コラム

週刊 寺本英仁「巻き込む力」と「ビレッジプライド」の育て方 第5号(HOLG版)

ビレッジプライド

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本記事では、有料メルマガ「週刊寺本英仁@島根県邑南町/「巻き込む力」と「ビレッジプライド」の育て方」の一部(A級グルメ連合についてのストーリー)をご覧いただけます。なお、掲載するメルマガは約3か月前に配信した内容です。最新かつ、全文の閲覧を希望する場合はコチラからお申込みください。

【第5号の目次(2019年7月10日配信)】
1.ご質問・ご相談にお答えするコーナー!
2.里山レストラン「香夢里」は立ち止まらない(5)
3.<A級グルメ連合>の仲間たち 小浜編(4)
4.著書の案内、質問募集!など

メルマガの一部をHOLG.jpに公開いただいています。

3.<A級グルメ連合>の仲間たち 小浜編(4)
=志を同じくする5市町の取り組みを連載形式で紹介していきます!

 若狭東高校を訪ねた後、僕は御子柴さん、畑中さんの黄金コンビといったん別れ、実際に小浜市にUターン、Iターンした移住者に話を聞きに向かった。

 アテンドしてくれたのは、小浜市役所の奥城直喜さんだ。彼は御子柴・畑中コンビほど、雄弁ではない分、実によく話を聞いてくれている。派手さはないけれども、奥城さんが内に秘める熱い小浜愛は、決して御子柴&畑中コンビに引けをとらないとよくわかる。

 しかも彼は、小浜市で開催される懇親会の際、自らもお酒は好きなのに一滴も飲まない。会が終わってから嫌な顔一つせず、ホテルまで送り届けてくれるのだ。僕はいつも猛烈に感謝している。

 そんな彼が案内してくれたのは、「里山オーベルジュ藤屋」の料理長・森下大地さんだ。森下さんは高校卒業後、神奈川県茅ヶ崎市から、先に移住した父親を頼り小浜に移住してきた。

 最初は父親とカフェを営んでいたが、後に里山オーベルジュの系列企業である惣菜屋に就職する。この惣菜屋が、きっかけで料理の道に進むことになったのだそうだ。

 今年1月、僕が小浜市訪問4回目のとき、小浜市の生産者や料理人を集め、小浜食材で調理して意見交換するイベント、名付けて「小浜A級グルメナイト」がこの藤屋で開催された。
 このときに彼の作ってくれた華やいだ雰囲気の料理が、深く印象に残っている。

 僕は森下さんにたくさんの質問をした。
 小浜のよいところを尋ねると彼は、間髪置かず答えた。
 「とにかく、人が優しいんです、茅ヶ崎では経験がしなかったというか。小浜の人は恥ずかしがり屋な人が多いけれど、いったん仲良くなるとトコトン受け入れてくれるみたいな。うちの親父は小浜の別の地域に住んでいいますが、最初に住んだ地域では、今でも祭りに呼んでくれるんですよ。僕自身がそんな小浜にはまっちゃいまして(笑)」
 そして「小浜は食材が素晴らしい、伝統料理もたくさんありますし」とも。

 なぜ料理人になったかを聞いてみた。
 「小浜は共働き家庭が多く、惣菜がよく売れるんですよ、ただメインの食材は揚げ物が多く、食べてもらうお客様の体のことを考えると、小浜の食材を使って、体にやさしいものを追求したくなって、独学で料理を学びました」

 独学で学んで、あれだけの料理ができるとなれば、料理人がどこの店で働いていたとか、誰が師匠かなんて関係ないような気がしてきた。

 小浜市には食文化を伝えるために「御食国若狭おばま食文化館」という施設があって、今日、アテンドしてくれている奥城さんはそこに勤務している。
 彼の上司にあたる中田典子課長に聞くと、森下さんは当初、小浜の食文化を勉強するため、食文化館に通っていたんだそうだ。

 それにしてもこの「食文化館」は、料理教室から食文化の歴史を展示する会場まで、施設が驚くほど充実している。おそらく日本屈指の食の情報発信拠点だろう。
 邑南町の「食の学校」とは比べものならない(笑)。

 森下さんが独学で、小浜でも一流と目される藤屋の料理長に抜擢されるほど成長したのは、もちろん彼自身の努力が大きい。そのことに加えて、市自体が食のまちづくりを掲げてきたことも大きな要因だと僕は確信した。その象徴が「食の文化館」なのだ。

 だから食の起業家を生むスキームさえ作りだせば、森下さんに続く料理人が小浜から誕生することは間違いない。
 その日は遠くないと感じた。

 森下さんに料理人を育成してみる気持ちはあるかと聞いてみた。
 「自分自身、今現在でも試行錯誤してやっています、一緒に試行錯誤する仲間ができるとどんな楽しいか。小浜に研修制度ができれば、ぜひ、藤屋も協力させてもらいたいです」
 と力強い答が返ってきた。

 これで今回のミッションは完了だ。受け入れ先として2軒が協力してくれることになったし、あらたに「学費のかからない食の学校」という小浜モデルのスキームもできた。

 収穫は大きく大満足、と思っていたら、奥城さんが「寺本さん、もう一人会って欲しい人がいます」と言ってきた。

 僕はすでに確保したものの大きさと、スキームを複雑にしたくないという思いから、この提案は内心、遠慮したかった。
 だが、無口な奥城さんがせっかく提案してくれた案件だ。懇親会の送り迎えの恩もある。付き合わなくては男がすたる。(つづく)

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