『地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2025』、9人目の受賞者の紹介です。
※部署名役職名は推薦文登録時時点のものであり、現在とは異なる場合がございます。
上田 昌子(飛騨市 企画部 総合政策課 広報プロモーション係 主査)
推薦者1:伊藤 允一(瑞浪市)
取り組み概要、「すごい!」と思うポイント
『飛騨の魔法使い』~関係人口1.7万人を招喚せし公務員~
推薦文
飛騨市役所の上田昌子さんは、笑顔と戦略で「関係人口」という言葉に命を吹き込み、まちのファンを溢れさせた『飛騨の魔法使い』だ。
2017年に創設した「飛騨市ファンクラブ」は、単なる情報発信でなく対話と工夫でファン獲得に大きく貢献し、今では会員数が1.7万人(飛騨市の人口2.1万人)という巨大コミュニティへと成長させた。2025年にはPeatixアワードも受賞。
2020年には都市住民が地域課題を“手伝いに来る”仕組み「ヒダスケ!」の創設にも参画。現在では、年間1,500人が飛騨市を訪れ、飛騨市民の「困りごと」と、参加者の「お助け」を循環させることで、地域との交流と支え合いを創出。この取組は、グッドデザイン賞、まちづくりアワード国土大臣賞、グッドライフアワード環境大臣賞、など名だたる賞を次々と受賞し、全国の注目を集めた。
国が導入予定の「ふるさと住民登録制度」になり得る施策を、すでにファンクラブやヒダスケ!を通じて先行実践中であり、地域外に暮らしながら深く関わる“もうひとつのふるさと”を築くモデルを、自走型で確立している点も素晴らしい。
しかし、彼女は成果について、「関わってくださる皆さんのおかげです」と語る。自らを主語にせず、常に仲間と地域の力を信じるその姿勢が、人を惹きつける最大の魔法なのかもしれない。
さらに、ふるさと納税では、楽天グループ㈱や市内事業者と二人三脚で取り組み、担当4年で寄付額を3.5億から18億に伸ばす離れ業を披露し、広報の現場でも、2024年にPRTIMESプレスリリースアワードを受賞。他にも関係人口に関する論文発表・書籍出版までやってのけるなど、なお進化を続ける飛騨市の顔だ。
「関係性がまちを育てる」という信念のもと、地域に人を呼び、心を動かし、まちに魔法をかけていく。そんな唯一無二の公務員に、拍手と敬意を込めて推薦したい。
推薦者2:西村 飛俊(一宮市)
取り組み概要、「すごい!」と思うポイント
全国の関係人口を巻き込み、年間20億円のふるさと納税の革命の始まりは、「しょうこちゃん」の歩幅から
推薦文
全国の関係人口を巻き込み、年間20億円を達成するふるさと納税の革命は、「しょうこちゃん」の歩幅からはじまりました。
飛騨市職員・上田昌子さんは、地域に暮らす一人ひとりと日々笑顔で声を交わす、まちに深く根ざした存在です。まちを歩けば三歩ごとに「しょうこちゃ〜ん!」と声がかかる光景は、地域に愛されてきた彼女の日常の積み重ねの証。その地域からの愛され力が、全国を巻き込む大きなうねりへと変わっていきました。
上田さんが立ち上げた関係人口プラットフォーム「ヒダスケ!」は、地域の困りごとを外の人が手伝う仕組みで、年間1,500人が参加する全国有数の事例に成長。地域と外部をつなぐ交流の拠点「飛騨市ファンクラブ」も1万人規模となり、全国に飛騨のファンを増やしてきました。さらに、「おっちゃんレンタル」や「特産品ガチャ」などユニークな返礼品を企画し、飛騨市のふるさと納税受入額は年間20億円超に。これらの取り組みはグッドデザイン賞にも選ばれました。
特筆すべきは、市長の“無茶ぶり”を前向きに受け止める「おもしろがり力」。飛騨市の都竹市長もユニークな市政で有名ですが、上田さんと市長ほか共著の『飛騨発つながりづくりイノベーション』では、市長の無茶ぶりを受け止めて奔走する上田さんの姿がよく描かれています。無茶ぶりとは思いつつ、おもしろがる。その姿勢が挑戦を楽しみに変え、仕組みづくりを前進させてきました。「自治体がグッドデザイン賞を取ったらおもしろいよね」という発想すら、地域にとっての原動力になるのです。
上田さんは決して前に出るタイプではありませんが、誰よりもまちをよく知り、人に信頼され、その関係性を育て続けてきました。イノベーションとは、特別な技術や制度ではなく、日々まちに暮らす・関わる人の笑顔の中から生まれるもの――それを体現しているのが上田昌子さんであり、それこそが公務員の本質だと感じます。
推薦者3:出嶋 秀章(飛騨市)
取り組み概要、「すごい!」と思うポイント
関係人口づくりといえばこの人!全国に17,000の”飛騨市が好き”を生み出した立役者
推薦文
飛騨市では「飛騨市ファンクラブ」をはじめ、「ヒダスケ!」やふるさと納税返礼品の“おっちゃんレンタル”など、全国に先駆けてユニークな取り組みを展開しており、その中心には常に上田昌子さんの存在があります。
平成29年に始動した飛騨市ファンクラブは、上田さんの尽力により47都道府県に17,000人を超える会員を有するまでに成長。SNSでの発信、ファンの集いの開催など、会員拡大と定着に向けた数々の工夫を重ねてきました。さらに、クラブ内に部活動を設けたり、「おでかけファンクラブ」を実施するなど、会員の声を大切にした多彩なイベントの企画・運営に積極的に取り組まれました。
また、会員の「もっと深く関わりたい」という声を受けて誕生したのが「ヒダスケ!」です。地域の困りごとに地域外の人が手伝うという関係人口づくりの新たなモデルで、上田さんは立ち上げから関わっています。全国でも稀有な事例として注目され、2021年度グッドデザイン賞をはじめ計6つの賞を受賞しました。関係人口の面白い取り組みが全国各地で展開されることを願い、全国からの視察受入や市外への情報発信にも力を入れています。
ふるさと納税では、市内事業者と二人三脚で取り組み、3.5億円から18億円まで伸ばし、ふるさと納税からのファン拡大にも取り組んでいます。
上田さんは市長からの難しい要望にも柔軟に応え、常に前向きに物事を形にしていく姿勢は、多くの関係者に信頼と希望を与えてきました。
現在は広報部局に所属し全庁の広報力アップに取り組み、令和6年度にはプレスリリースアワード2024ローカル賞を受賞。また、業務外では探究型学習のメンターとして中高生の育成にも関わるなど、未来の地域づくりを見据えた活動にも取り組まれています。
関係人口の分野を超え、多方面で地域に貢献し続ける上田昌子さんは、本賞にふさわしい人物であると確信し、心から推薦いたします。
審査員のコメント
日本全国で掛け声倒れに終る関係人口を、現実の力に変えている&おっちゃんレンタルや物産品ガチャなど奇抜なふるさと納税返礼品でふるさと納税受入額を5倍増にまで増やした企画力・実行力が凄い!(海老澤 功)
「関係性がまちを育てる」という信念のもと、制度ではなく“人の心”を動かし続けてきた実践者。全国の先駆事例となった「ヒダスケ!」や「ファンクラブ」の創設、ふるさと納税18億円の成果など、戦略と共感を両立させる稀有な力に敬意。人と地域を信じ抜く姿勢こそが、彼女の最大の力です。(橋本 一磨)
ファンづくりに必要な「愛され力」が圧倒的に高い!困難な仕事もきっと素敵な笑顔で乗り越えているはず。推薦文を読んで会ってみたいと思いました。(小野寺 崇)
課題解決の仕組みとして、「手伝いにくる仕組み」をキッチリとカタチにするのはスゴすぎる!全国各地で多くの人たちが着想には至ったと思いますが、なかなかカタチにできなかったと思います。
推薦文にもあるとおり、「イノベーション(のもとになる課題感)は日常の中から生まれるもの」だと私も思っているので、「誰よりもまちをよく知り、人に信頼され」というのが本当に上田さんのスゴさの源なんだろうなと感じました。(市橋 哲順)
まちのファンづくりを自らが1番のファンになることで実現しているのだと思います。そんな本人さんのファンが町中にあふれていることが素晴らしいです。(中村 広花)
「ヒダスケ!」や「おっちゃんレンタル」などネーミングセンス抜群で仕組みも秀逸。しかも、人口2.1万人のまちで年間1500人が参加するなど、しっかりと成果も上げていてすごいです。(安高 昌輝)
上田 昌子さん、受賞おめでとうございます!
【地方公務員アワード2025 受賞者の推薦文はこちら】
(1)齋藤 久光 (2)和田 真人 (3)鈴木 満明 (4)油谷 百合子
(5)木下 義昭 (6)天野 博之 (7)朝比奈 克至 (8)村田 大地
(9)上田 昌子 (10)沼 泰弘 (11)及川 慎太郎 (12)横井 直人
【ネクストホープ賞(30歳以下)受賞者の推薦文はこちら】
『地方公務員アワード2025』全体発表はコチラ
協賛

NECグループの社会価値創造をICTで実現する中核会社であり、システムの実装に強みがあります。社内のDXにも継続的に取り組み、その経験を活かし、お客様や社会のDX推進に貢献しています。そして、国内トップクラスの10,000人を超えるエンジニアを擁する企業として、社会基盤をICTで支えるとともに、お客様の企業価値向上や社会課題解決に貢献するSI・サービスを全国で提供しています。

「行動者発の情報が、人の心を揺さぶる時代へ」をミッションに掲げ、企業とメディア、生活者をつなぐインターネットサービス「PR TIMES」を運営し、地方自治体600市区町村を含む10万社超が利用。地域情報を流通させる為の枠組みづくりとして、47都道府県で銀行、メディア、自治体と提携をし、各地域事業者の情報発信を支援しています。(R7年5月時点)

「AlphaDrive Region」では、地域の可能性を信じて、地域の企業や自治体向けに新規事業開発・人材育成・組織活性化などをご支援いたしております。地域ならではの難しい課題解決に日々向き合う方々の仲間として、共に考えながら伴走支援を行なっております。「地域の未来」を一緒に創っていきましょう。
-300x270.png)
自治体と企業の連携を創出する官民連携事業を展開しています。自治体が抱える社会課題解決に向け、両者の間に入り「導き役」として事業の伴走をし、善き前例をともにつくり、持続可能なまちづくりを推進しています。自治体と企業の強みとニーズ、双方の利益を考え、官民連携の計画から実行、伴走までを行います。

自治体業務において、各種実績をもつ元公務員メンバーを中心に、ふるさと納税・シティプロ・広報支援等を実施。課題抽出・戦略立案といったコンサルティング機能だけでなく、業務実施を担う実働部隊も兼ね備え、地域ごとの課題や理想に伴走。会社の詳細はこちら(https://locusbridge.jp/)

公職研は1971年創業の地方自治専門の出版社です。自治体職員や地方自治関連の出版に加え、人材採用や人材育成、試験制度、研修制度など人事に関わる幅広いテーマで、実務に即した支援を通じて自治体の組織力強化をサポートしています。
自治体の採用業務を支援する、募集情報発信サイト「公務comcom」も運営しております。

「持続可能な地域を、みんなと一緒に」NTT西日本グループの知見を活かした一気通貫の地域創生コンサルティングにより、「課題探索」から「社会実装」まで伴走する「地域創生」専門の研究所です。まちづくりや観光、GX(グリーントランスフォーメーション)、医療分野などを中心に、地域創生Coデザイン研究所は自治体や企業など地域の主体の皆さまと共に、地域課題の解決をめざしています。
メディア協賛


『自治体通信』は、イシン株式会社が運営する、経営感覚をもって課題解決に取り組む自治体とそれをサポートする民間企業を紹介する情報誌です。全国の都道府県市区町村を中心に合計約30,000部を送付しています。先進自治体の具体的な取り組みをはじめ、自治体経営に役立つ情報をお届けします。

株式会社ジチタイワークスが編集・制作する「ヒントとアイデアを集める行政マガジン」を毎号約11.5万部発行し、WEB版でも限定コンテンツを展開!仕事に活かせる事例を丁寧に取材・紹介し、自治体の課題解決を強力に後押し。また、公私に寄り添う公務員向けセミナーも好評です。

『マイ広報紙』は、毎月1000以上の自治体広報紙を記事ごとにテキストデータ化し公開するプラットフォームです。
自治体毎の情報が1つに詰まった自治体ページや多言語翻訳・音声読み上げ機能、ウェブアクセシビリティ対応など、どなたにも見やすく伝わる広報の実現を目指しています。(運営:スパイラル株式会社)
後援

当センターは活力あふれ個性豊かな地域社会を実現するため、地域活性化のための諸活動の支援・地域振興の推進を寄与することを目的に設立し、地域を応援しています。

地域に飛び出す公務員を応援するために、約50人の首長が参加。過去4回にわたって「地域に飛び出す公務員アウォード」を主宰。過去の受賞者プレゼンやサミットの内容はこちら。
![JL-01-Mark-[更新済み]_03](https://www.holg.jp/wp-content/uploads/2019/07/JL-01-Mark-更新済み_03-291x300.png)
Jリーグと全国60のJクラブは地域の人たちをハッピーにしたいと願って、社会連携活動「シャレン!」をおこなってきました。これからもより多くの皆さんと手を取り合って一緒に豊かなまちをつくることに挑戦します。

格闘家・桜庭和志が立ち上げた打撃のない安全な組み技競技ブランド。老若男女が取り組める健康増進・防犯対策として、過去に秋田県、生駒市、潟上市と「ねわざ祭」を開催。全国の自治体とも連携を図っています。

Code for Japanは街の課題を市民が主体となってテクノロジーで解決することを目指すシビックテック・コミュニティです。

「社会の無関心を打破する」をミッションに、社会問題に関するスタディツアーを企画運営。地域住民向けにツアー企画スクールを開催し、外部事業者に頼ることのない、持続的な関係人口の創出に貢献しています。詳細はこちら。

マッセOSAKAでは、大阪府内市町村職員に対する研修事業や広域的な行政課題についての調査・研究事業を実施しています。
最新の刊行物、研究成果等詳細についてはこちら。
アンバサダー
