主張・意見

コンクリートミキサー車と連携した消火用水供給支援訓練の実施[広島県 福山地区消防組合]

総務省消防庁コラム1

 

(記事提供=総務省消防庁 広報誌『消防の動き』

1 はじめに

 福山地区消防組合は広島県の東南端で、瀬戸内海沿岸のほぼ中央部に位置し、岡山県と境界を接し、南は燧灘を隔てて愛媛県に対しています。

 福山市・府中市・神石高原町の2市1町で構成され、管轄する地域は東西に約35km、南北に約61kmにわたり、面積は1,095.87km²と広大な範囲となります。

福山市の位置

福山市の位置

 当消防組合は、平成26年8月豪雨の際に被災した広島市に対して、消防庁の無償貸付車両である無線中継車を出動させて、全国で初めて現地から災害映像のリアルタイム配信等を実施しました。

 その後も、緊急消防援助隊広島県隊の通信支援小隊として、熊本地震や九州北部豪雨など、昨今連続して発生する大規模災害に出動し、広域的な災害対応を行っています。

管内図

管内図

 また、CAFS装置搭載消防ポンプ付救助工作車、CAFS装置搭載13mブーム付多目的消防ポンプ自動車、CAFS装置搭載消防ポンプ付はしご自動車を順次導入し、1台の車両で多種別の災害に対応できる多機能車両の導入を進めています。あわせて、災害に応じた隊員の乗換運用を実施するという計画を樹立し、車両の導入・運用コストを削減するとともに、隊員の技術力を向上させるという取組を展開しています。

 現在は、これら最新の車両を活用して、消防活動をより高度化させることを目指して、日々取り組んでいます。

2 訓練の計画から実施まで

(1) 訓練のきっかけ

 当消防組合管内では、平成20年に公開された映画「崖の上のポニョ」で宮崎駿監督が構想を練った地として有名になった「鞆の浦」の周辺地区が、平成29年に重要伝統的建造物群保存地区に指定され、観光地としてもにぎわいを見せるなか、木造建物密集地における大規模火災への対策を進めているところです。

 こうしたなか、広島県東部生コンクリート共同組合(以下「生コン組合」という。)と、平成30年3月に「大規模火災時における消火用水の供給支援に関する協定」を締結し、木造建物密集地も含めた大規模火災時の水利確保の体制強化を図ったところです。

 協定の締結から一定期間が経過し、この協定に関して生コン組合と協議をするなかで、生コン組合側として、消防ポンプ自動車がどのような形で放水をするのか、どのくらいの時間でどのくらいの量を放水できるのかなど、細かな疑問を投げ掛けられました。また、消防側としても、コンクリートミキサー車(以下「ミキサー車」という。)に給水する場合の詳細な手順や禁忌事項について疑問があり、この両者の中にある疑問を解決するため、早期に訓練を実施する方向で一致し、実現に至りました。

鞆の浦からの眺望(福禅寺・対潮楼)

鞆の浦からの眺望(福禅寺・対潮楼)

 

(2) 訓練の計画に当たって工夫した点

① 民間業者が保有するミキサー車を利用して訓練を実施するため、相手方の業務に与える影響を最小限にすることを第1優先とし、短時間で効率よく訓練を実施できるような内容にすることを心掛けました。

② ミキサー車の稼動が減る時期や時間帯、訓練参加できる台数などを詳細に打ち合わせ、万が一の事故等を防止するため、障害物が少ない広い会場を準備した上で、訓練会場内でもミキサー車が効率的に移動できる動線を検討し、ドライバーの負担が少なくなる工夫や応援要請から給水・供給までのイメージを把握しやすいシナリオの作成に努め、消防関係者ではなくても内容が理解できるよう工夫をしました。

③ 災害時に消防がどのような情報のやりとりをしているかを知っていただくために、消防無線の受信機を貸し出し、訓練中の無線交信を聞いていただきました。

事前説明会

事前説明会

(3) 訓練の実施に当たって工夫した点

 訓練の開始に先立ち、生コン組合からミキサー車に関する説明会を実施していただき、車両の構造や給水に際して注意する点などをあらかじめ理解した上で訓練を実施することにより、効率的かつ安全に訓練を実施することができました。

ミキサー車による消火用水の供給

ミキサー車による消火用水の供給

3 訓練の成果と課題

(1) 成果

 両者が抱いていた疑問を解消することができ、協定の内容をより深く理解するよい機会となりました。また、より迅速に、そしてより安全に消火用水を供給するためのポイントなど、協定に記載のない有効な情報を得ることができました。

(2) 課題

 本訓練は、短時間で効率的かつ安全に実施するため、とてもよい条件の下で実施しましたが、実災害の場合には、道路状況や活動場所の条件がよいとは限らないため、 悪条件を想定した訓練の実施など、引き続き検討が必要です。

4 おわりに

 本訓練では、日頃なじみのないミキサー車の性能を学ぶとともに、その有効性や、連携時に留意しなければならない点などを確認することができ、とても有意義な訓練となりました。

 今後も、関係機関との連携強化を図り、災害対応能力の向上に努めてまいります。

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