コラム

SDGsと人間の安全保障~SDGsをまちづくり・地方創生に活かす方法(第1回)

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(文=日本公共利益研究所 代表理事 西村健)
ここではSDGsの基本とまちづくり・地方創生に活かす方法を考えていきます。担当する日本公共利益研究所の西村健です。どうぞよろしくお願いいたします。

私は公共政策の研究者で、過去に日本の行政評価・政策評価を開発した人たちとともに行政改革を進めてきました。また、アムネスティCSR(企業の社会的責任)チームの代表など、日本のCSR評価に貢献し、現在は、日本公共利益研究所やジャーナリズムの仕事もしています。

そもそもSDGsとは何?

SDGsとは何でしょうか?

略称はSustainable Development Goals。
持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成されている、「地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)」ことを誓ったものです。

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2015年9月の国連サミットで全会一致で採択されたものです。

整理すると
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目的:「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現
目標:17の国際目標(その下に,169のターゲット,232の指標が決められている)の達成
期間:2016年から2030年まで
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と、まとめることができるかと思います。

簡単に言うと、国際社会はこうなってほしい、こうなるべきだ、という理想を具現化したもの。地球レベルの問題解決の仕組みと言った方がよいかもしれません。行政や公共機関だけではなく、企業も入るのが特徴です。その問題意識は具体的には社会問題の解決を行政だけで対応できませんというものです。それだけ社会は複雑化していて、企業も自分たちだけが利益をというところではなくなっていますから。なかには「理想的だろ」「現実性がない」と言われることもありますが、目指すことの意味は大事です。

日本のSDGs、その特徴

さて、日本はどうか。日本は「豊かで活力のある「誰一人取り残さない」社会を実現するため,一人ひとりの保護と能力強化に焦点を当てた「人間の安全保障」の理念に基づき,世界の「国づくり」と「人づくり」に貢献していく」とSDGsアクションプラン2019で主張しています。
具体的には以下のような取り組みを進めています。

【出典】SDGs推進本部「政府によるSDGsを推進するための取組一覧」

【出典】SDGs推進本部「政府によるSDGsを推進するための取組一覧」

しかし、この中の理念「人間の安全保障」という言葉に疑問を抱いた人、聞きなれない人も多いと思います。

「人間の安全保障」って何?

Human Securityの訳。To protect the vital core of all human lives in ways that enhance human freedoms and human fulfillment.という概念となっているが、多義的な故えに、様々な機関が様々に解釈している。

外務省では「人間一人ひとりに着目し,生存・生活・尊厳に対する広範かつ深刻な脅威から人々を守り,それぞれの持つ豊かな可能性を実現するために,保護と能力強化を通じて持続可能な個人の自立と社会づくりを促す考え方」と言っています。

人間の安全保障の考え方

【参照】外務省HP

その意味合いとしては、個人の生存、生活、尊厳を脅かすさまざまな「脅威」から積極的に守るということです。国家の安全保障とは違って、国家よりもむしろその最小構成単位である人間一人ひとり(個人)に注目した点、「安全」を広くとらえた点が特徴です。特に、「脅威」は、貧困や戦争の中で生活している国々の人々だけではなく、開発途上国・先進国問わず全世界の人が直面しているものです。

そして、ここでのポイントは「欠乏や恐怖からの自由」と「尊厳」です。前者が「脅威」からの安全保障的なニュアンスが強いですが、後者は、人間がお互いを人間として尊重するべきと言う意味です。みじめな思いが強要されない状態と言った方がいいかもしれません。「個人レベルでの安全が確保された状況において福祉、尊厳と自己尊重を達成することは、人間開発の最終目標」とされるように、非常に重要な価値を持ちます。
ちなみに、日本国憲法13条にも「第十三条 すべて国民は、個人として尊重される・・・。」とあります。人間の尊厳を守ることは、あるべき目標ではなく、最低限の倫理であることは理解しておいた方がよいでしょう。

SDGsの具体的な取り組みも大事ですが、背景となる思想や考え方を理解していただけたでしょうか。それではまた。

【西村健氏 経歴】
NPO法人日本公共利益研究所 代表・主席研究員
事業創造大学院大学 国際公共政策研究所 研究員・ディレクター
NPO法人シーハート 副理事長

慶應義塾大学大学院でアメリカの環境保護団体の行動と政策過程を研究。前期博士課程修了後、アクセンチュア株式会社入社。その後、日本能率協会コンサルティングで数多くの地方自治体のまちづくり、業務改善、職員の能力開発を支援。独立後、日本公共利益研究所を立ち上げて「社会の医者」として活動。SDGs関連の活動としては、アムネスティ・インターナショナル日本のCSRチームの立ち上げに参画。CSRチームコーディネーターを長年務め、CSR評価セミナーを毎年開催するなど企業のCSRに人権の視点を入れることを提言してきた。フェアトレード・ラベル・ジャパン(ファトレード商品の普及活動、東京都)、ACE(児童労働・エシカル消費、東京都)、NPOトルシーダ(在日外国人児童学習支援、豊田市)のボランティア活動や企業のソーシャル・イノベーション支援などをしてきた。人権、保健・健康、環境問題に詳しい。

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