インタビュー

【弘前市 佐々木絵理氏:第4話】若手が役所でやりたいことをするには

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1年目は超つまらない仕事だと思った

加藤:部署異動はいままでありましたか?

佐々木氏:入庁してから4年同じです。

加藤:最初はどういう業務だったんでしょうか。

佐々木氏:1年目の時は、本当に誰でもできるルーティンワークみたいな感じの仕事がメインでしたね。施設の光熱水費の支払いとか、施設利用の減免申請書の処理とか。

加藤:実際にその中で充実したことや、辛かったことはありましたか。

佐々木氏:1年目は本当に嫌だったし、「超つまらない仕事だな」としか思わなかったですね(笑)。奇跡的に、1年目から自分の興味のある部署に配属されたのはよかったけど、自分のやりたい仕事をはじめからやらせてもらえるわけでもないし、「こういう風にやれたらいいな」と考えていても、なかなか1年目で、しかも、そもそも役所の仕組みや仕事のルールも知らない中で、自分がやりたいことを任せてもらったり、何かを変えたりとかできないじゃないですか(笑)。

同じような仕事を毎日毎日やって、「自分が今やっていることは、なにか地域に貢献できているのか」ってすごく疑問に思っていて、大学の恩師にも「いま君がやっていることは仕事じゃなくて作業だからね」って言われて(笑)、「うーん」ってものすごく悩んで・・・。この期間は本当に辛かったです。

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ルーティン作業をする中でも、組織の文化や判断基準がわかるようになる

佐々木氏:でも、その作業の中で見えてくるものもやっぱりあって、その期間はすごくきつかったですけど、そういう経験ができたから、「じゃあ今、自分が置かれている立場や状況で何ができるのか、どうすればいいか」って真剣に考えることもできました。

自分がやりたいことができないから、どうこう言うんじゃなくて、「今、自分が思っているものを実現するためには、何が必要か」とか、「今すぐ組織の中でできないとしても、将来それができるようにするためには、今の自分はどう行動すればいいか」ということを考えて、とにかく実践してみようと思えるきっかけになりました。

ルーティンワークに近い仕事をしていてもその中で感じるものもあるし、組織文化を知ることで、「どういう風に動いたら自分のやりたいことができるか」とか、「決裁をする人はどういう考えで判断するのか」とかも、だんだん意識できるようになってきた気がします(笑)。

周りを見ていても、採用1年2年3年ってなかなか自分のやりたい仕事はできないですよね。私の場合は2年目の時からある程度、自分がやりたい仕事を任せてもらえたのはすごく運が良かったし、上司にも本当に感謝していますが、この先人事異動で部署が変わってまた同じような状況になったら、このときの気持ちを思い出せればいいなと思っています。

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若手のモチベーションが下がることは組織の損失

佐々木氏:あと、私も4年目になるので、組織の中の人間として向き合っていくべきだと思うのは、若手のモチベーションだと思っています。それぞれ得意とするスキルや素晴らしい能力を持っている人であれば尚更、「仕事が嫌だな」「このままここで働いていてもいいのかな」「やりたいことがあっても、仕事に忙殺されてできない」って思ったり、想いや熱意が空回りして、組織への諦めや組織内での良い関係づくりができなかったりと、モチベーションがどんどん下がってしまう人もいると思います。それは組織にとっての損失だと思うし、どうにかできればいいなって気持ちはあります。

加藤:周りの方のモチベーションは入ってきた時から、ちょっとずつ下がっていくことが多い印象ですか?

佐々木氏:「自分はこれがやりたいから」という想いがメインで入ってきて、それができないことに我慢ができなかったり、「組織の中では、なかなかものごとは動かない」という前提があまり理解できなかったりする人は、その落差も大きい傾向があるのかなと思います。

若手が役所でやりたいことをするには

加藤:佐々木さんの場合は、今は自分がやりたいことをやれるようになってきました。どうやってそういう状況に持っていったんですか?

佐々木氏:自分がやりたいことに関しては、自分の上司の係長とか、課長とか、部長とかにも貪欲に話をしにいきました(笑)。プライベートの時間を使ってでも現場に足を運んで、そこの地域の人と対話をする。関連する本を読んで勉強会へも足を運ぶ。そうした積み重ねをして、「地域側の方の考えていることはこうだと思う」「この仕事はもっとこういう風に進めたら良くなる」「自分はこういうことをやりたい」ということを伝え、さらに、「どうすればそこで自分が貢献できるか」という話をしていました。

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それを対話と言うかはわからないですが、話はすごく沢山しました。もちろん、否定されることも沢山ありましたが・・・。でも、それすら恐れていては、相手の考えを知ることもできないし、状況は全く変わらないですよね。

あとは、私が1年目の時の課長が、かなり地域に飛び出していくタイプの公務員だったこともあって、課長が行く場に「私も見に行きたいです」ってどんどんどんどん、貪欲にそういう場について行って、経験や人との出会いを積み重ねていったというのもあるかもしれないですね(笑)。

加藤:動くことが大きかった・・・。

佐々木氏:そうですね、自分の目指すゴールに到達するまでには、なかなか真っ直ぐにはいかないと思いますけど、『今自分ができる範囲でまだやってないこと』とか、『これをやったらその次につながるチャンス』って沢山あると思うんですよ。

それを自ら探す努力もせず、行動していないのに今の環境がどうとか言うのは違うなと思うし、ちょっとカッコ悪いなって思っています。仕事の中でできないのなら、プライベートの時間を使ってでもとにかく動いてみる、やってみる。その中で小さな成功体験を積み重ねていくことは自分への自信にもつながるし、そこでのノウハウは仕事の中にも取り入れやすくなる。真摯に、かつ死ぬ気でやり続けて向き合っていけば、絶対見える世界も変わってくると自分を洗脳しています(笑)。

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加藤:上司から見たら、そういう日々の積み重ねの信頼があって、佐々木さんに新しいお仕事をお任せしていると思うんですよね。だから、日頃のちょっとつまらないって思うようなことでも、その中で最大限できることを繰り返していくと、人って信頼が貯まっていくから、仕事も任せられていきますよね。

そうやって、新しい仕事をするとまた経験値が増えるから、またさらに新しい大きい仕事がくる。役所だけでなく、民間企業に入った方でも、そういう佐々木さんの動き方は役に立つと思います。

佐々木氏:やりたいことをやってく中で大事にしていることがあって、1年目の時の課長に「外に出るのはいいけど、まずは自分の本来やるべき業務は絶対完璧にしろ」とかなり厳しく言ってもらいました。だからそれは守った上で、それ以上に最大限できる範囲のことをやろうとしています。

加藤:素晴らしい考え方だと思います。

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※本インタビューは全6話です

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