記事タイトル:西宮市が『学校給食費』の一部の滞納者に「法的措置」へ。繰り返し督促しても納付・応答なしで
https://kobe-journal.com/archives/8396795333.html
(文=岡元 譲史)
今月は、私債権の徴収について。西宮市における学校給食費の取り組みです。
僕もこれまで様々な債権を扱ってきましたが、中でも学校給食費は、厄介な債権です。
そもそも論として、多くの自治体が「公会計」化されておらず、「私会計」で対応しています。学校で集めて、学校で管理する形。で、この状態だと裁判所申立てもままならないんですね。この場合、学校長が原告にならざるを得ないんですが、保護者を相手に裁判所に訴えようという校長先生はなかなかいませんので、どうしても法的措置に至りにくいんです。
「公会計」化されているというのは、役所の予算・決算に上がってくる状態ですが、公会計化のデメリットとして、「柔軟性が下がる」という側面があります。「鉛筆一本買うのにも負担行為兼支出命令書を作成しないといけない。面倒くさいなぁ」という経験をされた方々にはお分かりのとおり、私会計の方が色々と融通が利くんです。だから、現場の人達の意見を尊重すると、なかなか公会計が進まないようですね。
さて、西宮市が素晴らしいのは、まず「公会計」化されているところです。
その上で、「学校給食費滞納者には法的措置を行います」と宣言されていることが素晴らしい。私は徴収・滞納整理において、このように明確に「滞納者には厳しい措置を取りますよ」という姿勢を示すことが非常に重要であると考えています。
学校給食費は自力執行権がなく、自ら差押えをすることができません。従って、滞納者が「払わない」と決め込んでしまえば、裁判所に申し立てない限り逃げ得が許されてしまう。つまり、「正直者が馬鹿を見る」ということです。そんなこと、許しちゃダメですよね。
納期内納付者の声なき声に報いるためにも、ぜひ、すべての自治体で「学校給食費滞納者には当然に法的措置を行う」という状態を確立したいものですね!
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