記事タイトル:今年も豊漁マグロ 「黒いダイヤ」、イワシに続き 県内、水揚げに独自ルール 定置漁業協、漁業者枠で独占回避
https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/2108875#google_vignette
(文=中村 広花)
さて今日のニュースはマグロについて。
福井県でも、連日マグロが定置網にたくさん入ってます。高浜町だけかな??
マグロは漁獲制限枠があって、その枠を使い切ってしまい、逃すしかなく、、、平均的に1日300万円ほどの水揚げがある大型定置の水揚げ額が、3万円ほどに…
石川県沖でも大型クロマグロの記録的な豊漁。
それに伴う漁獲枠管理(独自ルール新設)に関するニュースですね。「獲れすぎて困る(逃がさざるを得ない)」という一見贅沢な悩みの裏にある、資源管理の難しさと地域経済の持続可能性について考えなければなりません。
1. 豊漁がもたらす「ジレンマ」と制度の壁
漁業者にとって「黒いダイヤ」と呼ばれるクロマグロが網に入るのは本来喜ばしいことですが、現在の国際的な資源管理(WCPFC:中西部太平洋まぐろ類委員会)とそれに基づく国内の漁獲枠(TAC制度)のもとでは、「獲れすぎると漁期途中で操業停止(自粛)に追い込まれる」という大きなリスクを伴います。
昨年度のように夏場に全漁業者へ水揚げ自粛が求められると、クロマグロ以外の魚(ブリやアジなど)を狙って仕掛けている定置網を上げざるを得なくなったり、網にかかったマグロを傷つけずに海へ返すための多大な労力が発生したりと、経営的な打撃が大きくなります。
2. 石川県が導入した「独自ルール(個別割当)」の意義
今回、県定置漁業協会と県漁協が「漁業者ごとの漁獲枠(個別割当方式に近いもの)」を新設したことは、非常に迅速かつ合理的なリスクマネジメントであると評価できます。
• 「早い者勝ち(オリンピック方式)」の弊害防止:
これまでは、全体の枠に達する前に一気に獲ろうとする競争が生まれ、大型の設備を持つ事業者が枠を使い切ってしまう懸念がありました。
• 小規模事業者の経営安定と機会均等:
事業者ごとに枠を分けることで、体力のない小規模な漁業者も「自分たちのタイミング」で計画的に水揚げでき、市場への安定供給と価格の維持(暴落防止)につながります。
3. 今後の課題
① 現場の運用負荷と「混獲」のコントロール
定置網は「入ってきた魚を獲る」受動的な漁法であるため、いくら個別の枠を決めても、網の中にマグロが大量に入り続ける状況自体は止められません。枠を超えた分をいかに効率的に、魚体を傷つけずに放流(リリース)するかという、現場のオペレーションの確立や技術開発(網の工夫など)がさらに重要になります。
② 水産資源の「価値の最大化」(6次産業化・ブランディング)
漁獲量が制限されている以上、地域経済を潤すためには「量より質(単価)」をいかに高めるかが勝負になります。
• 高付加価値化:
ただ水揚げするだけでなく、船上での完璧な血抜き・神経締めによる品質向上、地域ブランドとしての認知度徹底。
• 観光・食文化との連動:
「今、最高のマグロが揚がっている」というストーリーを、地元の飲食店や旅館、ひいては都市部のシェフやバイヤーと繋ぎ、観光コンテンツとして昇華させる視点。
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