コラム

【もっと自治体職員を楽しむために#4】「24時間公務員」を楽しむ

【泉 昂佑(いずみ こうすけ)経歴】
2016年生駒市役所に入庁。国保医療課を経て2017年から広報広聴課。広報紙の作成・SNSによる情報発信・ホームページの管理などの広報業務とメールでの問い合わせや要望書対応などの広聴業務を担当。取材の相棒は、一眼レフカメラと紙とペン。市内のイベントや人を取材して回る。奈良県王寺町在住。

「地方公務員である以前に、自分も一人の市民」。だからこそ、日常生活で感じたことを積極的に仕事に生かすことを意識して働いている。そう心がけて働くと、普段の生活から業務に生かせるアイデアが生まれたり、逆に業務から普段の生活に対して新たな気づきが得られたりする。

「情報」や「知識」は、ネットで調べれば何でも得られる時代。だからこそ実際に自分自身が生活するうえで「感じること」や自分が動き、経験して得られる「知恵」や「ご縁」がたいせつだと考える。こうした考えから、イベントボランティアや多様な講座の受講、農業にいたるまで一人の市民として実際に取り組んできた。

市民の皆さんや同期と畑作業

 地元の王寺で、昨年8月から月1回開催を続けるこども・地域食堂「みんなのおうち」の運営。農家や飲食店に食材の寄附をお願いして回ったり、地域で活躍している人にゲスト出演の交渉をしたりする経験を通して、仕事とは違った地域への入りこみ方を学んだ。「みんなのおうち」のスタッフとして環境問題の講座に参加したら、奈良県中部地域でこどもに関する活動をしている多様な団体とのご縁が連携につながり、「奈良の親子をもっと元気に」するための活動が始まった。また、生駒市の遊休農地活用制度という、耕作放棄地と農業がしたい人をマッチングする制度を利用し農業にも取り組んだ。農業を通して見るまちの課題や食べ物を作ることの大変さを学ぶことができた。

多世代がつながる場、こども・地域食堂を実践

 こうした活動を通して得たものは、知恵やご縁だけではなく物事を考える際の別の視点や行動を起こすうえでたいせつな原動力。さらには、「これをする時は、役所がこういうサポートをしてくれればいいのに」という市民目線の感覚も身についた。知識に縛られるのではなく、まず小さな一歩でも踏み出すことが重要だと思う。やってみないと分からないことも多い。

 「自治体職員の仕事は生活とつながっている仕事」。そう考えて働くと一般的な公務員のイメージも変わって見えてくる。

「課が変わると、会社が変わるようなもの」。公務員として働いているとよく聞く言葉だ。下水道担当から税金の担当、都市計画から市民活動など畑違いの仕事になることだってありえる。そのたびに、せっかく専門知識を覚えてもまたイチからのスタート。正直しんどいと感じることも多い。

 私もそうだった。1年目に配属された国保医療課では、国民健康保険の加入・脱退の手続きや税額の計算、保険金の給付などの窓口業務を担当。人の話を聞くのが好きなため、手続きに来た人と他愛ない会話を交わすのが大好きだった。どんな些細な会話でも、市民の生の声が聞けるありがたい部署。「何でこんなに税金高いねん」「給付金額が違うやろ」など、怒られることもあったが、市の最前線で働いているという実感があった。

 そんな中、1年後にまさかの異動。ようやく年間の流れを掴み、次年度は業務改善や提案などを行おうと考えていたので少し残念な気持ちになった。異動先は広報広聴課。あまり具体的にイメージできなかったが、いざ働いてみると自ら市内に飛び出し、地域の人・場所・魅力を開拓していく、いわば「動く窓口」のようなやりがいのある部署。自分から動くので責任は大きいし、偏った交友や情報発信にならないように、常にさまざまなことにアンテナをはっておかなければならない。それまでとは違った充実感を感じた。

「市民生活のため、まちをよくする」という明確な目標のもと働いていれば、課が変わっても活かせるマインドや知識がきっとたくさんあるはずだ。さらに、自身のキャリアを考えた時に多様な分野で経験を積めるのは自治体職員ならでは。こうした積極的な経験を今後の人生に活かしていきたい。

 社会は常に変化を続け、既存の部署や単一の部署では解決できない課題も増加している。「縦割り行政」という時代は終わり、多様化・複雑化する社会課題に対応できる「課を越えて連携できる行政」へ。そのため、担当業務以外の情報をシャットアウトするのではなく、他課との連携を意識・実践し、自ら動く職員がこれまで以上に求められる。

 そうしたマインドにさらに自らの経験を結び付けていくこと。そして、知恵とご縁を生かすこと。これが、業務で行き詰ったときの突破口になるだろうし、自治体職員をもっと楽しめる秘訣だと思う。

県下5市町で活動する団体が団結して地域を盛り上げます

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