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政府のお酒いじめ【トラベルスクエア】

 

[記事提供=旬刊旅行新聞]

 コロナ騒ぎでの食堂業を含むサービス産業に対する政府の「お酒いじめ」は常軌を逸しているとしか考えようもない。
 飲食店での長談義とアルコールによってかき立てられた自己解放で、口角泡を飛ばす勢いが、ウイルスの拡散に寄与していることはあるだろうが、お酒そのものに罪があるわけではない。要するに飲み方の問題なのだから一定の時間制限はやむを得ないとしても、酒販店からの供給まで止めようというのは無茶苦茶な話だろう。
 すでに、居酒屋さんの営業不振のあおりで、多くの酒販店が行き詰まり倒産している。そんな崖っぷちの業社に取引先が種類の販売制限をきちんと守っているかの監視役をやらせよう、というのも無体な話だ。
 こういう営業上の制限行為を強制するのは、営業の自由を保障する憲法にも違反している。
 さすがに西村経済再生担当相も撤回したが、これを巡っての各省庁の立場、菅首相の関与などがてんでんばらばらで、こんな重大な取り決めごとに、かくも責任のなすりつけ合いに、何だろうこの政治は、と思う。すべては日本国民のためと菅さんはいうが、サービス産業や酒販業者は日本国民でないのか、と訴えたい。
 それにしても、こんな制度がまかり通らなくてよかった。強烈な警察権力をバックにして実行されでもしたら、かつてアメリカで行われた禁酒法が多くのマフィアを生んだように、政治を歪める危険があったと思う。
 国による規制が始まれば、必ずそれを潜り抜けることが莫大な財源になり、暴力団形成につながることはアメリカの歴史が証明している。何しろ、アメリカの警察官の8割、9割近くがマフィアからの買収に汚染されていたのだから。あの有名なアンタッチャブルのエリオット・ネス隊長が率いた、こいつらは大丈夫とチームを組んだ仲間も、最終的にはギャングから金が回っていたのだから、何をか言わんやだ。
 それよりも営業時間を11時までにするとしても、一組の滞留時間を2時間に制限する、大音声での会話は店主が責任をもってコントロールする。もしも聞かなければすぐに警察に連絡してよいとする。そういう地道な努力をしているお店には何らかのかたちで報償金の積み増しをする、とか。
 今のままだと、公園飲みが増えて、そこからコロナが蔓延する可能性の方が高いだろう。嫌な風景を作り出してしまったものだ。
 業界も与党の代議士さんたちに会って、政治参加できた気分に酔うのではなく、言うべきこと、守ってほしいことはがんがんぶつけないといけない。アメリカの政党選挙なら、とっくに政権交代ものだろう。

松坂健
オフィス アト・ランダム 代表 松坂 健 氏
1949年東京・浅草生まれ。1971年、74年にそれぞれ慶應義塾大学の法学部・文学部を卒業。柴田書店入社、月刊食堂副編集長を経て、84年から93年まで月刊ホテル旅館編集長。01年~03年長崎国際大学、03年~15年西武文理大学教授。16年~19年3月まで跡見学園女子大学教授。著書に『ホスピタリティ進化論』など。ミステリ評論も継続中。

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