記事タイトル:石破首相、夏休み入り 図書館で本借りる
https://news.yahoo.co.jp/articles/fc01c6f8832a263725d41d37f85b8a192e183727
(文=西村 飛俊)
さて、今回はお盆の始まりに流れたニュースです。石破首相が国立国会図書館に立ち寄り、数冊の本を「借りて」首相公邸に戻ったと報じられました。実に夏休みらしいエピソードです。
……が、ここで皆さん、このニュースに違和感を覚えませんか?
「首相が本を借りた」――普通なら「ふーん、夏休みに読書か」と思うかもしれませんが、図書館好きや卒論で国会図書館にこもった経験のある方なら、「えっ、国会図書館って本を借りられるの?」と首をかしげたはず。
実は、国立国会図書館(NDL)は日本で最も厳格に「館外貸出禁止」を貫く図書館です。利用者カードを作って家に持ち帰ることはできません。国会議員であっても例外ではなく、原則は「館内で閲覧のみ」。法律上も国会議員だから、あるいは総理大臣だから貸し出してOKなどという根拠はありません。
これは国会図書館の使命に照らせば当然のことで、国会図書館は一度所蔵した資料は未来永劫保存することを目指しているんですね。なので万が一にも失くすような可能性は避けたいので、基本的に貸出不可ということになるのです。
というわけで、「首相がNDLで本を借りて公邸へ持ち帰った」という報道は、制度上は説明がつきません。さらに首相動静によれば、図書館滞在はわずか3分。通常なら請求から受け取りまで20分以上かかるところを、ほんの数分で済ませているのですから、あらかじめ準備されていた資料を受け取り、しかも持ち出すことを前提として用意されていたと考えるしかありません。
では、なぜそんなことができたのか。これはおそらく、省庁間貸出の延長として解釈されたんじゃないかな、というのが私見です。
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