コラム

週刊 寺本英仁「巻き込む力」と「ビレッジプライド」の育て方 第4号(HOLG版)

ビレッジプライド

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本記事では、有料メルマガ「週刊寺本英仁@島根県邑南町/「巻き込む力」と「ビレッジプライド」の育て方」の一部(A級グルメ連合についてのストーリー)をご覧いただけます。なお、掲載するメルマガは約3か月前に配信した内容です。最新かつ、全文の閲覧を希望する場合はコチラからお申込みください。

【第4号の目次(2019年7月3日配信)】
1.近況ーー母校 東京農業大学で講演会をしました
2.里山レストラン「香夢里」は立ち止まらない(4)
3.<A級グルメ連合>の仲間たち 小浜編(3)
4.著書の案内、質問募集!など

メルマガの一部をHOLG.jpに公開いただいています。

3.<A級グルメ連合>の仲間たち 小浜編(3)
=志を同じくする5市町の取り組みを連載形式で紹介していきます!

 福井県小浜市の「志積 まるごとプロジェクト」は、志積区に唯一残った民宿を改修して、「3世代が楽しめる」がコンセプトのオーベルジュ(宿泊設備を備えたレストラン)にするというもの。

 小浜市が参画している「にっぽんA級(永久)グルメのまち連合」(以下「A級グルメ連合」)は、邑南町のA級グルメ構想のノウハウを移築することを目指しているから、このオーベルジュが、全国から集めた研修生の実習の場となるのである。

 「志積 まるごとプロジェクト」は、骨格はできあがっているものの、肝心の研修生を指導できる料理人が見つかっていない。研修生の募集も進んでいない。

 「そこを寺本さんに考えて欲しいんですよ。料理人も誰かいませんか?」
 プロジェクトを進める御子柴&畑中コンビ(観光局と市役所の職員)と、地域のキーマンで事業家・安倍さんの3人から頼まれたのである。

 「A級グルメ連合」での僕の役目上、もっともな依頼だったが、これは難題だった。受け入れ体制など、まだまだ準備段階だからだ。
 僕は「今、料理人の研修生を東京で募集しても、準備段階で様子が伝えにくいので、料理人は見つからないのではないか」と、3人に正直に伝えた。

 邑南町でA級グルメ構想を進めて奮闘したときから僕は、事業者に何度も話を聞いて「この場所唯一の仕組み」を作るようにしている。

 今回、この3人からヒアリングをしたことを、掘り下げて磨き上げて整理してみると「地域愛」「小浜の豊かな食文化」「次世代に繋げたい」という3つの言葉が浮かんだ。
 僕は「もっと地元の若者に情報発信したらいいんじゃないか」と思ったが、料理人は都会からの移住者を呼んでくることが彼らの希望だから、話が若干ずれてくる。

 「待てよ。地元の高校生をいったん東京の飲食店で育成し、地元に返して、このオーベルジュで研修してもらえば、研修生募集も料理人探しも解決するんじゃないか?」
 思ったことを直ぐ口走ってしまうのは僕の悪い癖だが、思わず口に出た。すかさず畑中さんが「学費のかからない食の学校や」と反応してくれた。

 僕が口にしたのはこんなスキームである。
 まず、高校卒業後に1年間、東京の飲食店に就職してもらう。平行して「A級グルメ連合」の事務所がある千代田区のプラットホームサービスと連携、その事務所で空いた時間に経営学などを学んでもらう。
 そうやって1年間、実務経験と経営の知識を積んでから、小浜で料理人の研修生として「耕すシェフ」のように受け入れる。
 つまり、東京1年+小浜3年で、小浜A級グルメの伝道者を育てる仕組みである。

 思いつき段階の荒削りなスキームだが、こうなると僕は止まらない。「邑南町の発想にはない、小浜システムを作りましょう!」と勇んで3人に言った。

 御子柴さんが市の農林水産課長時代に手がけた鯖養殖事業のように、言葉は悪いが、小浜の若者が、この豊かな海と食文化の町で料理人として養殖されるイメージが浮かんでしまった。

 スキームが決まれば、後はその精度を上げていくだけである。このスキームの対象者は高校生だから、果たして高校生にそんなニーズがあるのか、僕は聞いてみたかった。

 翌日、さっそく畑中さんに母校・若狭東高校にアポをとってもらい、僕と御子柴さん、畑中さん、そして「A級グルメ連合」事務局の岡田くんの4人で向かった。

 若狭東高校は実学を重視する学校で、地域創造学科、生活創造学科、電気科、電子機械科、ビジネス情報科がある。とくに生活創造科は農業や家庭科の知識を総合的に学べる学科で、薬膳の授業もあり、料理人を希望する生徒もいると聞いた。

 卒業後、料理の専門学校に通うとなると年間の授業料が高額だから、学費の負担もなく、地元就職でもいったんは東京で学ぶことができれば、希望する方が学生もいるのではと卒直な意見をもらった。

 まさに、畑中さん命名の「学費のいらない食学校」である。6月までに学校に案内できる募集要項を作るように、ただちに頼んだ。
 受け入れ側のプラットホームサービスからは大方の内諾は受けていたものの、詳細は詰めていかったから、すぐ電話をして打ち合わせの日程を決めた。
 若狭東高校にいるうちに、ものごとがドンドン進んでいく。その様子に、周囲は目を丸くしているのが、なんだか心地よかった。僕のペースになってきたぞ。

 昨年発足した「A級グルメ連合」の初仕事となるのが、この小浜のプロジェクトである。正直なところ、僕にも若干、不安があった。「果たして邑南町のモデルが他の町で移築できるのか。それも、ただまねごとではなく、その町にあったスキームで」と心配したのだ。

 しかし、小浜に来てその不安は一掃された。その町にあったスキームは、僕が今まで邑南町でやってきたことを、同じように行えばいいのだ。

 つまり、地元の人に会い、熱い思いと地域のプライドを聞き出すまで、何度も話を掘り下げて聞いていく。その上で、具体的な問題点を洗い出し、解決する方法を見つけ出し、多くの人の協力とアイデアでブラッシュアップしていけばいいのである。それを誰よりも早く行うのがポイントだ。

 邑南町でやってきたことが通用するとわかって、やっと僕は安堵した。(つづく)

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