(文=神奈川県 佐藤容子)
初めまして。神奈川県の佐藤と申します。地方公務員オンラインサロンの「HOLG×学生」分科会で、「公務員がすべて本音でぶっちゃけて答える」という素晴らしい企画があります。今回は、その企画に寄せられた質問と回答の中から気になるものをピックアップして、記事にして皆さんに紹介する第2弾です。
▼公務員志望の学生からの質問は、随時コチラで受け付けています。
https://forms.gle/ntSZQHop61gKX2WS9
前回は、名古屋市の鵜飼洋一郎さんが素敵なコラムを執筆されたので、その次となるととても荷が重いですね。まずは学生が興味を持った質問の傾向を簡単にさらった上で、特に自分が興味をもっている分野にフォーカスして執筆してみたいと思います。
今回のメンバーも、前回と同じくこの6名。
匿名希望のあそびにん兼公務員さん:公務員歴不詳、40代男性、東北
庁内公募受けたいさん:入庁7年目、30代女性、関東(県庁)
行政にアディクティッドかもさん:入庁11年目、40代男性、東海(政令市)
LOGAN(老眼)/ウルヴァリンさん:入庁27年目、50代男性、四国(町役場)
やっぱり猫が好きさん:公務員歴不詳、40代男性、関東
それでは、早速本題。まず、個人的に、学生さんたちがどのような話題に関心を持っているのかが気になったので、今まで集まっている質問全29問をこちらで何となく分類してみました。
働き方・キャリア・やりがい 14
自治体の仕組み 2
職場環境(人間関係や給与など) 4
就職するにあたっての懸念点 4
プライベート事情については、結婚に関することが多かったのが個人的に予想外でした。
働き方・キャリア・やりがいについては、やはり気になりますよね。特に、残業に関することや、民間との比較が気になっていたようです。就職するにあたっての懸念点は、学歴や年齢、専攻などを気にされていたようです。入るときは確かに気になりますが、結局入ってしまえばあまり関係ない、というのが実情のようです。
次に、これらの質問の中で、特に数も多く、私自身も関心のある「働き方、キャリア、やりがい」からいくつかピックアップして紹介します。
【質問1】自分の専門知識外の仕事が巡ってきた時はどのように対処してらっしゃいますか。
・他の人にお願いしてます。どうしてもの時は、詳しい人に聞き勉強します。「締切の確認」と「求められているクオリティ」を確認するのが大切だと思ってます。(ニコニコ主任さん)
・サクッとリサーチして、即やります。逡巡してる時間とかもったいないんで。(匿名希望のあそびにん兼公務員さん)
・明らかに自分の範疇を超えるものであれば、それが得意な人にお願いして、その代わりにその人が受け持っている中で自分が得意なことを引き受けます。(庁内公募受けたいさん)
・勉強、勉強、そして勉強。職員人生をとおして、この繰り返しです。楽しいですよ。(行政にアディクティッドかもさん)
・常にそうです。目の前の仕事とライフワークとする仕事など二つの視点とそれらを交えたり、離したり、勤務時間内だったり、勤務時間外だったりしながら、らせんがからみあっていくと異動も受け入れやすくなるかも。でも、これからは入庁10年ちよっとくらいは3年ごとに異動していろいろ経験しても、その後はスペシャリストを育てるケースも増えてくると思います。(LOGAN/ウルヴァリンさん)
・特に専門分野を持っているわけでは無いので、知らない仕事でも法令などを読み解きながら、勉強させてもらいます。(やっぱり猫が好きさん)
専門外の仕事はどうしても回ってきます。「他の人に任せる」人と「勉強しながら自分で頑張る」人に分かれました。どちらも正しく、ケースバイケースなのだと思います。チームで仕事をしているので、明らかに自分より得意な方がいれば交換条件でお願いする方が組織全体としては効率的ですし、自分で勉強して何とかなりそうだったらむしろこの機会を自分のキャリアアップに利用するのも良い手だと思います。
【質問2】「市役所の職員になったら今まで勉強してきたこととまったく関係ない分野の仕事を任された!」という話をよく聞きますが、そういった経験はありますか?
・それの連続です。だから大学の課題でも就職試験勉強でも、目標を定めたらいかに最短最速で達成できるか自分なりに考えてやり抜く力を身に着けたいところ。(ニコニコ主任さん)
・関係する分野の仕事なんてやったことありません笑 学校で役に立つのは「自分にあった勉強の仕方」を学ぶことなので、文献や論文を読み込む能力は活きてきます。(匿名希望のあそびにん兼公務員さん)
・今のところ全部そんな感じです。でも、何かしら今までの経験は生かせられる。「この部署ではこんなことを身に着けよう」と目標を立てるとモチベーションが保てるかも。(庁内公募受けたいさん)
・というか、そういう仕事ばかりです。「え、こんな仕事が世の中にあったの?」という仕事に、大学の専攻なんか無視して配属されます。(行政にアディクティッドかもさん)
・いつもですね。(LOGAN/ウルヴァリンさん)
・「今まで勉強したこと」が仕事に役立つことは、あまりありません。(やっぱり猫が好きさん)
みなさんおっしゃるのは「今までの勉強がそのまま役立つことはまずない!」。ですが、今までの勉強がまったく役に立たないというのではなく、考える力をつけるため、自分にあった勉強の仕方を身に着けるために勉強をする意味はあるとのことです。確かに、知識はどんなものもいつかは古びますから、知識そのものが活きることはあまりなさそうです(なので、社会人になっても、常にアップデートは必要ですね)、ただ、勉強の過程で試行錯誤した経験は無駄になることはありません。
【質問3】こういった機会なのでお聞きしますが、働く中で一番辛い、辞めたいと思うことは何でしょうか。
・飽きたとき。あと、エクセルに数字埋めてるとき。ただ、人間関係が良好であれば、乗り越えられると思います。(ニコニコ主任さん)
・つまらない仕事を任されたとき。まぁ、でもソッコーでおもしろく作り変えますけどね。(匿名希望のあそびにん兼公務員さん)
・そこまで思いつめたことはないですね…まだ修業が足りないのかも。(庁内公募受けたいさん)
・むなしい仕事。パワハラ上司に、「やらなくていい仕事」を大量に課された時が一番ヤバかった。(行政にアディクティッドかもさん)
・つらいことは多々あるでしょうけど、ある意味それこそやりがいかもしれませんね。自分にどれだけ確固たるものがあるかないかでしょうか。ただ、最近、ほかの自治体さんではどんな感じなんだろう、若い職員さんたちはどんな感じなんだろうという興味からほかの自治体でも働いてみたいという欲求はあったりします。(LOGAN/ウルヴァリンさん)
・成長している実感が無いとき。(やっぱり猫が好きさん)
「成長を感じられない」「むなしい仕事・つまらない仕事」の方が辛いと感じるみなさん、さすが頼もしいです!こういう職員が増えたら、自治体はもっと良くなるのにと思います。という私も、無駄だと分かっているのに「上が言っているからやれ」と上司に言われた時が一番テンションが下がります。そのときは、何とか自分の中でやる意味を見出して頑張っております!
みなさん、いかがでしたか?公務員という職業が、「安定していて冒険を求めない人がなる職業」というイメージを持たれていることを随所で見るにつけ、やっぱりまだ誤解が多いなと痛感します。そんなイメージを蹴っ飛ばすため、このサロンは進路に悩む学生さんを、いつでもお待ちしています!
これからも、「HOLG×学生」は、本音でぶっちゃけて答えてほしい質問を募集します。空気を読まないキレのある質問、お待ちしています。
次回は、さらに個人的に関心の高い質問をピックアップしてお伝えします。それでは。(了)
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