インタビュー

【高野誠鮮氏 第5話】最前線で戦い、地域住民に感謝される公務員は天職

高野誠鮮5

最前線で戦い、地域住民に感謝される公務員は天職

加藤:これを最後の質問にしたいんですけども、今地方自治体の中で頑張って、本気で良くしようとされている方がいると思います。その一方、民間で働いているけれども、地方の力になりたいという人もいます。それぞれにメッセージやアドバイスをいただいても良いですか。

高野氏:人はいつ価値がわかるか。亡くなった時です。地方の福祉のために生きてきた人が亡くなったら、その福祉の関係者が葬儀に来て泣くんですよ。だから、生きている間に評価されようなんて思わないで、その地域社会でそこの人たちの本当に喜ぶことや、ためになることができれば、本人にとっての人生は最高のものだと僕は思いますよ。自分以外の人のために生きるんですから。それが出来る近道って公務員なんですよ。最高の舞台になるはずなんです。だから、人の役に立って欲しい。役人って、役に立つから役人っていうんですけど、役に立って本当に地域住民から感謝されるってことは、すごい喜びだと思うんです。

 地方自治体やその職員には何でもトライして欲しいんですよ。だから地方自治体の内部でもその受け皿となって、失敗した数だけ褒めてもらえるような評価制度を是非作って欲しいです。どれだけ地味で目立たない地方の公務員であっても絶対役に立ってますから。公務員こそ地方創生の最前線でやれる場所なんですよ。だから、国家公務員じゃなくて地方公務員ですよ。地方公務員が最前線で戦っているんですから。目の前で起こっていることを解決できるのは、現場にいる人たちでしかできませんから。

加藤:民間企業がさらに今後地方で仕事をしていくというのはどうでしょうか?

高野氏:ありですよ。全然ありですね。民間が持っているセンスというか、きらりと光るビジネスセンスだったり、アントレプレナーの精神があったりするはずなんです。それはどうしても役所に足りないところなので活かせると思います。ある意味、ニッチトップな企業なんて出てくるんじゃないかなって。「ここは私たち民間に任せてください」とか、「これは行政下手でしょ」とか、「これはプロに任せるべきだよ」ってものが本当にあるんですよ。ですから、そういう産業っていうのが出てくるような気がしますね。

 必要なときに自治体が「これをやってよ」って、「これはお宅の会社に任せるよ」って、民間の動きがどんどん出てきても良い気がするんですよね。行政ができるんだったらとっくにやってますし。だから、行政が出来ないところをやる企業って、これは需要ありそうですね。滅茶苦茶あると思いますよ。

加藤:今も古民家を改修して宿にしたりとか、空き家をシェアハウスにしたりとか色んな動きが出てきていると思いますけど、まだまだ足りないというかもっとできるというか・・

高野氏:できることは山ほどありますよ。民間企業も本気になれば地方を変えていく力がものすごくあるんですよ。行政が持っているのは権利権限なんですよ。許認可権とかそれだけ。申請主義で、申請してきたものに対して許認可を与える。その程度ですから、そこに民間のセンスを持ち込んで行ってですね、大なたを振るって変えていくってのは多分できるでしょうね。

 頭の中でいつも描くべきことは、その地域の希望なんです。こんなことしたら、皆喜ぶだろうなとか、この町を世界中からでも移り住みたいような町に出来るだろうとかね。だからそれは、本当にマネジメント能力さえつけてくれば、役所の職員でさえできるはずですよ。そのマネジメント能力がないんですよ。それはやっぱり、もっともっとブラッシュアップして欲しい部分であるとは思いますけど。

加藤:なるほど。ありがとうございます。以上でインタビューは終了となります。ありがとうございました。

 

【編集後記】

 高野氏の纏う雰囲気には大物感がある。ただ、その大物感は寛容性をも持ち合わせ、厳しい表現をする際でも言葉とは裏腹に、人間の心の弱さに対する優しさや寛容さも垣間見えた。高野氏は貿易でも相手が欲しがるものを売るべきと仰っていた。日本人の勤勉さは必ず、農業の技術をさらなる高みへと引き上げていくことになると思う。そんな"世界を動かす農業"が日本の未来に待っていると思うと、とてもワクワクする。

 西洋文化が主導したグローバル化によって、世界的にモノカネに心が縛られるようになった。今の世代を生きている私自身も否応なく経済の論理に巻き込まれているのだと思うが、今後その『経済至上主義』の価値観は『稼ぐ』から『喜ばれる』に強く切り替わっていくと思う。海外に住んでみると、「日本が格差社会だ」というのは全くの的外れで、日本人は経済格差や教育格差が小さい類まれな国だと思う。

 マズローの欲求説など、一定の安心や安定をもとに人は精神性を高みに上げやすくなるという話がある。世界的に恵まれた環境にいる日本人は、その役割を果たすことができるのではないだろうか。日本人がモノカネに支配された精神性を次のフェーズに上げ、世界の見本として立ち振る舞える時が近いうちに来ることを心から願うと共に、まずは自分自身がそうありたいとも思う。

 それは恐らく、高野氏が言っていた『Re-Origin』、即ち、何のためにという『原点回帰』が重要なことなのかも知れない。

<高野氏著書/Link>
ローマ法王に米を食べさせた男 過疎の村を救ったスーパー公務員は何をしたか?

<参考URL>
宇宙科学博物館 コスモアイル羽咋:
https://www.hakui.ne.jp/ufo/

自然栽培を体系化した木村秋則氏HP AKINORI KIMURA NET:
https://www.akinorikimura.net/

自然栽培のお茶販売 桜野園:
https://ameblo.jp/otya-sakuranoen/entry-12153372302.html

自然栽培のお茶販売 下園堂:
https://www.shimo.co.jp/

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