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このままいったらこの国がなくなる-石破茂#2

石破茂2

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石破氏:21世紀という時代を一言でざっくり言っちゃうと、世界の人口が倍になって、日本の人口が半分になる。そのことをよく念頭に置いてください。世界の人口は倍になります。日本の人口は半分になります。これが全ての前提だと思っております。
 今我が国は1年に45万人ずつ人口が減っていますが、こんなものはまだ序の口で、これから1年に100万人減る時代に入ってまいります。昭和22年、23年、24年っていったら私よりも10歳以上上の世代ですが、今の3倍産まれていました。270万人ぐらいです。この世代の方々も不老不死ではない。このボリュームゾーンの方々も、いつか亡くなる日が来るのだ、ということです。

 日本人は1億2700万ぐらいいるんですが、このままであと80年経って西暦2100年になると、5200万人になることはご存知ですよね。あと80年で日本人は半分になる。200年経つと1391万人で10分の1。300年経つと423万人になり、30分の1になるということです。
 このままいけば必ずそうなります。日本人が5000万人を超えたのは、明治の終わりの話で、「そのころに戻るんだろう」と言う人がありますが、それは違います。明治の終わりの5000万人ってのは、若い人がいっぱいいて、年を重ねるにつれて人が減るという、正三角形みたいな5000万人でしたが、これからはその逆です。若い人が少なくて高齢者が多い。
 そりゃこのままじゃ福祉は成り立たないですよ。あと20年後、2040年。人口はたぶん1500万人ぐらい減っております。その頃は高齢者の数も、高齢化もピークです。介護にかかるお金は今の2.4倍になります。医療にかかるお金は1.7倍になります。このままではもたないです。

 と、日本全体の話をしてもなんのことだかよくわからない。「はあそうかね」って、漠然たる感じしかないと思いますが、日本全体で1718市町村あります。皆さま方の、海南市なら海南市で、小林市なら小林市で、西之表市なら西之表市で、じゃあ一体、私の市はどうなるの、私の町は、村はどうなるの、というミクロの積み上げでないと、ほとんど意味がない。

 日本の人口はこれからものすごい勢いで減るのです。世界の先進国の中で、人口が減る国ってのは、3か国しかない。日本、韓国、ドイツ。これだけしか減りません。先進国はどんどん人口が減って、高齢化するんだよって、それは嘘です。人口が減るのは日本と韓国とドイツしかありません。

 フランスもイギリスもイタリアも増える。アメリカにいたっては2060年で、あと40年ですかね、人口4割増しみたいな話です。先進国になれば人口は減り、高齢化する。嘘です。首都一極集中ってのも、ほぼ日本と韓国だけの現象です。首都に人がやたらと集まり、地方は疲弊してるようなところは世界のどこにあるんですか。フランスがそうですか? ドイツがそうですか? イタリアがそうですか? そうではないのであります。

 こういうふうに人口がものすごく減っていくということを当たり前だと思ってはいけない。これはいろいろな理由があるのですが、結婚する人が減った。しても年齢がどんどん遅くなる。一番赤ちゃんが産まれない東京にどんどん人が集まる。この3つが組み合わさって、人口が減る、ということです。

 これは日本特有の現象であって、このままいったらこの国がなくなる。これをどうしようかっていうのが、我々の一番の課題であって、今さえよければいいとか、自分さえよければいいとか、そんな話にはならないのであります。

 徳川時代300年のキーワードはたった1つ、「天下泰平」。でした世の中は安定していることが一番いいのだ、ということでした。そのためには江戸に過度に人口が集中してはいけない、人と物が流通しすぎてはいけない、ということで大井川に橋はかからなかったし、舟は帆柱が1本に制限をされたし、あっちこっちに関所を作った。「天下泰平」というキーワードの通り、徳川時代は300年泰平で続いたが、黒船がやってきて、こりゃ大変。このままだと西洋列強の植民地になるぞ、ということで、キーワードがガラッと変わったんですね。「富国強兵」になった。

 強い国を作ろう。そのためには、短い間に経済が成長できる仕組みを作ろう。それが東京一極集中だったんですね。それがものの見事に功を奏して、日本の国は強い国になり、日清戦争に勝ち、日露戦争に勝ったが、太平洋戦争でコテンパンに負けた。
 私はよく若い人たちに、安全保障はなんの本を読んだらいいですかって聞かれるんで、前の前の東京都知事、猪瀬直樹さんの「昭和16年夏の敗戦 日本人はなぜ戦争をしたか」この本だけは読んでね、というふうに申し上げております。文春文庫で出てますから、いつでも手に入ります。「昭和20年夏の敗戦」ではない。「昭和16年夏の敗戦」です。

 いよいよ日米開戦必至だというような時代に、帝国政府は今のキャピトルホテル東急のあたりに、総力戦研究所というシンクタンクを作った。ありとあらゆる官庁、同盟通信社、日本銀行、陸軍、海軍から、ちょうど皆さん方みたいな30代くらいの最もできる人間を集めて、日本とアメリカが戦争したらどうなるか、今でいうシミュレーションというものをやった。

 昭和16年の夏に、結論が出た。なにをやっても対米戦争は絶対に勝てない。どんな理由があってもこの戦争だけはしてはいけない、ということだった。だけど、陸軍にしても海軍にしても、これだけ予算をとって、軍艦を作り、戦闘機を作り、戦車を作り、今さら戦争ができないなんてことは言えない。

 マスコミは部数を上げるために散々戦争を煽ったので、気がついたらもう、引っ込みがつかないことになっていて、結局日米開戦になっちゃった。国民はなんにも知らなかった。自動車の生産台数は、アメリカは日本の百倍あった、GDPは日本の10倍あった。戦争を続ければ続けるほどその格差は広がることを、誰も知らなかった。

 「鬼畜米英、何するものぞ」。そういって、日本の国は焦土と化した。情報を知らないというのはそういうことだと私は思っています。民主主義が機能するためには、大きな前提があるんです。まず、参加する資格を持った人が大勢参加しないと民主主義は機能しない。これだけガタガタに投票率が下がっている現状をどう考えるか。

 そして、反対でも賛成でもいいけども、自分の都合のいい情報にばっかり接していると、物事の判断を誤る。賛否両方の情報をきちんと有権者に与えなければいけない。そして少数意見を尊重しなければいけない。これが二つめです。

 なんにしても正確な情報が共有されることは極めて大事なことで、行政が適正に執行されたかをみるために公文書は残さなければならない。公文書を捨てちゃったとか、隠蔽するとか、そういうことは行政そのものがおかしくなったということ以外の何ものでもない。そんなことやってはいけない。それは国家・国民にとってちっともいい話ではない、ということなのであります。
(写真 = 荒井勇紀)

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