由布院盆地に代表される西部や北部では気温の日較差が大きく、冬には最低気温が氷点下になることも多く、積雪に見舞われる内陸性気候と、中央部から東部にかけての標高の低い地域の、雨が少なく温暖な瀬戸内気候とに二分されます。
2 由布市と地域密着民間放送局
由布市消防本部では、由布市と緊急放送に関する協定を結んでいるコミュニティ放送局「ゆふいんラヂオ局」
を活用し、市民と密着した関係を構築しています。
住民等の安全及び安心を確保するため、災害及び防災に関する情報について緊急放送を通じて、迅速に周知することが目的とされており、由布市民と市内の小中学校及び福祉施設等に無償配布している防災ラジオを使用して、災害時の「緊急割込放送」を行います。災害情報等を市の職員が自動的に割り込んで行う放送、全国瞬時警報システム(J―ALERT)、避難準備情報・避難勧告・避難指示等、避難関連の放送にも対応したものとなっています。
由布市消防本部では「ゆふいんラヂオ局」の中で、由布市の事業所がサポートしている「Traffic & FireReport」に、消防職員が定期出演を行っています。火災・救急件数等を発信するとともに、随時、消火器の不適正販売、市民及び事業所に対し火災予防に関する情報などを盛り込んだ放送を行っています。
先日も、消防職員の名前を使い「一人暮らしですか?」など家族構成を聞き出すような不審電話に対し、放送で注意喚起を実施しました。
そのほかにも、ラジオCM「ゆふいんラヂオ局防災計画」等、市民と一緒にラジオを通じて、防災の意識を高めるための防災特別番組も放送しています。
3 消防本部で体験型
由布市管内の小学生が毎年6月に、地域で連合をつくり社会見学に訪れます。
消防をより身近に感じてもらうために、体験ブースを作り庁舎見学・地震体験・放水体験・煙体験等を、半日かけて小学生に体験をしてもらい、防火に関する意識向上に役立てています。
今回、消防防災推進事業助成制度を利用し、小学生の放水体験のために消防職員と同じ素材の児童用の防火衣と現場用のヘルメットを購入することが出来ました。放水体験を行う際に装着して、消防職員の疑似体験を実施したところ、「防火衣が重くて、暑い!」「楽しかった!将来は消防職員になりたいです!」と小学生の笑い声と笑顔が見られました。
今後も、いろいろな体験ブースを職員が考案し、疑似体験や結索訓練、コミュニケーションタイム等で小学生・少年消防クラブへの啓蒙活動を行う予定です。
4 おわりに
由布市民全体に広報活動を行うために出前講演を行うなど、地域の自主防災組織だけでなく、由布市内の児童クラブ・老人会等にコミュニティ地区を設置して、防火・救急・防災への意識の向上のためにはどうしたら良いか、試行錯誤を重ねています。
由布市消防本部のような小規模消防本部では、予算と人員に制限がありますが、目で見るホームページ・広報誌だけでなく、耳で聴く防災ラジオ、消防職員と一緒に訓練・体験など、「見て!聴いて!感じて!」と、いろいろなアイテムを活用して、市民へ身近な情報発信を続けていきます。
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