インタビュー

【神奈川県庁 脇雅昭氏:第4話】公務員がカッコイイと思われる世の中を創りたい

脇雅昭TOP4

公務員がカッコイイと思われる世の中を創りたい

加藤:脇さんは「公務員がカッコイイと思われる世の中」を創りたいとお話しているじゃないですか。なぜ、そう思っているんですか?

脇氏:昨日、福井に行っていたんですけど「公務員にも、こんな感じの人がいるんですね」って好意的に言ってもらえたんですね。実際には、普通の人が公務員に触れる機会がない。

加藤:本当にないと思います。

若くて想いある人の選択肢から公務員が消える

脇氏:世の中的に、公務員って定時勤務だとか安定とか、なんかちょっと悪いイメージですよね。怠けているイメージ(笑)。マスメディアから流れてくる情報を見ていて、「公務員ってどうせそんな奴だな」って思われている。

 そうすると、「この国を良くしていこう!」とか、「人のためにやってこうぜ!」って若くて想いある人は、「公務員なんかになったら、おしまいだ」と思って、選択肢から公務員が消える。そうしたら、「9時17時最高! 安定最高!」って人たちだけが集まってきちゃいますよね。

 マスコミの人たちはマスコミの人たちで、想いを持って、世の中のために正義感を持ってやっているのかもしれない。だけど、結果として何が生まれているかっていうと、一生懸命「公務員ダメだキャンペーン」をやっていますよね。

頑張っていない公務員は ボコボコに叩いていい

脇氏:それに対して、できることないかなって思っているんです。いまはマスメディアだけじゃなくて、インターネットメディアもあるし、誰でも発信できるような時代だからこそ、「本当は公務員って、カッコイイんだぜ!」って広めたい。

 まさに、この『holg.jp』、すげー良いメディアだと思うから、もっとガンガン世の中に広まってほしい。この前、『Forbes JAPAN』も地方特集なんかをしてくれていますよね。そういう良い公務員を取り上げてくれるメディアが増えたらなと。

 もちろん、頑張っていない公務員や悪いことをしている公務員がいたら、ボコボコに叩いてもらっていいんだけど(笑)。でも、それは将来を担う若者に、それが公務員だと思われてしまうリスクも含んでいるということをわかりながら、やって行ってほしいなと。そういう意味でも、頑張っている人たちには、もっと世の中に出て、「おおーすげー!」って称賛浴びてもいいんじゃないかなって。

神奈川県庁での仕事

加藤:神奈川県庁は、5年目ですよね。今までどういう仕事をしてきましたか?

脇氏:最初は広域連携課ってところに8か月。そこで県単独でできないような、他の自治体と連携していくような仕事の調整をしていました。例えば、排気ガス規制を神奈川県だけでやっていても、神奈川県を迂回されてしまうだけ。だから、「関東全体で、やっていきましょう」って仕事をしていました。

 次の年に国際課に1年。例えば、外国語しかわからない住民の方でも、医療を受けやすくするために、『医療通訳制度』っていうのを作っていったりしていました。その後2年間、国際観光課でインバウンド関連をやっていました。今年の4月から市町村課ですね。

神奈川県庁 庁舎

神奈川県庁 庁舎

行政だけじゃ世の中を良くできない

加藤:ご自身の中で、「これが成果だ」と思えたことは、何でしょうか?

脇氏:成果としてわかりやすいのは、この2年間でいろいろな協定を結んだことかもしれないです。僕は行政だけじゃ世の中を良くできないと思っているので、『行政×民間』でやっていきたいと思っているんです。観光は民間と一緒にやれることが多い領域でしたので、それぞれが持っている力を出し合いましょうという感じでした。

加藤:それは、例えばどういう協定なんですか?

脇氏:いろいろある中の一つは、ベトナムのH.I.Sで働いているベトナム人の方に、神奈川県庁で働いてもらっているんです。しかも、給料はあっちに持ってもらっているんですね。

BIG BONSAI

脇氏:結局、観光地は海外の人に見てもらうのが一番だと思っていて、「外国人観光客を誘客しましょう」、「プロモーションします」って言ったときに、日本人じゃどうプロモーションしていいかってわかんない。エゴになっちゃうんです。

 この前、小田原城の天守閣が新しくなって、天守閣を取材してほしいと思って、ベトナムの新聞社の編集長を呼んだんです。その人に来てもらって、天守閣に向かって行こうとしていたら、彼があるでっかい木の前で止まって「WOW!BIG BONSAI!(盆栽)」って言っていて(笑)。

脇雅昭4-2

加藤:面白い(笑)。

脇氏:あとから、その木を調べたら、樹齢400年の木で、それが折れそうになっているのを鉄骨で支えている。それが、盆栽に見えたと。それで、「日本ってすげーな、そんな古いものを大事にしてるんだ」って感動したらしいんです。

 だから、新聞の紙面はほとんど4分の3以上が「日本ってすげー、古きものを大切にしてるよ」と。で、一番下にちょっと「天守閣もあるよ」みたいな(笑)。この感覚って日本人じゃ絶対できないわけです。

 インバウンドって、外の人たちから見てもらうことによって、僕らが本来持っている『価値』の再定義化をしてもらっているんです。一見、『無価値』なものの『価値化』というか、そういうことをやる作業なんだなと思ったんですね。

 だって、僕らから見たら、ただの木じゃないですか。でも、実は、その人たちから見たら、ただの木じゃなくて『価値』だったんです。

 こういったものって、観光的要素だけでなく、今の日本にいっぱいあるんだろうなって。日本人が持っている力だって、まだまだ価値化しきれていないと思っています。

 今の時代は、何か新しいものをどんどん求めていっているような気もしますが、そうではなく、僕らが見逃している価値、そういったものを、もう一度見直して価値化していくこと、『無価値の価値化』に色んな方々を巻き込みながら、もっと取り組んでいきたいなと思っています。

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※本インタビューは全7話です

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